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診断時:20歳
インタビュー時:55歳(2017年12月)
追加インタビュー時58歳(2020年8月21日)
関西地方在住の男性。妻と子ども一人。高校の修学旅行の最中に激しい腹痛と高熱を出して発症したが、なかなか診断がつかなかった。やっと診断がついても病気を受け入れることができずに、きちんとした治療をしないで過ごしていた。しかし東京の病院でエレンタールを教わり、それからきちんとした治療を始めた。手術も3回やりストーマも造ったが、今では子どもにも恵まれ、仕事も順調で前向きに病気と向き合って生活している。2019年に原因不明の高熱が続いて脳に腫瘍ができていることがわかった。クローン病と同じ自己免疫疾患らしく、薬物療法によって何とか症状が落ち着いたが、その薬のおかげかクローン病の方も症状が治まっている。
語りの内容
―― そういういろんな資格っていろいろあると思うんですけども、その中で、その、不動産鑑定士を選ばれたっていうのはなんか理由があるんですか。
あ、それはまあ、僕の個人的な思いですけども、あの。ま、まず前提として資格取りたいっていうのがあったのと、ま、できなかった恨みつらみでもないですけどサラリーマンなっても飛ばされたら終わりやんかっていう勝手な思いがあって、資格取りたいっていうのがあって。
で、もう、あって、国家試験大全集っていってこれぐらいの分厚いのでたくさん試験が載ってんのがありまして。で、そん中でどれにしようかな、まずやっぱり思たん税理士さんにしようかなと思ったけど、数字ぱちぱち僕苦手やなとか。もう単純な理由で弁護士さんはこれはちょっと、無理やしちょっとハードル高過ぎるなと思って、で、不動産鑑定士いうのは全くそれまで聞いたこともなかったその鑑定士いうのんが目に飛び込んできて、ま、不動産業界ではトップの資格やなっていうのと。ま、ありがたいことにうち、父親が不動産賃貸業でちょっと不動産持ってるもんで、で、昔、結構だまされたりもしてるので、あ、不動産知識は持っとかなあかんなと思って、あの。
で、ちょっとさっき言いました、今、勤めた会社の父の縁のあった鑑定事務所にも1か月試験的に来てくれてもいいよっていったので、勤めさしてもらって、ああ、これやったら嫌な、嫌な業種ではないなっていうのが分かって。で、ま、ご縁もあっていろんなものの中で、ま、一応、不動産業界では上の資格やから目指す価値もあるかなと思って鑑定士の勉強をほんとに、あの、一からですね、民法も試験科目にしても全部ほんまに大学時代に勉強してませんでしたので、初歩から始めたというところです。
ま、資格試験っていうの意外とハードル高いんですけども始めてみるといろんな発見があったり、分かれば分かるほど面白さがあるのでもしかしたら試験勉強が面白かったのかもしれないです。
インタビュー16
- 新興宗教や民間療法に頼り、治すことだけにとらわれていたときはつらかった。結局1人ではどうにもできず、病気に向き合っている人の話を聞いて、初めて受け入れることができた
- 最近はインターネットで情報がとれるので患者会の会員数は減っている。しかし交流会にはたくさん集まるので、やはりネットではわからない生の声を聞きたいという人は多いのだと思う
- サラリーマンになっても飛ばされたら終わりだとの思いがあって、また鑑定士の仕事にも興味があったし、不動産関係では最も上の資格だったので不動産鑑定士の資格を取った
- サラゾピリンを飲んでいた時に精子を測ったら少ないことがわかったので、それからペンタサにきりかえたら精子の数も戻っていて子どもを作ることができた
- 肛門の手術のあとしばらくは勃起不全があったが、数か月で次第に回復した。ストーマが性生活に影響あるかと聞かれれば、確かに最初は気になったが慣れてしまえば問題なかった
- 絶対にストーマにしなくてはならない状況ではないものの、QOLを考えるとしたほうがいい状況で、ストーマにしたら母親が悲しむかもしれないということを言い訳に先送りしていた
- 3回目の手術は小腸を少しと大腸の5分の4を切除して同時にストーマを造った。また、麻酔があまり効かなくて術後も3日くらいは痛くて眠れなかった
- ステロイドに関してはパルス療法といって一度に大量のステロイドを投入することもやったが、副作用はそれほどひどいものは出なかった
- 初期のころはまだ重症ではなかったせいか、難病と言われたら自分はそれに立ち向かうヒーローになったように感じた。数年かかって病名がついて戦う相手がようやくわかった
- 肺や血液の病気ではないので、かかりやすさは変わらないが、かかった時は防御壁(免疫力)が弱いので注意しないといけない。しかしこれも諸説あるので、正しい恐れ方をしないといけない
- クローン病を体験したことによってコロナの問題も客観的に見ることができていると思う。コロナ対策でも100%を目指すのではなく、自分で対処できる事とできないことを見極めることが大事