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インタビュー時:86歳(2012年7月)
関係:妻(夫を介護)
診断時:夫87歳、妻81歳
2007年に夫が正常圧水頭症による認知症と診断される。夫の希望もあり、手術は行わなかった。夫と2人暮らし、娘3人は独立。夫は元鉄道省で勤務し、退職後は会社員となる。妻は主婦で、30代の頃より、地域でさまざまなボランティアを行ってきた。夫はデイサービス週3回と訪問介護を利用。近所には病名を伝えてある。
語りの内容
―― そうすると、今、ご主人は腰の湿布薬で、認知症に対して何か治療を受けてるっていうことはないですか。
あの、お薬はいただいてますね。
―― ああ。アリセプトか何かですか。
あの、うーん、そう、アリセプトもいただいてましたけど、アリセプトでなく、今は。
―― メマリー?
違いますね。何と言った。私はね。ごめんなさい。薬の名前をね、覚えないほう。
―― あ、でも、認知症のお薬を? メマリー錠とレミニールOD錠?
ええ、お薬で、そうです。そうして、認知症の新しい貼り薬なんていうのもね、やりましたけど。あれは、あの、もう皮膚が元来弱いんでしょうか。すぐにかゆくなったり、真っ赤のあとが大変で、それでそのお薬でなく、あのー、飲み薬にね、していただきましたね。
―― 飲み込みとかは大丈夫ですか。
大丈夫です。誤嚥もいたしませんね。
インタビュー家族29
- 正常圧水頭症の夫は、以前はアリセプトを飲んでいて、その後貼り薬も試したが、皮膚がかゆくなって真っ赤になったので、別の飲み薬に変えてもらった(音声のみ)
- 55年間の障害者へのボランティア活動のなかで高齢化の問題も勉強してきて、回想法も学んでいるが、自分でやろうとしても夫がついてこない(音声のみ)
- もの忘れがひどくなってきた夫は神経内科を受診したところ、正常圧水頭症と診断された。歩き方がおかしいと言われたが、自分には普通に見えて不思議だった(音声のみ)
- 手術を勧められたが、87歳の夫は頭に穴をあけるのは嫌だと言い、セカンドオピニオンでも年齢的に無理かもしれないと言われたので、手術はしていない(音声のみ)
- 正常圧水頭症の夫に「あなたはこの家のどういう存在ですか?」と聞かれ、「赤の他人の口うるさいおばさんだと思ってた」といわれた(音声のみ)
- 木工用のボンドをチューブから出して口の中に入れたことがあった。医師に相談したが、幸い大事には至らなかった(音声のみ)
- 今は93歳の夫を介護できているが、夫が100歳になる頃には自分も94歳となる。そうなれば娘たちも心配だろうが、世話をかけずに、夫婦2人で入れる施設を見つけたい(音声のみ)
- 夫が腰痛で動けない状態になったのを機に、デイサービスを導入。自分も腰を痛めたため、ヘルパーさんに夫がデイサービスに出かける準備をお願いしている(音声のみ)
- 夫はもの忘れに気づいており、循環器のかかりつけ医に相談して検査を受けていたが、妻には結果を知らせていなかった(音声のみ)
- 夫は不安はあるとは思うが、心配したりおびえたりすることはなく暮らしている。昔は言わなかったが、今は「結婚して良かった」と言ってくれることもある(音声のみ)