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診断時:22歳
インタビュー時:53歳(2017年8月)
関東地方在住の男性。妻と子ども二人。最初は慢性膵炎と診断されたが、1年後にクローン病の診断がついた。最初は病気を隠して就職したが悪化して退職。故郷にUターンして地元の会社には病気を開示して就職したので、今は色々配慮してもらっている。何度も狭窄で手術をしたが、今は落ち着いている。早めに人工肛門にしたが、その後で子どもも授かったので、不便なこともあるが、全体的には人工肛門にしてよかったと思っている。
語りの内容
そこでですね、病気のことを言わずになんとか就職出来る会社はないものかということで、学習塾に勤めたんですね。学習塾というのは子どもが学校から帰ってきてからの仕事なので、お昼すぎに出勤して、で夜9時頃退勤と、そういった勤務時間帯をとっているんですね。なので、学習塾であれば午前中に隠れて通院ができると、そういったことを目論みまして病気のことを告げずに学習塾に就職しました。で、首尾よく就職をしてえー、隠れて通院をしながら勤めも出来ていたんですがやはりあの、病気のことを言わないということもデメリットがあったんですね。
というのは、周りから見ると内部疾患なのでねどこも悪いとこがないと見られてしまうんです。で、当然病気のことも言ってませんで、私をみな健康だと思っている。そうするとまあ、皆と分け隔てないわけですよね。仕事が終われば飲みにこうぜと言ってお酒を飲んだり、まあ唐揚げとかそういった油物ですよね。低脂肪、低残渣といわれているのに、ま、付き合いでですねお酒やおつまみを何食わぬ平気な顔をして美味しそうに食べてしまったりとかですね。
後はあの、やはりトイレに行かなきゃいけないんですね。仕事をしながらもえー、ま、ちょっと仕事、授業の準備の合間を抜け出したり、授業中もですね生徒になにか自習をさせながら、自分はトイレにこっそり抜け出すと、そういった綱渡りの仕事状態をしておりました。で、当然忙しい時もあります。夏期講習、冬期講習はもう学校が休みですので朝から夕方まで授業びっしりとかですね。で、1月、2月も受験指導でですねやはり残業が続いたりとかですね、そういったあの、健康な人と同じように仕事をしてました。
そのおかげで、4年目にとうとう体調を崩してしまって、夏休みですね、あのー夏期講習の間1週間会社が休みの時がありまして、その時に海外旅行を申し込んでいたんですね。とても楽しみにしていたんですが、その夏休み前日の仕事最後の日にとうとうあの、体があの悲鳴を上げて、夏休み初日からずーと寝込んでしまったんですね。海外旅行も当然キャンセルしてしまって、で、そういった経験があって、やはり仕事を続けていくにはね、このまま隠してやるのはとてもできないなと、その時なんかやっとわかったですね。で、その年の年度末にま、自己都合ということで会社を退職しました。
インタビュー02
- 大学3年の終わりに下痢と発熱が続き、胃腸炎だと診断されたが、症状が続いたので、総合病院を受診した。慢性膵炎と診断され入院して一旦良くなったが、その後クローン病と診断された
- 学習塾なら午後からの勤務なので、通院もできるだろうと、病気のことは話さずに就職したが、そのデメリットもあった
- 人工肛門だとお客さんの前でおならのような音がでて恥ずかしい思いをすることもある
- 人工肛門のメリットは頻回のトイレをがまんしなくていいということなので、外出に不安を抱えている人も出かけやすくなるのではないか
- 術後麻酔が切れた後の痛みと不快感が辛かった。また、腸が動き出さないと食事がとれないので、そのために動かなければならないのも大変だった
- 一時期在宅でIVHをやっていたが、肝臓に栄養が行き過ぎて脂肪肝になる恐れがあるという事で今は止めている