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インタビュー時:56歳(2010年12月)
関係:長男(実母を介護)
診断時:実母83歳、長男54歳
2007年に実母がアルツハイマー型認知症と診断される。アリセプト内服中の母は独居。介護職を専門として勤務している長男が週末に1泊して遠距離介護を行っている。主として介護の実務を行っているのは県内に住む姉で、週5日通って介護している。ショートステイやデイサービスを利用しても、週1日は母親が1人になってしまう。将来を考え、入所を勧めたいが、姉が反対している。母親も入所を希望しており、時間をかけて姉を説得中。
語りの内容
今年の夏ぐらい、今から半年ぐらい前に、地元のおふくろが今住んでいる地域の精神科医の方に連れていったんですよ。ちょうどあの、認定がありますでしょ。
―― あ、更新。
介護認定の更新の、その主治医の、だから主治医が変わった形で先生んとこへ連れていって、全部、今までの様子とかを伝えて、で一応あの、まあ、精神科医さんを、当初、こう、ジャッジされたお医者さんから、違うお医者さんに、お医者さん自体が変わったんですけど、はい。
―― でも薬はなしで?
あ、ほんで、その先生は薬を出されました。
―― あ、そうなんで。
はい。
―― どんな薬かご存じですか。
アスべ…。
―― アリセプト?
ああ、そうだ、はい、はい。その薬です。
―― そうなんだ。どうですか、始まってから。
僕は、まだ飲み始めて半年たってるかたってないかですけど、僕は何か進行がちょっとこう、治まってるように――僕自体はだから、月に4回ぐらいしか会わないんですけど、週に1回ですから――ま、何かちょっと、様子がこう、止まってるかなっていうふうに思ってるんですけど、まあ、あのー、どうでしょう。そこの辺はちょっと、あんまりはっきり明確には分からないですが、何か、ちょっと薬の加減が効いてるのかなという気はせんでもないです、はい。
何かね、表情がわりかし、そんな日によってちゃうんで、ま、僕4回行くか5回しか、月に会わないからあれなんですけど、前よりも何かちょっと表情は、ちょっと戻ったかなあ。戻ったというか、表情はいいかなというふうに。ま、薬飲む、自分の勝手にイメージがあるんかも分かんないですけど、あの、そんな感じはします。
インタビュー家族10
- 父が亡くなって一人暮らしをしている母を訪ねたとき、いつもと様子が違う感じを受けたが、1年ぐらいは気のせいかと思ってそのままにしていた
- 母の物忘れに気づいて、ひょっとしたらと思いつつ、もう少し様子見ようかと思ったりして、葛藤しているうちに、病院に行かないで1年ほど時間が経ってしまった
- 1回目に問診と絵を描かせる検査をした時点でまず認知症に間違いないと言われたが、確定診断のために放射能を含む薬剤を使った血流検査を受けた
- 母は半年ほど前からアリセプトを飲むようになって、進行が止まっているように感じるし、表情も以前に戻ったような感じがしている
- 家を売るのも簡単ではないので早めに決心して、母を施設に入れる準備をしたいが、姉は意見が異なる。月1回ケアマネと3人で会って話し、姉の心の整理がつくのを待っている
- 母を週4-5日介護している姉が心配だ。姉は母が死んだら燃え尽きてしまうかもしれない。姉も友人から介護生活だけでなく社会とのつながりを持つように言われたと話していた
- 認知症のDNAはあると思うが、それ以上に父が亡くなって母一人となり、さびしい山奥に残したことが病気を進行させたのではないか。母に悪いことをしたと思う