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インタビュー時:88歳(2012年6月)
関係:夫(妻を介護)
診断時:妻84歳、夫87歳
2010年に妻がアルツハイマー型認知症との診断を受け、メマリーの服薬を始める。妻と息子夫婦の4人暮らしで、夫は元中学校の教諭。60歳の定年後10年間は民間企業で働き、退職後は、老人クラブの会長を務めた。朝食は夫婦で、夕食は4人で食べる。2~3泊のショートステイとデイサービスを利用しているが、妻が拒否的なときは抱えて送迎バスに乗せている。
語りの内容
ほいだから、何とかしてね、良くなるようになるべく、あのー、薬を、飲み薬を処方してくれるですけどね。最初は、あのー、錠剤だ、小さいの1粒あるんですよ。これ、寝る前に飲んでくださいって。で、そいつはね、錠剤ですのでね、すぐ飲むんですよ。
それから、また、2回目、3回目に行ったときかな、じゃ、まあ、もう1つ、ちょっと進んでいきましたのでね、その認知症の症状が。あのー、小さい粉薬で、粉ではないですけど、小さい、細粒ですね、粒ですね。そういうのがあるもんです。それと、水、湯に溶かしてね、はちみつなんか入れて甘くしてね、ほいで飲めっていうですけどね、なかなか飲まんですわ、それも。
もう、拒否すると、もう本当にどうしても飲まんもんですから、なあ、飲まんものはしょうがないなと思ってね、おりますけどもね。それじゃあ、まあ、ど、どうしようもないなあ。注射するような機械がなければ駄目だかな、なんて思います。はい。ほいでも、少しは飲め、飲めますもんでね。あのー、いいときもありますけどね。ちゃんとこちらが、全部ちゃんとしてやってね、やっても飲まない。
…ほいで、あのー、ショートステイで行ったときね、やっぱり寝る前に飲むように言われましたけど、じゃ、向こうで、「ちゃんとセットしてください」って、こないだね、あのー、ホチキスで留めてね、あの、錠剤と、ほいから、その粉薬を入れてね、ホチキスで留めてね、1つ1つ、ちゃんとしときましたから。
インタビュー家族27
- 何とかよくなるようにと飲み薬(錠剤)が処方され、さらに細粒の薬が追加されたが、なかなか飲まなくて苦労する。ショートステイのときは薬をホチキスで留めてセットして渡している
- アルツハイマー型認知症の診断を受けている妻は、飲み物や食べ物にちょっと口をつけては残してしまう。食べたいかどうかではなく見た目で選んでいるようだ
- 80代の妻は時間の感覚がおかしくなっていて、寝る時間になっても寝なかったり、暗いうちから起き出したりする。何度も自分(夫)のふとんを引っ張るので眠れない
- 病院では先生が丁寧に説明してくれるからありがたいが、専門的なことはわからないので、離れに同居している息子夫婦が一緒に行ってくれる
- デイサービスに行けば、とてもいいと言うが、出かけるときは嫌がるので、山に行くと言って無理やり車に乗せることもある。妻は書道が好きで褒められると喜んでいる