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診断時:20歳
インタビュー時:49歳(2017年10月)
東北地方在住の男性。両親と3人暮らし。発症は幼少の頃と思われるが、診断がつかなかったため中学1年の頃から病院にかかっていなかった。20歳の時に体重が26キロくらいで、ふらふらになって大学病院に担ぎ込まれ、ようやくクローン病の診断がついた。その後病院で内科治療を始めたが、結局4回ほど手術をして小腸の大部分と大腸を切除してストーマとなり、また栄養摂取が困難になったため、在宅IVH(中心静脈栄養)をしている。現在は病状も落ち着いているので、主に在宅で仕事をしている。
語りの内容
―― カテーテルでその感染するとどういう症状が起こるんですか。
そうですね、最初うーんと、ちょっとわかんなかったですけど、カテーテル感染するっていうのはポート入れる時に先生の方と後看護師さんの方から、高熱出たらともかく早めに来てくださいということで、その高熱も、えー、38度とか39度出たらということだったんですけど、最近ちょっと自分の中でカテーテル感染し始めたったいう風に感じるのが、やっぱり、うーんと普段の生活の中でだるさとか後は熱っぽさとか、なんか、風邪に近いような症状になるような感じが自分はするんですけども、そういうような体調の変化が現れるとカテーテル感染の初期症状かなと思います。
えー、血液の培養の方で、はっきりとわかるようなのは、やっぱり高熱がでたあたり、なるとカテーテル感染して、血液培養で判断してもらってますね、はい。
―― その場合の治療っていうのはどういうことをされますか。
えーとですね、最初の頃は、もうカテーテル感染したらカテーテル抜くっていうことが主だったんですけれど、その後先生方が外国の症例とか調べていただいて、外国だとあの、抗生剤でカテーテル除菌するような方法(注)も試されてるということで、そういうようなカテーテルに抗生剤を入れて、できるだけ抜かないで、えー…治療するっていうやり方を何度か試していただきました。はい。で、その治療がうまくいけばカテーテルを抜かずに再び使えるっていう感じですね。はい。
―― で、そのうまくいかない時っていうのは、一度抜いて入れ直すということなんですか。そのー、カテーテルをいれるっていうのは、やっぱり結構大変なんですか。
そうですね、ポートだと大変ですね、やっぱり。はい。3センチくらい、局所麻酔なんですけど3センチくらい切開して、でー…普通にCV(中心静脈)入れるようにカテーテルを入れるんですけど、ポート入れる部分をやっぱり皮膚の下に、やっぱり袋状のえー…スペースを作んないといけないので、そこを作ってポート入れてっていうことなんで、やっぱり先生方も大変みたいです。はい。
―― で、ポートを入れてしまえば、その、そこに刺すのは簡単に刺せるんですか。
そうですね、簡単です、はい。
―― その刺すときにばい菌が入らないように気を付けないといけないということなんですね。
そうです。
(注)カテーテルを抜かずに抗菌薬で除菌する方法は、医学的に高度な判断が求められており簡単にできるものではありません。在宅IVHは患者のQOL向上に資するものではありますがリスクも大きいことを認識することが必要です
インタビュー10
- 小学校のころは、症状としては発熱だけで、下痢や腹痛はなかったのでお腹の検査はせずに血液検査、骨髄穿刺をやった。最終的に診断がついたのは20歳のときだった
- 宗教に頼って、しばらく病院に行かない時期もあったが、24歳の頃にラジオのパーソナリティーに影響を受け、宗教に対する考えが変わって病院での治療に戻った
- 10年前に障害者雇用でベンチャー企業に就職して在宅で7年間勤務した。会社にはこちらができることを伝えて、会社のほうでそれに合った仕事を切り出してもらっている
- 診断名を告げられた時は、診断名が分かってよかったという気持ちと難病で治らないという絶望的な気持ちの半々だった
- 通常在宅でIVHをやる場合は皮膚の下にポートをいれるのだが、自分は感染症にかかりやすいので普通にカテーテルを入れて2か月に1度くらい交換している
- 在宅IVHをやっているが、カテーテル感染することがあり、最初のころはカテーテルを抜いていたが、最近は抗生剤を使って抜かずに済ませることもある