クローン病患者が妊娠を躊躇する理由は主に服用している薬が胎児に影響しないかということでした。また、クローン病の女性は腹腔内の炎症により、卵管の閉塞などが起きやすいため、妊娠しにくくなる可能性があると言われます。運よく妊娠しても病気が悪化して自分の体調が悪くなるという心配もあります。実際に妊娠中に再燃して出産をあきらめたという方もいますが、多くの方はそれらを乗り越えて無事出産し育児に励んでいます。遺伝的な心配をされる方もお一人いましたが、クローン病は遺伝疾患ではないということが明らかになっています。
妊娠・出産への薬の影響
妊娠・出産への薬の影響というと、まずは妊娠中の女性が薬を服用することによる胎児への影響を思い浮かべますが、男性の場合も精子の数が減るという副作用を持つ薬があるため、子どもが欲しい場合は薬の種類を変える必要があります。
体力面、経済面からの不安
次の方は出産・育児と仕事の両立は体力的に難しいと判断し、今は仕事を選んだと言います。
こちらのご夫婦はクローン病の患者同士で結婚したので、医療費も嵩むし、どちらかが入院すると収入にも影響するので経済的に子どもを持つのは難しいと考えています。
妊娠中・出産後のトラブル
次の方は、いったん妊娠したけれど腸閉塞の心配があって出産を諦めたという方ですが、次のクリップでは再度挑戦して無事出産できたというお話をされています。
こちらは出産後に体調を崩した女性のお話です。夫や実家の助けを得て乗り越えたということですが、在宅でIVHをするほどの状態で自分の病気に対応するだけでも大変な時に育児をするのは相当な苦労があったと思われます。
遺伝性疾患ではないが家系内発症はある
この疾患は単一の遺伝子によって遺伝して発症する遺伝性疾患ではないということは明らかになっていますが、環境要因が似ているということからか、親族内にIBD患者がいることが多いということも知られています。看護大学で教員として働く独身男性は、自分がしたような苦労を子どもにさせたくないという思いもあり、自らの子どもを育てる代わりに学生たちを育てていきたいと話しています。
2019年6月公開
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