アルツハイマーの治療というのは基本的にはないんで、まあ、あの、一応薬を、抗認知症薬をまず、日本でまだ認可されているのは1種類しかない*ので、その抗認知症薬を飲んで、あとは、いろいろしても、それしかないんですけども、やることがないんで。あとは、脳のやっぱりいろんなリハビリ、高次脳機能障害向けの、一応リハビリを臨床心理士の方が毎週、週2日とか3日やってくださいました。それが大体1年半ぐらい続いたっていう感じですよ。
―― なるほど。その先生のところを移られたっていうきっかけは何かありましたか。
ええっとですね。あの、脳のリハビリについて、やっぱ効果がないっていうことと、まったく効果が感じられないっていうことと、やる意味がまあ、ないんだろうって、僕は考えて。あと、それはやっぱり、結構ストレスになってきたんで。あの、脳のリハビリ、脳のトレーニングが。ちょっとやっぱ本人も、苦痛になってきたようなんで、それをちょっとやめたいっていうことと。あとはやっぱり、今度は新しく移った病院があの、若年性のアルツハイマーの専門外来だったんで、そこにやっぱり移って、もう1回ちょっと治療の方も考えたいなと思いまして、移りました。
―― あの、脳のリハビリって、ちょっとイメージができないんですけど、具体的に言うとどんなことをするんでしょう。
いや、私見てないんですよね。高次脳機能障害者向けの、何か脳トレーニングみたいな感じだったらしいんですけど、いろんな。ただ、まあ積み木をやったりとか、積み木とか、あとは絵合わせとか、何かまあ、そういういろんな物を道具とか、まあ使いながら、脳の機能回復訓練、機能回復訓練と同じようなことをやってると思うんですよね。
*インタビューが行なわれた2010年5月の段階では、アリセプト以外の抗認知症薬は認可されていませんでした。