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インタビュー時:72歳(2011年10月)
関係:妻(夫を介護)
診断時:夫75歳、妻68歳
2007年に夫がアルツハイマー型認知症と診断され、アリセプトの内服を始める。夫と三女夫婦の4人暮らし。他に娘が2人いる。妻は元薬剤師。夫は開業の外科医で、夫婦で外科医院を開業していたが、診断を受けて休院することになった。自宅介護を始め4年後より徘徊がみられるようになり、対応に苦慮して介護保険を申請する。要介護3と認定され、デイサービスを利用するようになる。
語りの内容
一番困ることはですね、あの、何でですか、怒りモードになっちゃうと、無理難題を言って、本当に手のつけようがないんですね。あ、どうしようもないですね。そいで、最近はもう4年目だもんですから、それは最初から、初期のころからあったんですね。で、4年目だもんですから、最初はそんな気分になれなかったんですけど、今は何を言われても、まあ聞き流すって感じで。そういう心境ですね。そうすると、あんまり大事(おおごと)にならないような、何かこう、逆らって、こちらも言い分があるもんですから、そういうふうになると、どんどん、どんどん、こう、エスカレートしちゃうもんですから。で、もう本当に困ったときは、主治医の先生にいただいてる、あのー、漢方薬を飲んでもらうんですね。そうすると、何かこう、あの、治まるような感じのときもあります、ええ、ええ。
―― ああ、その漢方薬いいですね。
ええ。何か子どもの、あの、何てんですか、あの、子どもたちもよく、そういうときに。
―― ちょっとかんしゃくを起こす。
はい。ええ、癇(かん)の虫に効くような本当にやわらかい、お薬ですよっていって薦められて。そいで、あの、ちょっとほら、かん、軽いときはそれを半分ですね。で、ま、「今日は雨が降ったし、歩きにも行けないし、元気いいし、ちょっとご機嫌も斜めそうだし、ちょっと困ったわ」ってときは、それを1包、あの、ええ、ええ。
―― あ、なるほど。
そう、お助けですね、それも。ええ。
―― それはすごい。
常備してます。たくさんいただいて。ええ、ありがたいです。ええ、お助けです、はい。
インタビュー家族16
- アルツハイマー型認知症の夫は怒りモードになると対応に困る。そのときは処方されている疳(かん)の虫を治めるような漢方を飲ませると落ち着く
- 医師から勧められたウォーキング、旅行、絵、写経などは楽しみながらやっている。特に水彩画は3年経ったら画集を作るという目標もあって楽しみにしている
- 医師に薦められたので、毎晩午後9時半から10時半まで認知症の夫と二人で歩いている。外の風に当たって戻ってお風呂に入って休むとコテン、キュッと熟睡できる
- 夫は夜中に徘徊して警察の世話になったが無事に戻ってきた。本人は自分は夢遊病者になったみたいだと日記に書いていて、外に出ていくはっきりした理由はないようだ
- 娘に勧められて警備会社のGPS位置情報確認サービスに契約した。その後、日中に夫がいなくなったときに探してもらって、すぐに見つけることができた
- 主治医の勧めで介護保険を申請し、夫はデイサービスに通い始めた。本人も喜んでいるし、私も365日24時間体制だったので、救いの神と感謝している
- 医師だった夫は大学病院を受診するときには自覚がなく、自分の医院の休院手続きの際についた病名をみて不思議がっていた
- 夫が認知症とは信じられなかったので、本を10冊以上読み、当てはまること、当てはまらないことを色々と調べた。妻として落ち度があったのではと責任を感じることもあった