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インタビュー時:67歳(2011年9月)
関係:夫(妻を介護)
診断時:妻62歳、夫63歳

2007年に妻が若年性アルツハイマー型認知症と診断される。妻・長女の3人暮らし。独立した子が別に5人いる。夫はコンビニ経営していたが、妻に認知症の症状が出始め、レジを任すことができなくなり、閉店。認知症全国本人交流会への参加は、妻にとっても夫
にとっても転機になった。現在、妻はガイドヘルパーを利用。自立支援医療を申請したので、医療費負担が減り、助かっている。

語りの内容

それで今ね、やっぱり一番、あの、家内の、うれしい場所ができたんですよね。それがね、音楽療法なんです。……あの、これもやっぱり、まあ音楽がいいということは、知っとったんですけども、まあ、こういうふうに専門に音楽療法があるということは知らなかったんですよね。これもやっぱりね、交流会の仲間からなんですよ。がんや脳卒中のケア、その他、認知症に対しても、すごくやっぱり熱心にやっておられる先生がいてはるということを聞きまして、もう早速に、お世話になったわけです。
ほんで、まあ、ちこっとお話して、音楽療法いうのはね、どんなんか言うたら、歌で、まあ楽器でも、歌を歌うだけじゃなくて、楽器、踊り、まあ、その他いろいろと、その人に合うた…。これ別に教えるわけじゃないんですよ。レッスンじゃないんですよ。できないことをね、やっぱり教えて、習ってもらう、そういうんじゃないんですよ。歌によって、昔の記憶を取り戻して、ね。今の記憶に近づけて、生活上でできなかった、忘れてきたこと、それを取り戻すための、音楽療法なんです。それを聞いてね、うん。
ほんで、そんなんで「ああ、うれしいです」言うて。「まあ、どこまでできるか分かりませんけど、ちょっと先生お願いします」いうことでね。「分かりました。ほな、ちょっと様子見ましょか」いうことで、「座ってください」。で、いきなりもうピアノでね、だあっとメドレーで演奏でね、ずっと。それがね、僕もびっくりしたんですよ。もう全部歌ってくんですよ、彼女自身が…。もう、ほんま、あのー…もう、あの、何もピアノ伴奏やられるだけでね、何も見ずにして、もう次から次へと、もう歌っていくんですよ。もう童謡から、えー、演歌からね、民謡からね、すべて、うん。
ほんで、先生、要するに、まあ、1日目はどれだけできるかいう、まあ、様子見ですね。それでね、ピアノずっと弾いていくんですよ、うん。それから後から、次からどういうふうにしよう、いうことで、やっぱり見るわけですよね。で、ところが、もう家内がずっと歌ってくもんやからね、僕もびっくりしてね。何で、こんな歌えるんやな思てね。ほんまびっくりしました、ええ。すごいな、思て、うん。ほんでね、もう、そのときはもう感動と感激でもう、もう胸熱くなってね、僕自身も涙こぼしましたけどね。もう、それが40分間も、ほんま相当な曲。もう50曲以上、全部歌うんですよ。「ええっ?!」思てね。「何で、お母さん、何でこんな歌えるんや?」言うてね。「何か知らん、出てくる」言うて(笑)。出てくるんやで、うん。

私は: です。

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