―― 何かこう、毎日、うん、そうですね、不安なこととかってありますか。
不安はね、あるけど…もうしょうがないのよ、そういうのは。そう、そういうふうにしても、どうして、どう、どうしようもないでしょ。だから、そういうときはもう…もう、いいの。
―― 不安を感じることがあっても、どうしようもないから、もう、もういいと。
もういいと。そうです、そうです。
―― そういう感じですか。
そう、帰ってくるものは帰ってくるし、帰ってこないものは帰ってこない…そんな感じです。はい。ほんとにそうでしょ。
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―― 何かこう、毎日、うん、そうですね、不安なこととかってありますか。
不安はね、あるけど…もうしょうがないのよ、そういうのは。そう、そういうふうにしても、どうして、どう、どうしようもないでしょ。だから、そういうときはもう…もう、いいの。
―― 不安を感じることがあっても、どうしようもないから、もう、もういいと。
もういいと。そうです、そうです。
―― そういう感じですか。
そう、帰ってくるものは帰ってくるし、帰ってこないものは帰ってこない…そんな感じです。はい。ほんとにそうでしょ。
―― 認知症といわれても、すごくまだ、まあ普通に生活されているじゃないですか。その、お仕事はまあ就けないかもしれないですけれど。
うん。
―― その感覚っていうのはどういう感じですか。自分で、本当に認知症なのかなっていう…。
そんなん、ずっと思ってますよ、僕、今でも、うん。認知症自体はもう、ね…うん、別に困ってないし……うん、困るようなことがね、したいですわ。これ、ほんまに。ね、何もないですからね。目的も、何か目標もね。こう、責任持つようなことって一切ないですからね。今までそんなんでね、がーっと重なってたから。もう、何もかも無くしましたからね、うん。…それか、病、ねえ、病院行けんかったほうがよかったのかと思う、僕、逆に。今、逆に仕事もしてると思います。分かりませんよ、どんな結果なるか、分からへんけど、仕事はしてる思うし。うん、ねえ、結構楽しう過ごしてるかも分からへんよね、そのほうが…そんなことばっかり考えますわ、はい。
やっぱり、うん、考え方をどういうふうにすべきかということを考えますね。難しいことを全部したいっていうよりも、今できることは何かをちゃんと考えていかないと、どうしようもならないなとは思いますけどね。
認知症そのものもそうですもんね、結局。だから、あの、自分の中でうまくできてないというようなことが出てくると、やっぱりしんどくなりますね。
―― サポートセンターに来るのはどうですか。楽しい? ここへは週に何回ぐらい来てるんでしたっけ。
週に1回。
―― 4人くらいの方とお話をしたりしてるって伺ったんですけども、楽しいですか?
……お話か。お話、もう苦痛になってきた、だんだん。
うん。…もともと、根っからしゃべる人間じゃなかったから。
―― …ほかの人の話、聞いてるのもつらいですか。
うーん年寄りだから、ま、それ、聞くことは別に…構わないですけども、……普通の会話っていうのはこんだけ難しいことと思わんかったわ。
―― もともと、お話するの苦手だったかもしれませんけど、やっぱり、ぶつけた後はなかなか、こう、頭と口もつながっていかない、みたいな感じですか。
うん、そんな感じやね。
―― 最初のころに比べたらどうですか。つながりやすくなってる。それとも、それがやっぱりちょっと困難度が増してる感じ。
半々なんやろうね、今は。
―― 半々…良くなってるなと思うときと、そうでもない。
落ち込むときと。
―― 落ち込むのは何かきっかけがありますか。
……そやから、落ち込めば、だんだんと深みにはまっていく感じでね、それで困ってんねん。……本当にだから、出口が見えないんよ。
わたしは、何年も不整脈が、あってね、ちょっとそういうのが頻繁に出たことがありますね。やっぱり、心臓というか。
―― 治療か何かなさっていますか。
月に1回そっち行っていますけども。まあ、そんなに悪くはないけどね、やっぱり、くうっとなるとか、あーっとなったことあります。このまま逝っちゃうんじゃないかなと思ったこと、ありますけどね。
―― そういうときは、ショートとかに奥さまは入っていただいたりしたんですか。何とかご自分で看られたんですか。
自分で看たね。ショートもすごいお金がかかるんですよねえ。1日1万円以上かかるんですよ。大変ですよ。まあ、そりゃ、デイサービスも結構ね、かかるけども。ショートステイは何だかんだ…。いやあ、最後に、ショートステイ結構払ったもんね。うーん、大変ですよ。ま、経済的なもんもあるんで。そんなこと言っとれんけどね、やっぱり、経済的な部分大変ですね。
―― そういう、支援ももう少しあれですかね。経済的なサポートができるような…。介護保険使っただけでは。
うーん、駄目だ。
―― 間に合わないですもんね。
うーん、だから、それは、まあ、何ちいうかな、あの人たちはあの人たちで、やっぱり、経営していかないかんからね、だから、運営していかないかんから、ねえ。だから、ほんとに、公的な、ま、公的なものを施設がどんどんね。今もういろいろ○○(住んでいる地域の名前)でも、(民間施設は)どんどんどんどんできてきているけど。大体、15万から20万ぐらいですからね。そんなん、やはり、やっていけない、よっぽどお金持ちじゃないと。
―― そうですよね。
普通の年金生活だと大変ですよね。だから、そういう施設ができるけども、こう、もっと、市っていうか、公的な安いのをどんどん作らんと、ねえ、ええ。それこそ、お金ない人は、老後は、ね、大変ですよね。
で、家でその、父親を看て、母を看て。で、あと介護離職してしまっているので、そのときまで貯めていたお金で。あと両親のほうは、えーと、年金をもう前倒しで先にもらってたんですけれども、その、前倒しでもらってしまっていたからか、2人合わせて、年金が12万しか入ってこなかったんですね。というか、今もそうなんですけど。で、だから12万しか入ってないところに、父を、その、在宅で看ようという話を、その一件(ショートステイ先で身体拘束されていた)があって母と2人でしていたので、ま、在宅で看ていると、どうしてもいろいろ設備も整えなければいけないとか、あとはその、お風呂に父を入れるときに――私でもできる範囲ではできるんですけれども、やっぱり私もヘルニアとかになってしまって、だんだん、それもかなわなくなってくると――まああの、ヘルパーさんとか、訪問で入浴サービスを呼んだりだったりとかも、やっぱりしなきゃいけなくなってきたので、だんだん、あの、経済的にも本当に苦しい状態になってきてしまって。
で、そうですね、ま、とにかく2人の年金が12万円でも、出ていくお金はその毎月の介護費用だったりとか、介護保険適用分を超えた分とか合わせていけば、もう10万円以上出てくという状態とかなので、それにプラス生活費とか、あと、とてもとてもやっぱり暮らしていけるという状態ではなくって。で、もう、その、たぶん私が介護離職してちょうど1年ぐらいたったときとかですかね、もう、うちがそういう状況なので、母のほうの友達も私のほうの友達も、…誘わなくなってくるんですよね。気遣ってくれてるのはすごく分かるんですけど。で、そうすると、だんだんこっちのほうとしても、もう、「あ、友達までいなくなってしまった」っていうふうに、すごい孤立の状態になってしまっていて。
障害者認定、一応あって、障害者、えーと、2級かな、取れて。それで、今度大学のほうの、休職扱いしてもらってますので、その、休職扱いに伴います、診断書っていうのが必要になるので、その診断書、毎月書かなくちゃいけないんです。私も初めて知ったんですけど。その、診断書を書いて、で、共済のほうに提出しなくちゃいけないので、その診断書を毎月、あの、主治医の先生に書いていただいてる状況です。
―― あの、障害認定って精神障害?
精神障害です。
―― の2級?
はい。
―― ああ、なるほど。え、ご主人はそれに対して、そのー、自分が精神障害っていうふうな認定を取ることに関して、何か抵抗っていうか、そういうことってなかったですかね。
――私が見るかぎりでは、あの、無料でバスに乗れるからよかったね、っていうぐらいで、あまり私の目にはそんなに。でも本人はやっぱり身障者っていう、精神障害者っていう文字を見るとショックだと思うんですけども。でも、もう自分に置かれてる状況っていうのがたぶん分かっていると思うので、自分で嫌だなとか、こんな手帳使いたくないなという思いはしてないと思います。まあ、手帳を見せてバスに乗るときでも「ありがとうございます」ってしっかり言って、「ご苦労様です」って言って、バスの運転手さんにあいさつして乗り降りしてるので、あの…自分はこういう状況になったっていうのは、たぶん認識はしてると思いますので。別に嫌だなというのはないと思う。
医療証。あれは助かったね、医療証。その自立支援医療の申請をすることによって、それでその書面で役所へもう一度足を運びますと、医療証をくれるんですよ。
―― 医療証?
医療証くれて、それをね、自立支援医療では病院、aいう、aさんいう病院やったらa病院だけのもんやったんです。ところが、それを役所に行ってそれの申請をすると、医療証いうのをくれるんですよ。要するに、保険証。うん。それ、本人だけのね。本人のみの医療証くれる。それを、その病院以外に提示すると、もう500円で済むんです、支払いが。
その医療証いうのは、今度ね、お世話になったその病院が教えてくれたんですよ。ほんで、検査ね、するのに費用がかかるから、役所へ行って、その医療証の申請をして、それをもろてきてくださいと。ほんなら500円で済みますから、言うて。で、そやから、こないだ、今、何か全部検査したのとかね、それ全部500円で済んでます。で、そやから、薬代も全部込みですよ。そやから、それをね、そやから病院、診察を受けたら500円でしょ。で、そこで薬の処方箋でしょ。薬局行くでしょ。ほんなら、その薬代はいりませんねん。めちゃめちゃ得なんですよ。
―― 本当ですね。
ええ。そやから、ほんまありがたいな思ってね、うん。あれは助かります。
まずは会社は休職ですので、そのときは、あの、何て言うんですかね、傷病手当。それから、あの、障害年金に移行できる、そういう手続き。それはうちは、私はラッキーだったのは、会社が全部、あの、こうしなさい、ああしなさいっていうの教えてくれたんですね。ですから、皆さん、(家族会の)ほかの会員さんと比べると、うまく全部進んでいったんです。はい。だから、よかったんですけども。
あとは、何せ、いつどうなるか分からない、ことではないですか。だから、全部現金化しました。株、株式なんかも全部現金にしました。現金で持っとかないと不安だったんです。だから、全部現金にして、で、あの、ちょっと土地持ってたのも、それも全部売って現金にして、それで生活やってきました。はい。だから、どこからも援助もないです。自分たちで回してきました。
この病気になって、すぐいろんな形で、診断出なかったり、あのー、生活大変ですよね、やはり。どうしてもやっぱり若年ですると。だから、即、アルツハイマー病とか、こういう認知症ってなったとき、治らない病気って分かってるんだから、早く、あの、何て言うんですかね、身体障害を下ろしてほしいなっていう気がしますね。身体障害、寝たきりにならないと下りないんですよ。だから、精神障害だと、あの、医療費はただにならないじゃないですか*。身体障害はなるじゃないですか。やっぱり、医療費もかさんできますよね。で、そういう意味でいろんな…。
まあ、精神障害も1級取れれば、少し、あの、NHKの受診料が半額になったりとか、車の税金がかからなくなったりとかありますけども、身体障害っての、早いじゃないですか、いろんな意味で。だから、そういう意味ではそっちのほうがあったほうが、皆さんはいいのかなって。なりたくない、取りたくない気持ちもあると思うんですよ。だけども、生活していくにはどっちを選択するかっていったら、そっちかなと、私は、私自身は考えます。皆さんはどうかわかりませんけどね。うん。
―― 今のは、その、身体障害と精神障害とあって、その精神障害であってもそちら(身体障害)のほうが早く取れるからっていう意味ですか。
いえ。精神障害はすぐ取れるんですよ。でも、精神障害は1級…いや、2級までだと何のメリットもないって言ったらおかしいんですけど、ほとんどないんですね――精神障害の1級になると、いろんなのを使えることも出てきます。でも、身体障害っていうの早いじゃないですか、いろんな意味で、使えるものが。ていうのが、だって、これ治らない病気。だったら早く出して、家族が安定できるようにしてほしいなって思うんですね。
*自治体によっては精神障害でも医療費の助成をしているところもあります。