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診断時:32歳
インタビュー時:52歳(2018年1月)
追加インタビュー時:55歳(2020年8月27日、12月6日)
関東地方在住の女性。夫と二人暮らし。米国留学から帰国後、希望の会社に入社し、プライベートも充実、まさに「人生で一番の絶頂期」にクローン病を発症した。仕事も途中で辞めることになるなど多くの辛い体験をしたが、その後結婚もし夫や多くの医師に支えられてきた。最近は、クローン病は落ち着いてきたが、他にも疾患を抱えており、何とか疾患を減らし、仕事に復帰したいと思っている。その後「反応性機能性低血糖」となりクローン病とは相反する食事制限で苦労した。2020年秋に37.3度という微妙な熱が出て近所のかかりつけ医に行ったら、念のためと言われてPCR検査を受けた。
語りの内容
最初にまあちょっと、なんかせきが出て、倦怠(けんたい)感がひどくて、夕方になってちょっと熱が出たんですね。ただ、その熱も、微熱、37.3°Cという非常にこう、微妙な熱が出まして、
うちからのすぐ近く、歩いて行けるところで、発熱があったら事前に電話をして、診療します。で、その際には、発熱トリアージといって、まあ、発熱をしてる人にはちょっと防護をしたりする、その特別の費用が若干かかりますということを、こう明記してある、いつもお世話になってるお医者さんのところに行こうと思いまして、ところが、ちょうどそこが休診日ということで、結局、最初に具合が悪くなってから4日目に、医院のクリニックのほうに、電話をして伺いました。 まあ、そこで、診断としては、その4日間の間に徐々に症状ってか、熱もやや下がってきたりとか、せきはもう完全に止まったりとか、いろいろ、落ち着いてはきてるんですけれども、あと、ま、もう一つ、自分がクローン病を持ってる、で、他にも炎症性の、掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症という病気を持ってるってことで、その辺の状況はどうですかということで、で、どちらも落ち着いてたので、じゃあ炎症で出てる熱でもないですねと。で、まあ、可能性としては恐らく、だんだんよくなってるということもあって、風邪かなというところで、恐らく普通だったらそこで終わったような感じなんですが、「ただあなたの場合は、あのー、いろいろ病気も持ってますよね」って。で、今ちょうど症状が出てから4日ということで、まあ、もしこれが万が一、コロナ、新型コロナだったら、例えば今晩、急に容態が急変してっていうようなことも可能性としてもあり得る時期に入ってると。で、あの「PCR受けますか」って言われて、
でもやはり、あの、先生の話も非常に私がえっ?と思ったのを見て、すぐにもう先生のほうで、「どういう理由でやるか説明しますね」っていうふうにおっしゃって、やっぱりそのいろいろ病気を持ってる。で、じゃあ急に重篤な状態になる。そこで例えば「もし重篤な状態になったら、もしここが閉まってる時間だったら、開いてる時間なら電話もらってもいいですけど、ここがもう閉院した後とかだったら、もう迷わずすぐに救急車呼んでください」と。で、「そのとき必ず、今、検査を、PCR検査の結果を待ってますと伝えてください」と。というのは、検査を医師がやっているということで、その医師がコロナの可能性があるっていう判断をしたっていうような扱いになるようなんですね。ですので、もうともかく絶対に「検査を受けてるっていうことを、相手に真っ先に言いなさい」と。そうすると、もうその初動の動きが全然変わってくるので、これをもししないで、あ、何だろうなっていうところから始まって、そのことで、重篤化するっていうようなこともあるからと。もう、そういう話をきちんと説明してくださって。結果としては非常にありがたいと思いました。(2020年12月追加インタビュー)
インタビュー18
- 最後の職場を辞めたのはうつ病になってしまったことが原因。これはクローン病とは直接関係ないがクローンのために栄養バランスが悪くなったことが原因かもしれない
- 掌蹠膿疱症はクローン病の合併症とは書かれていないが、どちらも免疫に関係する疾患なので、IBDの患者にはよくいるようだ
- 頑張って何とかなることもあるが、だめなときもある。体の声をちゃんと聴いてあげることが必要。病気と友達にはなりたくないが、口うるさいおばさんくらいには思っておけばいい
- 環境の悪い海外へ行こうとしたときや激務の仕事に就こうとしたときに、いつも背中を押してくれた先生にとても助けられた
- 副腎を診てもらっている先生とクローン病の先生がいて複数の医療機関にかかっている。 自分がハブになって先生たちを繋いでいるが、最後の砦は調剤薬局の薬剤師さんだ
- 通院していた病院に、同病で人生に絶望してずーっと泣いているような若い女性が入院していた。彼女に話かけて彼女が笑ってくれた時は自分もとてもうれしかった
- 病気になってから知り合った人には「クローン病の人」と見られることが多いが、昔からの友人は「クローン病になった」と思ってくれる。その見方の違いは大きい
- 手術で結婚式を延期したことがきっかけで、相手の家族が病気のことを調べてノイローゼのようになり、婚約者も理解してくれず別れることになった
- 就職の最終面接では主治医にどういう仕事なら働けるかということを書いてもらって出すようにしている。そうすると自分で「働けます」というよりは信頼性があるので企業も安心できる
- 転職先の会社はそれほど激務ではないので病気のことを言わずに就職した。通院も土曜日に行けたし、個室化したオフィスだったのでトイレに関しても問題なかったので、特に支障はなかった
- 海外で暮らす場合食事には特に気を付けないといけないが、最近はどこでも日本食が手に入るので基本は和食がいい。しかし、和食でも繊維質の多いものがたくさんあるので注意が必要
- 大学院に行き、入りたい会社に入り、結婚を考えていた人生の絶頂期に難病と診断されて、人生終わったと思った。しかし、それからちゃんと20年生きている
- たまたま主治医とは違う先生に診てもらったとき、大建中湯を勧められて使ったらとても良く効いたので今でも使っている
- 微熱と倦怠感でかかりつけ医を受診したらPCR検査を勧められた。複数病気を抱えている事情など考慮の上、詳しく説明してくれ、検査を強く勧められたので納得して受けられた
- コロナ禍になって普通の人は外出が制限されたりして困っているが、私は元々病気で外出できないことなど普通だったので、時代が私に追い付いたと思っている