投稿者「dipex-j」のアーカイブ

認知症の語り

脳の何かの反射でいつも缶ビールを口に当てていたいだけなので、ビールを水に入れ替えても「ああー」と気持ち良さそうに飲んでいる(テキストのみ)

満腹中枢もちょっとおかしいんじゃないのかなと。限りなく食べ続ける。それというのは、何か、脳の何かメカニズム? それか、口に何かがいつも接していたい…何か、いつも缶ビール、缶ジュースを口にあてていたいか、たばこをずっと吸っていたい。何かそういう、何か反射なのかなと。…今、ビールは中身を入れ替えて水を入れているんですね。それでも、「ああー」とか言って気持ちよくビールを飲んでいるので、かわいそうなんですけども、助かっているというか。去年まで、ずっとお金も自由に持たせていたし、クレジットカードも持っていましたので、1日1回だった買い物が、何か1日に何度も何度もビールを買うようになって、車のガソリン代とビール代で月15万ぐらいのお金が出ていたことがあって、やっぱりこれはおかしいかなと思ってこっそりカードなんかも取り上げちゃったりしたんですけども。そのときのビールがまだ山ほどもうちに残っています。
でも、アルコールの摂取は脳の委縮にもつながるとか言うので、これから一切飲ませないようにしようと思って。5月にその警察沙汰になったのを機会に、今1滴も飲ませていなくって。だから、もったいないけど、わたしもちょっと飲みますけど、こんな500mlは飲みきれないので、ちょっと飲んでもう捨てちゃったんですね。庭のトマトにかけたりして、窓からジョボジョボと。もうもったいと思わないようにしようと思って。デイの人にちょっとビールをさしあげていたり。そしたら、デイのケアマネさんが、空いた缶を全部下さって、今度、空き缶にまた水を入れて、主人に出したりしていますけどね。

認知症の語り

フライドチキンの箱にお弁当を詰めたり、箱の手前に用意してあったおかずを置いたりして馴らして行くと、夫は箱がなくてもデイサービスの昼食を食べられるようになった(テキストのみ)

(デイサービスで)昼ごはんは、フライドチキンしか食べないみたいなことを言ったり、主人が発言していると。で、最初の何日間かは、デイの人がドライブ中に…ケンタッキーを買ってくださって、で、主人が食べたと。でも、本来は、皆さん、同じ物を同じ部屋でこう食べているんですね。で、「そういうふうになるといいですね」っていうことで、そのケンタッキーフライドチキンの箱にわたしがお弁当をつめて、何となく、こう、いろんな物を食べてもらえるようにしたり。それから、何日目かに、スタッフの人が、「フライドチキンの箱の手前に、マーボー豆腐を置いてみたら、マーボー豆腐をご主人が食べた」と、「こりゃよかった」と…いうことで、まあ、その辺からいろいろ、あの、応用を効かせて、「天ぷらを箱に入れたら食べましたよ」とか(笑)、そういうことがあって。で、今は、もう、その箱も持って行かずにみんなと同じ物を食べていますけどね。

認知症の語り

ピック病の夫は入浴を拒み2年間もお風呂に入っていなかった。着替えもしないので、寝ている間にシャツのボタンやパンツのゴムを切って無理やり着替えさせた(テキストのみ)

で……あと、お風呂に全然入らなくって。えーと、最後に入ったのが、わたしの父の誕生日で、2年前の6月13日に東京で集まるときに、娘がどうしても「パパ、臭いから、お風呂入って」っ言って、しぶしぶお風呂に入って…。それから、2年間、お風呂入らなかったんですけども。(笑)そういう衛生面とか身だしなみにこだわらなくなっちゃうんですね。
で、いろんなことがあって、この6月から、デイサービスに通っているんですが。ちょうど丸2年経ったこの間の6月の13日に、デイでお風呂に入ったんです、奇跡的に。で、すごいねっというのが、2年ぶりぐらい。それぐらいお風呂に入らないと。ほかにも歯磨きをしないとか、ひげそりをしないとか、爪切りをしないと、足の爪とかですね。
で、そういうときに、家族会でお会いした奥さんが、ご主人がアルツハイマーの方で、着替えないっていう方がいらして、熟睡中に爪を切ったり、ほかの方も聞いたんです。あの、「熟睡中にシャツを切っちゃうのよね」って、ハサミで。あ、そうだと思って。わたしも、去年は、そういうふうにして、ジョキジョキ、ハサミで…ね。ワイシャツを切っちゃうともったいないので、ボタンの糸をこう切って、ばらばらに、ボタンだけはずすと、朝起きると主人が「おかしいな、ボタンがないよ」って。で、しょうがないから、ほかのに着替える…というようなことをしないと、自分の意思では着替えない。で、ズボンも。パンツは寝ている間に、こう、ひっぱって、ゴムをジョキジョキ切っちゃうと、朝起きて、「変だな、ゴムが切れているんだよ」なんか言って(笑)、「じゃ新しいのにはきかえたら」と。で、「そうだよね」とか言って…はいたりしていたんですね。

認知症の語り

いつも「三角食べ」をしていた父がごはんだけ先に食べてしまったり、おやつのバナナをひと山全部食べてしまったりするのは、何かおかしいと思っていた

で、とにかく、何かちょっとおかしいね、おかしいねっていうのはもう、実は数年ぐらい続いてたんですよね。で、父は、その、食事をするときはちゃんとごはん、おかず、汁物と、こう、三角食べをちゃんとする人だったんですけど、それもしなくなってしまって、あの、ごはんだけ先に食べちゃうとか、おかずだけ食べてしまうとか。で、それ以外の日とかになってくると、あのー、おやつとして置いておいた、バナナがひと山あったら、全部それを食べてしまってたりとか、っていう。これはもう、絶対ちょっとおかしい。

認知症の語り

木工用のボンドをチューブから出して口の中に入れたことがあった。医師に相談したが、幸い大事には至らなかった(音声のみ)

ただ、あの、あれですね。この前、2カ月ぐらい前かしら、あの、デイでね。工作用のね、ボンドをね、何か、向こうでちょっと、それより後のね、お仕事の都合でテーブルの上に置いてあったんだそうです、あの、チューブが。木工用のボンド、それを、あの、こう、出して口の中に入れたらしいんです。
ただ、どの程度入れたかは分からずに、あの、すぐに、え、拭き取ってというふうに、お電話がありましてね。ほいで、私もちょうどそれが土曜日でもう、お医者さまがいらっしゃらない日で、でも、代診の若い先生はいらっしゃるはずと思って、あの、お世話になってるお医者さんのほうにお電話をしまして、こう、こうつってお話をしましたら、うん、「ちょっと調べましたが、私もそういうのはね、飲んだっていうのは今まで聞いたことがありませんでしたから、ちょっと様子を見るだけで」っていうようなことでね、うん。でも、その後、何でもなかったものですから。

―― 良かったですね。

本当に、あのー、ただちょっと口にしただけだと思いますけどね。そんなことが一度ありましたけど。

認知症の語り

80代の妻は時間の感覚がおかしくなっていて、寝る時間になっても寝なかったり、暗いうちから起き出したりする。何度も自分(夫)のふとんを引っ張るので眠れない

まあ夜ね、夜、寝てからね、あの、すっきりね、寝ないでね。私のこの、あれを、ふとんを引っ張ったりなんかするですよ。ほいだから、私、眠れないもんでね。「そんなことしちゃあかん」と言ってもね、なかなかそれは分からない。何べんでもやって。自分が眠らないときには、そういうことがあって大変困りました。はあ。
まあ、時間が、時間の感覚がね、非常にね――朝、ゆっくり寝とるときもあるですけどな――どっちかっていうと早く、早く起きてね。ま、この今、日の長いときはいいですけどもね、えー、日の短い、あの、秋から冬にかけてはね、まだ暗いうちから、はい、起きたりなんかしたりね。うん、「まだ時間が早い」言うて。それから、夜、寝る時間になってもね、なかなか眠らないとか、寝ないとかね。そういうこともあって困ったことがありますね。

認知症の語り

アルツハイマー型認知症の診断を受けている妻は、飲み物や食べ物にちょっと口をつけては残してしまう。食べたいかどうかではなく見た目で選んでいるようだ

それから、あの、ご飯とかですね。食事は全部、私がつけてやるですわ。ちゃんと、よそって。ほいで、うーん、どのくらい食べるか。ご飯をよそって、これ、茶碗へよそいますとね。「このくらい、このくらい食べるか、いいか」って言ったら、「いい」って。ほんで、実際に食べてみるとね、はい、途中でやめちゃう。それから、あの、おやつって、ま、いろいろ、パンとかね、お菓子みたいのありますもんで。それで、買ってきて、やるとね、食べるですよ。ところが、いろいろあるとね、ちょっと食べてはね、残しちゃうんですね。半分食べるか、食べないか。バナナ、こないだバナナを買ってきましたら、バナナなんかちょっと取ってね、食べてね、ほいで、あと残しとく。ほいで、そういうのが、いくつでもあるさ。まんじゅうなんかでも、半分食べて、あと残しとく。みな、全部食べちまえよって言ってもね、なかなか食べんのよね。はい。そういうことがあります。
ま、車に乗ってね、私と一緒に方々行くときありますけどね。ちょっとそこの、あのスーパー、サークルKがありますが、そこへ行ってね。ほいで、何か、買うときに、えー、欲しい物があったら、これ、何でも買えよって言う。そう言って、買ってはくるときはありますけどね。ほいで、うち帰ってきて、そこへ置いといてもね、食べないですね。自分で買ってきた物を食べないですね。そういうふうに、まあ、何が食べたいだか、食べたくないだかは、そういうこと分からないですね、あんまり。そのときの、見た目によって、何か欲しいものがあればね。あの、買ってはくるですけどもね。

認知症の語り

義母は歩けるうちは自分でトイレに行くことにこだわり、それで間に合わずに漏らしてしまう。紙パンツの中でしてくれればいいのだが途中で脱いでしまうため失敗が多かった

で、本人がすごいプライド高いっちゅうか、トイレへ行くっていうから。絶対行くっちゅうて。そこでやっちゃうんだけど、間に合わなくて。あの、行くのは全然あれしなかったから。で、最、最初はね…パンツしてたか、ので、もらしちゃうじゃん。駄目で。ああ、いかんなと思って、で「お母さん、おしりに肉がないで、ちょっと厚いパンツにするか」とか言って紙パンツに替えたのね。で、その抵抗はもうないぐらいになってた。
うん。で、紙パンツの中でそのままやってくれれば、誰も何も問題ないけど、そこで間に合わんくなると脱ぐのね。ほんで、半分でやっちゃうから。そのときのほうが何か失敗が多かったよ。初めのほうが。うん。で、あのー、ちょっと立てて、ちょっと手が、手足が動くころが失敗が多かったと思う。で、そこで、あのー、ポータブルのトイレも置いててあげたのね。で、まだそのときは、まだだいぶ、ちょっと歩き回ることできたので、ポータブルでやって、っていうのも初めはしてた。

認知症の語り

トイレの失敗に対して「こんなところで」と思うのではなく、「そう来たか」と思うことで、「じゃあ、どうしよう」と考えることができると友人が教えてくれた

でも、友達が教えてくれた言葉、2つ残ってて。何か、ちょっとトイレで、こう、失敗したりしたら、「そう来たか」って思うんだって。「そう来たか」って、こっちが思うと、じゃ、どうしようっていう、そのワン、ワンポイントのワンクッションがあるのね。だから、何かやったら、「そう来たか」と思いなって言われたの。だから、それ、スーッとした、私。
ほんに、まったく同じ症状なんで、出てくるのは「こんなとこ、うんこして」なんだけど、「そう来たか」と思って。どうやって片づけようと思うじゃん、次は。うん。それが1個残ってる言葉で。もう1つは、「みんな死ぬんだ」って、最後は。自分もそうだけど、これはずっと続くことじゃない。「一時なんだから、今やれることやれ」って言われた、友達にね。ずっと10年看たんだよね、その人。

認知症の語り

後に前頭側頭型認知症と診断された妻は、食事時ではなく何もないときに、日本酒をコップに入れて、ビールや水と同じように飲んでいた(音声のみ)

それは何やったんろう。あの、あの、「寝れないから」って言って、もう「お酒飲んだら寝れる」言うて飲んでるのが多かったんですかね。その、食事のときに飲むとかじゃなしに、何もないときに日本酒をコップに入れて、もう、その、ビールと同じような感じでぐい、ぐい、ぐいって飲んでしまう。ビールも酒も、水も同じ。というような飲み方してたんで、うん。体壊してしまうよね…うん。