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診断時:24歳
インタビュー時:45歳(2018年10月)
九州地方在住の女性。夫と二人暮らし。24歳の頃、腹痛と体重減で病院に行ったらクローン病と診断された。そのまま入院して2か月ほど絶食と点滴で寛解になり退院した。その後、保育士の資格は取ったものの諦めて事務の仕事をしていた。28歳で結婚を機に退職し専業主婦をしていたが、1冊の本がきっかけで、やりたかった編み物を習い始め、保育士の仕事もしながら編み物教室を開いた。そのころ大腸の狭窄がひどくなり手術をして大腸を全摘し、ストーマ(人工肛門)を造った。おかげで食事も少し食べられるようになり、今は元気に生活している。
語りの内容
―― 少しよくなってから普通のOLの事務仕事をされていたということなんですが、そのときにはその仕事を始める、まあ、採用のときには病気のことはお話しされたんですか?
えーと、面接のときには話してないです。あの、その、話さなくていいように時間が自由になるというか、昼間は自由になる仕事を選んで、まあ、悪くなったときに話せばいいかなっていう気持ちで就職しました。
―― で、実際にはトラブルはなかったんですか?
なか、なかったです。同僚には話しました。社長とか上役には病気のことは言ってないですけど、一緒に働く周りの仲間には話して、うん、トラブルなく。
―― ただ、その、何ですか、その会社で、えー、忘年会だとか、そういうイベントのときっていうのは食事とかはどうされてました?
そうですね。食べれるものをかなり選んで食べてました。
で、同僚は知っているので「これ大丈夫?」とか、「これあげるから、これもらうね」とかいう感じで、もう、か、オープンに私はしてたので、食べれないのもあるよっていうのを言って、こんなに残すけど、まあ、残すよっていう感じで…、うん、まあ、最小限に食べる感じですね。
―― でも、その上司の方とかはご存じなかったんでしょう?
そうですね。上司と距離のある職場だったので、そんなに顔を合わせて話すことは、たまたまなかったです。
―― なるほど。では、まあ、そんなに、あの、病気で何かその支障になるようなことはなかったわけですね。
はい。
インタビュー34
- 病気になる前は完全に受け身で誰かに言われた通りに生きてきた気がするけれど、病気になって、いろいろな本を読んでから、自分の思い方でどうにでもなるということに気付いた
- 母親は、私には直接何も言わなかったけれど、自分を責めて泣いていたという話を妹から聞いた。父がそういうことを責めるタイプの人だったので、父には病気のことは話していなかったと思う
- 一旦寛解になってから務めた会社の採用面接の時は病気のことは話さなかった。勤務時間が夕方からだったので日中病院に行くことができたし、仕事の上でも問題なかった
- 腸管皮膚ろうという、腸壁が皮膚に癒着して穴が開きそこから腸液がでてくるという合併症がストーマのすぐ横にできてしまい、ストーマの袋を調節するのに苦労した
- 最初にストーマの話を聞いたときは一晩泣いたが、付けている人は世の中にたくさんいるし、何とかなると思ってすぐ受け入れた。経験者の話やビデオを見て納得して手術に臨んだ