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インタビュー時:61歳(2016年7月)
関係:妻(夫を介護)
診断時:夫60歳(インタビュー本人15 )、妻54歳
息子2人はすでに結婚して家を出ており、現在は若年性認知症の夫との2人暮らし。夫は2009年に診断を受けた後、しばらく引きこもってしまったが、自分は近所の人に診断を隠さずに相談していたことで、仕事と介護で疲れがたまって倒れたときにも、周囲に助けられた。夫は数時間でも妻がそばにいないと不安になり、イライラしてしまうので、現在はパート勤務の時間を減らして、なるべく夫と過ごすようにしている。
語りの内容
あのー、仕事を辞めて、あのー、雇用保険とかそういうのを、あのー、辞めてから何、何年までは(手続き)できるとかって。やっぱり、そういうのも、やっぱり、主人は手続きができないから、うーん、そういうのをもっとこう、教えて、何かやってもらえる人がいるといいなとは思うんですけどね。
何か、こちらが、私たちもこちらが調べて、あのー、役所へ行って、聞いて、いろんな手続きしたりするの、うーん、そういうのをもっとこう、事前に分かるような、うん。で、聞いて行ったら、「もう年齢的に、もう駄目です」とか、そういうことをよく言われるので。
――もっと早い時点に申請してたら、ひょっとしたらもらえたと、そういうのが。
そう、そうそう。あのー、障害者年金ももらえたんですけど、あのー、「もう年齢がきてるので、もうもらえません」って言われて。じゃ、もっと、こう、早くそういうのを分かってれば、うん、もっとできたかなと。
――あとはそのー、うーん、先ほどおうちのローンの話とかされてましたけども、それ、お仕事辞められた時点で、やっぱり経済的な不安っていうのは。
ものすごい、うん。もう、経済的に、うん。収入は主人ゼロになるし、年金、60からもらうんですけど、もうほんとに、国民年金も低い、うん。ローンに追い付かないし。でも私、だから、まあ、辞めるまでに貯蓄はちょっとあったので、それを切り崩して。うーん、65までは働いてもらえると思ってたんで(笑)。うーん、だからちょっとねえ。貯蓄くり、あれ、貯蓄をほんとに全部吐き出しました。あと、生命保険をもうやめて、もう、お葬式が出せるぐらいにして。
――そうすると、そのー、えっとー、障害者年金を60のときで申請してれば、大分あれだったんですかね。
そうですね。
――助かる部分があったのかな。
全然、あのー、分かん(なかった)…。
――分かったときには、もう65過ぎてた?
過ぎてたんですよ。
――もう年金をもらう年齢になってるから、もう障害者年金は出ないと。
そう、そう、そう。それが私も、が年金をもらえる時期になったので、ちょっと、あのー、聞きにいったんですね。で、あのー、「障害者年金ってあるんですよね」って。あのー、「主人障害者なんですけど」って言ったら、あー、あのー、「年齢がいってるのでもう駄目ですねえ」と言われて、「あ、そうなんですか」って、うん。それがね、もうちょっと分かってれば、うん、もらえたかもしれないし。まあ、それはね、言ってもしょうがないやと思って(笑)。
で、こっちも、あのー、仕事してる、フルで仕事してると、もう休みが取れない。と、休みに合わせて行くと、もう、期日が遅いとか、何か、うん。どうしてもこう、だからハローワークにも行、主人では1人では行けないしね。やれないし。結局こっちが、時間見て行っても、やっぱりもう日にちがない。どうしてもそうなっちゃうので、うん。そういう何かこう、手続きっていうか、うん、そういうのがもっと早めに分かるといいなと思いますけどね。
インタビュー家族38
- インディアカもミスが多くなってきているが、仲間は夫が認知症であることを知っているので、さりげなくサポートして居場所を作ってくれるので、介護する方も楽だと思う
- 40年来の近所づきあいがあるので、自分が倒れた時には近所の人が差し入れをしてくれた。夫に対しても「認知症だから」と思わずに普通に接してくれるのが嬉しい
- 仕事も自分から辞めると言い出し家にこもってしまった。散歩も迷子になって行くのをやめ、車の運転も操作ミスをして自分からやめた。認知症であることを知られたくなかったようだ
- 妻が家を空けると2-3時間でもイライラして、不機嫌になり口も利かなくなる。また、人前でできないことを指摘されるのを嫌がるので、外食時には気を遣う
- 何でも笑いに変えるのが毎日を穏やかに過ごすコツ。自分から笑いを誘うような言葉をかけると、夫も笑える言葉を返してくれる。笑いはすっと出てくる
- 夫は診断から9カ月家にこもりきりだったが、近所のお店で働くようになり、当初は病気のことを伏せていたが、1年ほどしてようやく病気のことを職場に伝えることを承知した
- 60歳で夫が仕事をやめた時は家のローンも残っていたので、貯蓄を切り崩しながら自分もフルに働いていた。そのため、失業保険や障害年金の受給手続きができなかった