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診断時:77歳
インタビュー時:80歳(2015年2月)
夫を50代で亡くし長女(52歳)と2人暮らし。2012年4月にMRIで海馬の萎縮、多発性脳梗塞が見られ、「アルツハイマー型認知症」と診断される。長女の全身性強皮症※が進行し、洗濯などは長女の分もしている。週に訪問リハビリ2日、リハビリ型デイサービス2日利用し、ヘルパーに掃除を1回依頼している。
※強皮症は膠原病の一つで,皮膚やあちこちの内臓に硬くなる変化を起こすことを特徴とする病気です。
語りの内容
はじめにおかしいなと思ったんは人の名前を「あの人会社におった人、なんという人やったかいなあ」とそれが思い出せないもんで、ちょっと変やなと。初めにそれが気づいたんですけど、それからこうどこへ何かをしまったのに「どこへしまったかな」ってことが忘れるようになったもんで「おかしいな」っちゅうのが一番最初に気付いたことです。それで…何か薬が遅らせるのがあるとか聞いたもんで、検査してもらおうって、出していただけたらと思って検査しに行ったんですけども。
行った所で「あんた一人で来たん?」と言われたもんで、「えっなんでこんな近くで」とは思ったんですけども、それで検査してもらって、「100から7をずっと引いてって下さい。」と言われたもんで、それがずっと計算ができて「ほうえに(そんなに)できるやんか」って言われて。それから3つの言葉を…あの「覚えといて」っちゅう言われて、でほかのことで雑談しといて後で「3つの言葉何やった?」って言われて、それもちゃんと覚えていましたもんで。
それから何か紙に「好きな事書いて」って言われたもんで、まあ教養のある言葉でも書こうかなって思ったんですけども(笑)、まああの…「たくさんお金が欲しいわ」(笑)って書いて、でそれをあの渡して、で雑談しとって、後で「何て書いた?」って言うたもんで、「お金がたくさん欲しいわ」って書きました。「誰でもな」って、先生笑ろうて見えたんで。それでまあほかの事も全部言えたもんで、そのときは薬もあの出してもらえやんと何もそのまま帰ってきたんですけども。
インタビュー本人12
- メマリーを飲んでいても物忘れがよくなったとは感じなかったが、検査の結果から薬を飲まないようになったら物忘れがひどくなったので薬が効いていたのかと思った
- 一人で勉強しようと思うと脳が疲れたような変な感じがして、拒絶反応のようになる。そんなときはテレビを見たりぼーっとしたりしていると楽になる
- 毎日継続することがよいといわれ、娘と曼荼羅のぬり絵をやったり、デイサービスの仲間と一日の食事の記録をつけたりしている
- 認知症のためにへまばっかりしていて娘に迷惑をかけているので、もっとしっかりしないといけないと思っている
- 週に2回デイケアで体操や自転車こぎなどをしている。その他に週2回訪問リハビリに来てもらっている。週1回はホームヘルパーさんが来て掃除をしてくれるので助かっている
- 最初にもの忘れに気づいて進行を遅らせる薬をもらおうと受診したときは、100引く7の計算もでき、3つの言葉も覚えていたので、薬を出してもらえなかった
- 食べたこと自体を忘れるぐらい進んだ人が認知症で、自分はただのもの忘れだと思っていたが、初期でも認知症というのだと言われてそうなのかと思った