投稿者「dipex-j」のアーカイブ

認知症の語り

母は半年ほど前からアリセプトを飲むようになって、進行が止まっているように感じるし、表情も以前に戻ったような感じがしている

今年の夏ぐらい、今から半年ぐらい前に、地元のおふくろが今住んでいる地域の精神科医の方に連れていったんですよ。ちょうどあの、認定がありますでしょ。

―― あ、更新。

介護認定の更新の、その主治医の、だから主治医が変わった形で先生んとこへ連れていって、全部、今までの様子とかを伝えて、で一応あの、まあ、精神科医さんを、当初、こう、ジャッジされたお医者さんから、違うお医者さんに、お医者さん自体が変わったんですけど、はい。

―― でも薬はなしで?

あ、ほんで、その先生は薬を出されました。

―― あ、そうなんで。

はい。

―― どんな薬かご存じですか。

アスべ…。

―― アリセプト?

ああ、そうだ、はい、はい。その薬です。

―― そうなんだ。どうですか、始まってから。

僕は、まだ飲み始めて半年たってるかたってないかですけど、僕は何か進行がちょっとこう、治まってるように――僕自体はだから、月に4回ぐらいしか会わないんですけど、週に1回ですから――ま、何かちょっと、様子がこう、止まってるかなっていうふうに思ってるんですけど、まあ、あのー、どうでしょう。そこの辺はちょっと、あんまりはっきり明確には分からないですが、何か、ちょっと薬の加減が効いてるのかなという気はせんでもないです、はい。
何かね、表情がわりかし、そんな日によってちゃうんで、ま、僕4回行くか5回しか、月に会わないからあれなんですけど、前よりも何かちょっと表情は、ちょっと戻ったかなあ。戻ったというか、表情はいいかなというふうに。ま、薬飲む、自分の勝手にイメージがあるんかも分かんないですけど、あの、そんな感じはします。

認知症の語り

海外では選択肢が複数あると聞き、メマンチンを個人輸入してアリセプトと一緒に飲むようになった。クリスティーンさん(※)が二つを飲んで元気でいるのが信用するきっかけになった 

それで、あのー、この先生、「アルツハイマーの専門の先生に、ちょっと会ってみたらどうですか」って言うので、その先生に会ったら、その先生がこんな文明国で、あのー、アルツハイマーの薬がアリセプト1つっていうのはおかしいって言うんですよね。外国だと何種類もあって、こう、患者が選択できるって。それで、メマンチンとアリセプトとこう、両方一緒に飲むことによって相乗効果がすごく期待できるという論文も出てるから、「ぜひそれを試してごらんなさい」って言われて、もうそんな治験に参加してる、そんな時間なんかないですから、もう即個人で輸入して飲み始めました。
そしたら、その時はその、やっぱりあの…アリセプトと一緒に飲まなくちゃいけないっていうので、もう今まで飲めなかったアリセプト5mgを「えい、やあ」っていう感じで(笑)。もうメマンチンと一緒に飲み始めましたね。それはずっと今でも飲んでて、今はアリセプト10mg、それも半年くらい前にやっと10mg飲めるようになって、今2つを一緒に飲んでいます。
多分、で、それは何でメマンチンが、わたしたち飲んでみようかっていう気になったのは、あの、クリスティーン、オーストラリアのやっぱりアルツハイマーの方ね。あのクリスティーンの本に、メマンチンとアリセプトを飲んでいるって書いてあったから、「ああ、外国ではちゃんとこうやって飲んでる人がいて、あんな元気な人がいるんなら」っていうのが、それがもう第1のこう、信用するきっかけになりましたね。

認知症の語り

認知症と診断されたときは単身生活ながらアリセプトを飲んでいたが、近くの病院ではアリセプトを飲んでも効かないと言われて、投薬を打ち切られてしまった(テキストのみ)

あの、頭(の画像を)撮って、それから脊髄から、何か髄液取りますかね。それで、もう決定的に言われたの、アルツハイマーって。でも、まだその段階でも歩けますし、まあ、ちょっとの、この、疎通があったんです。で、それから、そういうこと決定されてから、薬をいただくようになって。あの、アルセプト。

―― アリセプトですね。

アリセプト。ええ。それをいただいて、糖尿と、うーんと、合わせてやってたんですよね。糖尿も、まあ、インスリン始めてね。で、まあ、インスリンも自分でやってましたけど。それで、あの、何て言ったらいいかな…。そう、それでもね、まだ、2年ぐらいは、何とか薬飲みながら、自分の仕事もやりながら。
それで、こちらへ帰ってきて、病院でやっぱりね、「やっぱりそうですね」って。で、「アリセプト、これ飲んでも駄目ですよ」って、「効かないよ」って打ち切られちゃったの。ほんで、ちょっと妹はね、ま、「何で」って。まあ、飲んどいてくれたほうがよかったかなと思ったらしいんですけど、強く、わたしには言われなくて。だって、そこの病院が「こんなの飲んでも無駄ですよ」って言われて、もう打ち切られちゃったの。

―― 実際、飲んでたときに変化がありました?

謎。あれ、分からないのよ。効く人もいるかもしれないし、うーん、な、どうですかねえ。長く飲んで効く人もいるかもしれない。その、変化的には、まあ、あの、急速に何かあったっちゅうことあれば、効いてたかもしれないし。ねえ、あそこで、ね、若い先生でしたけどね、「これは飲んでもしょうがないから、いりませんよ」って言われて。

認知症の語り

合わない人もいるらしいが、特に副作用はなかった。やめたら悪くなるのではないかと思って怖かった(音声のみ)

あの、アルツハイマーの、アリセプトって合う合わないってあるじゃないですか。最初から何もなくて、すごい、…あの、何て言うんでしょう、副作用みたいなのが何もなくて、すごく助かっていますけど。それがあるため飲めない人もいるらしいんで、全然なかったです。

―― 飲んでいて、効果っていうのは、実感されてた?

いや、分かんないですよね。分からないんですけど、でも、そんなに進んでない気もするし、でも、ちょっとは進んでいるような気もするし、分からないですね、こればっかりは、うーん。ただ、まだ、あの、さっきも自分の名前書いていたと思うんですけど、字はちゃんと書けるし、会話としては成立するんですよ。だから、まだ、それで十分かなと思うんですね。逆にあの薬をやめちゃったらどうなるんだろうっていうのもすごい怖かったりもするんです、うん。

認知症の語り

認知症の両親は降圧剤をはじめとして様々な生活習慣病の薬を飲んでいたが、高齢なので、父は前立腺の薬と認知症の薬、母は認知症の薬だけに絞ることにした

―― どんなお薬飲んでらっしゃるかご存じですか。

ええ、ええ、あの、父は一番初めはねえ、降圧剤、うーん、それと、あの、ちょっと心臓が、どきどきどきどきっとしたときがあって、あの、心臓の薬とですね、それと、まあ、認知症になったときには、認知症の薬をね、飲んでいたんですけど。まず、あの、年齢からくればね、これぐらいの血圧なら、まあ、我慢できるかなっていうことで、自分のほうからね、ドクターにお願いをしてですね。降圧剤は切りました。それで、心臓の薬もね、うーん、いらないなと思ったんですけれども、まあ、それは、飲んでいたんですね。ですけど、今回入院して調べてもらったら、やっぱり、心臓の薬もいらないっていうことで、今現在、認知症の薬と、あと、ちょっと、前立腺に、ちょっと、問題があるもんですから、おしっこが出る薬。これは、やっぱり、どうしても飲まなきゃいけなくて、その二(ふた)種類飲んでいますし。
あの、母も一番初めはですね、降圧剤にコレステロールの薬飲んで、あとは何飲んでいたかな、今は、ま、認知症の薬飲んでいるんですけれども。あの、降圧剤も二(ふた)種類ほど飲んでいたこともありますしね。で、そういうのも、もう、この年代になったからね、まあ、あの、「先生もういいです」って、「切ってください」ってお願いして、降圧剤それとコレステロールの薬切ってもらって、今、認知症のお薬だけ。これは、やっぱり、何か、必要だなって思っているんで、やっぱり、あの、わたしたちの顔がねえ、分らなくなって生きているよりは、うーん、たまに分からなくなっても、たまに思い出してくれるのが、お互いにうれしいなと思うもんですから。できるだけ、こうと思って、認知症のお薬だけです、今は、ええ。

認知症の語り

薬を飲んでも良くなっているのか全くわからないが、毎日規則正しく飲んでいる。治療の薬ではなく進行を遅くするだけだということはわかっている(テキストのみ)

―― 今飲まれてる薬が、というか薬を飲み始めてから、ちょっと良くなったとか、そういう感覚も全然ないですか。

全然、僕。ええ。もうまったく分かりません。

―― 逆にその、何かおなかが痛くなるとか、調子が悪くなるとか、そうこともない。

ううん、まったくないです、ええ。

―― そんな薬でも、毎日規則正しく飲まれてるんですか?

あ、それは飲んでます、それは、ええ…それも、せん、もう絶対飲むように、あの、してます。それだけは、はい。

―― それは自分ではよく分からないけど、少しでも?

ま、良うなる薬やない、いうのは分かってますからね。ええ、その薬自体がね。つまり、治療の薬じゃないでしょ。何か、どういうんかな、あのー、こういう進行するの遅る、遅、まあ、遅くするいうんですか、そういうような薬やいうふうに聞いてるんでね。

認知症の語り

アリセプトだけのときは頭痛がひどくて飲めなかったが、メマンチンができてよかった。併用するようになって、だいぶ認知症の症状も良くなってどこへでも行けるようになった

わたしも、だからアルツハイマーになって、今、今もまだ、あの、まあ、今は、いな、すごくいい、あのー……、いいものができて、できてますから、あのー、えーと…おい。

―― メマンチン?

メ、メ、メマンチン。あ、メマンチンが出たので、あのー、それがだいぶよく、わたしに、まあ最初はすご、すごく、あのー…もう頭が痛いだの、何だのっていうの、あんまり良くなかったんですけども、でも、だんだんまあそのなりに、それなりに、あの、少しずつ少しずつ、あの、して、あの……何とかそこをできるようになったんですね。

―― 最初、お飲みになってたのは、アリセプトですか。

アリセプトですね、最初は、ええ。で、それ、それだけではダメなので、あの、アリセプトだけじゃなくて、それ、そのさい、あの、それプラス、あの、さい、今わたしが飲んでるのは、あの、何?

―― それがメマンチンですか。

それがメマン、メマンチンなんですね。で、それができた、できて、わたしが飲んでっているので、今はあのー、大丈夫ですね。最初は何か、ものすごくこう、何て言うか、あまりこう、よく頭が痛くなったり何かいろんなね、あるんですよね。それがあの、あの、メマ、メマンチンはすごく良く、何か良くなって、それでだいぶ良くなったんですね、わたしも…。それで、ずっともう、これから、もう飲んでってるんですよね。結構良くなって、良くなってます。

―― 良くなってるっていうのは、その、感覚?

感覚。

―― 見えそうで、見えない。

ええ、そういう、そういうのがね、だい、ま、すこ、ま、そんな、十分、十分じゃないんですけど、でも、とにかくわたしは自分1人で、どこ、どこでも行けるし、あの、ま、行くって言うと、ちょっと怒られる、怒られるけど(笑)。ま、大体そのくらいに良くなったということですね。

認知症の語り

薬は効いているかちょっとわからないが、多分いいんだろうなと思っている

―― 今は、お薬とか飲んだりとかするのは、あの、やっぱり飲んでてよくなるかなって思ってらっしゃいますか。

はい。

―― 自分でも効いてるかなっていう感じしますか。

その辺がね、ちょっとね (笑)。分かんないけど、多分、多分…いいんだろうなと思って……それしか考え、ね、ほかにね、ないもんね…。だから、はい。

認知症の語り

自分自身としてはアリセプトなど薬は飲まなくても間に合うと思っている。コミュニケーションをとることが病気の症状を軽減する効果があると思う(音声のみ)

僕自身としては、だから、ま、薬がね、何か、あー、アリセプトか何か飲んでますけど、……飲まなくても間に合うと思うんですけどね(笑)。でも、1人っていうのが、やっぱり、駄目だと思うんですね。やはり、ま、こういう環境だから、あの、……ま、コミュニケーションとる相手がいっぱいいたりとかするから、何ていうのかな、精神的に、あの、リラックスできる町でもあるわけですよね。そういう仲間がいっぱいいるから。ちょっと歩けばね、おう、おう、おうっていうようなね感じの町ですからね。ああ、そういうことが、あの、ま、進行しているのか進行していないのかよく分らないけど、うーん、…そういう、ま、コミュニケーションをとること自体が、その仲間のね、とコミュニケーションをとることが、ま、そういう、そういう病気を少しでも、こう、何ていうんですかね、あの、軽くさせるような効果になる、なるのかななんていうふうに思ってるんですけどね。

認知症の語り

医師は老人性のうつも疑ったが、CTで脳の萎縮がかなり進んでいることが分かり、これはうつではなくレビー小体型認知症だと診断した(音声のみ)

で、姉と会ったときに、「いやあ、こういう(背中から殴りかかられた)ことがあった」って言ったら、やっぱり、姉が、「やっぱり、わたしはそれはおかしいと思う」って「一度ね、あの、専門家の方に、認知症の専門家の方に診てもらうべきだ」っていうことを、強く言いまして、わたしも、それ、説得されて、「じゃ、…やっぱり、予約をお願いね」ってことで。で、昨年の12月にやっと取れまして、うん。
で、まあ、ここから車で30分ぐらいの専門病院ですけれどもね、そこに伺って、…あのー、レビー小体型の認知症だっていう診断を受けました。で、話した感じ、ね、先生もご覧になって分かると思うんですけど、まあ、普通に見えるんですよね。ですから、もう、その主治医の先生も最後まで老人性のうつ、…か、認知症かっていうことで迷われたみたいなんですけれども、CTを撮って、あのー、脳の萎縮がやはりかなり進んでいる、うん、これは、79歳の、あ、当時78歳ですね、「78歳の女性で、これはあってはいけないことなんです」って言って。で、「そのCTを見て、ただの老人性のうつではなくて、レビー小体だっていうことで判断しました」っていうお話を伺いました。