投稿者「dipex-j」のアーカイブ

認知症の語り

メマリー、抑肝散、パロキセチンの三種の薬を飲んでいる。今は家に閉じ込めているので薬はなくてもいいかもしれないと思うが、主治医に飲み続けるように言われている(テキストのみ)

―― お薬の3種類というのは、何でしょうか。

一つ目がメマリーっていうんですね、それは記憶障害を、それは5月からで、二つ目が抑肝散、それは、いらいらするのを抑える。それは、6月の末か7月からです。で、三つ目がパロキセチンです、その8月の末から。以上の三つです、はい。

―― 3つの薬で、これはこういうことに効いているなと言う実感はありますか?

あ、それがね、結局、物理的に閉じ込めているので、悪さをできなくなっているので、わたしも思ってて、デイの人たちも思っていたんです。だったら、薬を飲まなくてもね、いいんじゃないかなと。で、そうですね、9月の敬老の日の3連休、たまたま主人が3日間飲まなくって、で、これ実験かなとも思いつつも、わたしはそういう素人が、止めちゃいけないかと思って、また、相談に行きましたら、「せっかく、ま、やっているから、飲み続けましょう」と先生に言われて。飲み続けてはいるんですけども。

認知症の語り

強迫的な常同行動を抑えようと、メマリーと抑肝散にパキシルのジェネリックを追加してもらったが、突然眠ってしまうようになったので、今は抑肝散をやめている(テキストのみ)

…あれいつだったでしょうか。あの、前回のインタビューの朝、一番行ってほしくないところに、その、お店の開店前に入っちゃって、保護されちゃって。で、インタビューのあと、わたしも気分転換もあって、主治医の先生のとこに主人と一緒に行ったら、薬を処方してくださって。その、どうしてもこれをしなければっていう、この強迫行動を抑える薬を飲んでいるんです。あの日がくぎりでもあり、やっぱり、完封しょうとわたしは絶対封じちゃおうと思って、それで、あの日、お風呂に無理やり入れて、脱いだズボンのポケットに入っていた鍵を取り上げたんですね、たまたま。そしたら、それからは、鍵がないと出かけなくなって。…ですから、主人が、うっかり出て行っちゃうってことは、今、あんまり、ないんです。あの、外であっという間にいなくなるっていうこともなくなって、ちょっと助かっています。

―― その強迫行動を、和らげるお薬って何ていうお名前のお薬ですか。

パキシルっていう薬ですね。で、それのジェネリックで、パロキセチン、それは本来は、精神的な強迫神経症の人たちのお薬なんだそうですね。例えば、手洗いが止まらないとか。お風呂に何時間も入るとか、そういう人たちは、やめたくてもやってしまう。で、主人はそういう葛藤がないんですけども、ま、お医者さんは、とりあえずこれもやってみましょうっていうことで、パロキセチンを1日1回処方して出してくださっていますけども。SSRIっていう類いですね。で、合計三つ(メマリー・抑肝散・パロキセチン)を、今、飲んではきてましたけども。8月21日にそのSSRIが増えたあとは、すごく、主人のテンションが下がってしまって、何かやっていても、急にこう寝ちゃうんですね。で、デイサービスでも、はしゃいでいたと思ったら突然眠っているというので、また1週間後ぐらいにお医者さんのところに行って、二つ目に出した抑肝散というのを今やめてみています。

認知症の語り

正常圧水頭症の夫は、以前はアリセプトを飲んでいて、その後貼り薬も試したが、皮膚がかゆくなって真っ赤になったので、別の飲み薬に変えてもらった(音声のみ)

―― そうすると、今、ご主人は腰の湿布薬で、認知症に対して何か治療を受けてるっていうことはないですか。

あの、お薬はいただいてますね。

―― ああ。アリセプトか何かですか。

あの、うーん、そう、アリセプトもいただいてましたけど、アリセプトでなく、今は。

―― メマリー?

違いますね。何と言った。私はね。ごめんなさい。薬の名前をね、覚えないほう。

―― あ、でも、認知症のお薬を? メマリー錠とレミニールOD錠?

ええ、お薬で、そうです。そうして、認知症の新しい貼り薬なんていうのもね、やりましたけど。あれは、あの、もう皮膚が元来弱いんでしょうか。すぐにかゆくなったり、真っ赤のあとが大変で、それでそのお薬でなく、あのー、飲み薬にね、していただきましたね。

―― 飲み込みとかは大丈夫ですか。

大丈夫です。誤嚥もいたしませんね。

認知症の語り

何とかよくなるようにと飲み薬(錠剤)が処方され、さらに細粒の薬が追加されたが、なかなか飲まなくて苦労する。ショートステイのときは薬をホチキスで留めてセットして渡している

ほいだから、何とかしてね、良くなるようになるべく、あのー、薬を、飲み薬を処方してくれるですけどね。最初は、あのー、錠剤だ、小さいの1粒あるんですよ。これ、寝る前に飲んでくださいって。で、そいつはね、錠剤ですのでね、すぐ飲むんですよ。
それから、また、2回目、3回目に行ったときかな、じゃ、まあ、もう1つ、ちょっと進んでいきましたのでね、その認知症の症状が。あのー、小さい粉薬で、粉ではないですけど、小さい、細粒ですね、粒ですね。そういうのがあるもんです。それと、水、湯に溶かしてね、はちみつなんか入れて甘くしてね、ほいで飲めっていうですけどね、なかなか飲まんですわ、それも。
もう、拒否すると、もう本当にどうしても飲まんもんですから、なあ、飲まんものはしょうがないなと思ってね、おりますけどもね。それじゃあ、まあ、ど、どうしようもないなあ。注射するような機械がなければ駄目だかな、なんて思います。はい。ほいでも、少しは飲め、飲めますもんでね。あのー、いいときもありますけどね。ちゃんとこちらが、全部ちゃんとしてやってね、やっても飲まない。
…ほいで、あのー、ショートステイで行ったときね、やっぱり寝る前に飲むように言われましたけど、じゃ、向こうで、「ちゃんとセットしてください」って、こないだね、あのー、ホチキスで留めてね、あの、錠剤と、ほいから、その粉薬を入れてね、ホチキスで留めてね、1つ1つ、ちゃんとしときましたから。

認知症の語り

義母にはアリセプトを途中で一度増量して飲ませていた。新しい薬が出たと聞いたが、症状が進んでいて飲んでも効果がわからないと思い試さなかった

―― 認知症に関する治療、お薬とかはどんなふうに進められました?

専門で、最初、何、アリセプト。何mgかちょっと増やしていきました。でも、あれ飲むと、何か興奮するとか言って、あんまり、あのー、増やさなかったと思う。

―― じゃあ量は一定のまま、ずっと飲んでいた?

ああ、だから途中で5mgから10mgになったのかな。1回増えたと思う。

―― じゃあアリセプト以外で、ほかの治療は特に。

やってないです。

―― やってない?

はい。

―― じゃあ、あの、あのー、ずっとアリセプト1つで。

そう。途中で、メマリーか、メモリーかな、「ほかの薬が出ましたけど」っていうのがあったけど。それはもう、確か試す前、試さんかった。

―― あ、うーん、それはお薬増やしたくないから?

ううん。だって、病気、症状としては、そんなに、いやあ、分からんくなってるだろうとは思うけど、その薬は効いたか、効いたか、もう分からんじゃん。試せんもんね、飲んだときと、飲まんとき、試せんもんで。だもんで、まあ、と思いました。

認知症の語り

本当に薬が効いているのかわからず不安の塊だった。本人が自分では飲めない薬をたくさん飲ませるのは辛かった

―― 何かそういう治療に関して、こう、迷いとか、不安とかはありました?

いや、不安の塊だよ、どうなるんだろうっていうのがあった。すごい、分からんじゃん。で、この薬、本当に効いてんの、みたいな、ははは、ねえ…ほんで、飲ましてあげる、ここに置いたら、「はーい」ってここへ落ちるしさ。こう、入れてあげて、はい、水も入れてあげてやらんと、飲めんものをさ、最後。あれ、つらいよね。たくさん飲ますの。薬飲ますの。

―― 種類が多いんですからね。

うん、うん。

認知症の語り

認知症が進まないようにする薬を勧められ、少ない量から飲んだが、普段とは様子がおかしくて合わない感じだった。ちょっと落ち着きがないような感じだった(テキストのみ)

えーっと、その、認知症があんまり進まないっていう薬を進められたんです。それで、「飲んでみてください」って言われて、最初少ない量から飲んだんですけど。何か、ふだんとやっぱりちょっと様子がおかしくて、合わない感じだったし。ま、もともと、その○先生は、その施設長さんが勧めてくれたんですけど、「いろいろ講演とか聞きに行って、いい先生やから」って勧めてくださったんですけど、母も薬がちょっと合わなかったのか、結局、そんなに長くはかかってませんでしたね。だからまた、元の。もう何年もかかっている神経科の先生のほうに変わりました。

―― そのお薬は何か、どんなふうにこう、違うなって思われました?

うーん、何かちょっと、落ち着きがないというか。ま、そのときの説明では、脳をちょっと活性化させる、みたいな感じだったので、「合わない人はよく動き回る」って言ったのかな、何かちょっとそんな感じでしたね、ちょっと落ち着きがないような感じだったので。それでちょっと合わないかなと思いました。

認知症の語り

アルツハイマー型認知症の夫は怒りモードになると対応に困る。そのときは処方されている疳(かん)の虫を治めるような漢方を飲ませると落ち着く

一番困ることはですね、あの、何でですか、怒りモードになっちゃうと、無理難題を言って、本当に手のつけようがないんですね。あ、どうしようもないですね。そいで、最近はもう4年目だもんですから、それは最初から、初期のころからあったんですね。で、4年目だもんですから、最初はそんな気分になれなかったんですけど、今は何を言われても、まあ聞き流すって感じで。そういう心境ですね。そうすると、あんまり大事(おおごと)にならないような、何かこう、逆らって、こちらも言い分があるもんですから、そういうふうになると、どんどん、どんどん、こう、エスカレートしちゃうもんですから。で、もう本当に困ったときは、主治医の先生にいただいてる、あのー、漢方薬を飲んでもらうんですね。そうすると、何かこう、あの、治まるような感じのときもあります、ええ、ええ。

―― ああ、その漢方薬いいですね。

ええ。何か子どもの、あの、何てんですか、あの、子どもたちもよく、そういうときに。

―― ちょっとかんしゃくを起こす。

はい。ええ、癇(かん)の虫に効くような本当にやわらかい、お薬ですよっていって薦められて。そいで、あの、ちょっとほら、かん、軽いときはそれを半分ですね。で、ま、「今日は雨が降ったし、歩きにも行けないし、元気いいし、ちょっとご機嫌も斜めそうだし、ちょっと困ったわ」ってときは、それを1包、あの、ええ、ええ。

―― あ、なるほど。

そう、お助けですね、それも。ええ。

―― それはすごい。

常備してます。たくさんいただいて。ええ、ありがたいです。ええ、お助けです、はい。

認知症の語り

妻のてんかん発作は脳の萎縮だけでなく、薬の影響もあるかもしれないという。しかし、抗認知症薬をやめると脳に悪い変化が起きるのが心配で、抗てんかん薬を常時服用している

で、今まで、その介護者の会でね、先輩方のお話聞かしてもらうと、「若年性のときに、うちの家内もよくてんかん起こったよ」と。それが、なぜてんかん起こるかいうのは分からへんと。だけど、やっぱり若年性のほうの認知症の方にはてんかん発作が起こりやすいっていう。まあ脳の萎縮が影響してんのかなっていうことは、ま、精神科の先生方も、そういうことも言われることあるんですけど、それが、これが要因やとか、もともとの遺伝が問題で何かではなくて、ま、遺伝があるっていう方もいてはるんですけどね。
で、薬の影響も、あることもあるんですって。だから、アリセプトを常用することによって、えー、脳に変化があるから、そういうてんかん発作が起こりうる可能性もあると。だから、アリセプトを飲んでるから、で、今の新薬の薬を飲んでるから、ではなくて、えー、可能性としてないこともないということが、まあある、ある。お聞きしたんですけどね、先生に。それで「アリセプトやめんのか」言うたら、やっぱり「やめたくない」と言う。家内の脳にまた変化、悪い変化、今いいように進んでるのに、そのー、アリセプトをやめることに、てんかんが怖いからアリセプトをやめるっていうことに対して、家内に変化、悪い変化が起こるのが怖いから、ま、ちょっと、それはやめてますね。だからまあ、常時、抗てんかん薬は服用させてます。

認知症の語り

1998年に若年性アルツハイマー型認知症と診断され、翌年アリセプトが発売されて飲み始めたが、壁や机を叩くようになったので服用をやめたら止まった

―― (病院に)かかられたころはもう治療薬って出てました?

えーっと、かかられたとき、まだ、かかったとき出てません。で、その後、えー、平成11年ですか。あの、アリセプトが出ましたよね。で、アリセプトを飲み始めました。で、飲み始めたんですけども、これはうちは合わなかったんだと思います。すごく穏やかな性格なんですけども、1年ぐらいたったころに、あの、ちょっとおかしい行動が出たんです。それは、人を叩いてはいけないってのはあるんですね。だから、女性はましてや、叩いてはいけないっていうのが主人の、あれは持念じゃないかなと思うんですけど、それが壁を叩いたり、机を叩いたりっていうのが出てきたんです。
…で、そこで先生と、「先生、こういう行動が出てきたんですけども」って言ったんですね。そしたら、「うーん、それが副作用っていう言い方はおかしいかもしれませんけども、そういう形で出たかな。やめようか」って先生、おっしゃったんですね。で、そのアリセプトをやめたんです。そしたら、その行動がなくなったんです。だから、以前の主人に戻ったんですね。ですから、ああ、やっぱりそういうこともあるんだなっていう。