※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
インタビュー時:79歳(2012年10月)
関係:夫(妻を介護)
診断時:妻78歳、夫78歳(インタビュー家族35 の父)
2011年に妻がレビー小体型認知症と診断を受ける。妻・次女と3人暮らし、長女は隣接する市に住む。認知症の妻を支える主な家族は慢性疾患を抱えている次女。姉の婿もアルツハイマーで、病気の情報は聞いていた。夫は53歳で会社を設立、68歳まで続けた。慢性疾患がある。妻は週2回デイサービスを利用。
語りの内容
―― 今、あの、お父さま自身が、何かお母さまに意識してしていることってありますか、生活の中で。
ない、ない。
―― 何か話をするとか。
うーん、けんかしないように。
―― ああ、娘さんと。
うん。
―― お母さまがけんかしないように、間に入るんですか。
ときどきね。ときどきっていうと、まあ、あんまりわいわいやりだしたら、必ず入る。
―― どんなふうに入るんですか。
うーん、「このばか」ち言って。
―― どっちを「ばか」って言うんですか。
どっちも。
―― どっちも。
どっちもばかだ。
―― ああ、片方だけじゃないんですね。
だめ、絶対に、そんなことしちゃいかん。
―― で、お父さまが、そうやって入ると、…おさまるんですか。
おさまるよ。
―― そう、さすが、それじゃ、やっぱりあれですね。
おさまる。
―― うーん、そうやってお父さん、お母さまと娘さんがけんかするっていう状況は、どういうふうに、あのー、お父さまとして理解しているんですか。
うーん、○(次女)との関係はね、昔からなんだよ。(心理学を勉強した)姉なんかに言わせるとね、2人の仲の悪いのはもうしょうがないと言って。
―― うーん、そうですか、そうやって、じゃ、お父さまが、今、3人の生活の中でコントロール役と言いますか。こう。
ここの3人というよりね、あのー、姉のほうはね、賢いんだよね。どっちも、仲がいいよ、2人、3人とも。うまくころがす。
―― そう……。
うん。
―― じゃ、ある程度、もう、お父さまは、娘さん2人におおかたお任せして、ここぞっていうときに、少しそういう調整したりっていう役に。
うん、そう、そう、そう、そう。
―― 徹しているわけですね。
―― うーん、今、お父さまの生活の中で、あのー、幸せとか楽しみを感じるときってどういうときですか。
うーん、家族のみんながけんかしないこと。みんなが…楽しくやっていることが、一番の幸せ。