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インタビュー時:88歳(2012年6月)
関係:夫(妻を介護)
診断時:妻84歳、夫87歳
2010年に妻がアルツハイマー型認知症との診断を受け、メマリーの服薬を始める。妻と息子夫婦の4人暮らしで、夫は元中学校の教諭。60歳の定年後10年間は民間企業で働き、退職後は、老人クラブの会長を務めた。朝食は夫婦で、夕食は4人で食べる。2~3泊のショートステイとデイサービスを利用しているが、妻が拒否的なときは抱えて送迎バスに乗せている。
語りの内容
ま、非常に朝、困っちゃうですよ、はあ。あの、デイサービス行くとき、迎えに来ますもんですからね。ほいで、「来たぞ、さあ、何か行くよ」、「どこ行くだ」ってね。「山。山のほうへ行くだ。山へ行くだ」って言ってね。○(デイサービス施設の名前)っていうことを言うとね、とてもね、あのー、「そんなとこ、行かんでもいい」だとかね、「うちにおりたい」とかね、えー、そういうようなことをよく言いました。昨日、今度行ったときでもね、まあ、しょうがないですからね、ま、向こうの方と一緒にね、あのー、一緒に押し出してね。ほいで、まあ無理やり。ほいで、私だけではできんときには、まあ、あの、うちの息子連れてきましてね、一緒に、息子と一緒に、(車の)中、引っ張り込んだりなんかしてね。無理に乗せることもあるです。ほいで、向こう行けばね、いろいろ、「とてもいい」と言って、言っておりますけどもね。
あの、向こうの方はね。いろいろ、家庭連絡帳、連絡帳っていうの書いて、毎日書いてくれる。それから、向こうでお風呂へね、風呂へあまり入らないっていうんですね。もう非常に拒否するとか、あるいは帰宅願望っていって、「うちへ帰りたい、帰りたい」って言う、言うですけどね、まあ、いろいろやったり。書道がやっぱり好きでね。あの、字を書くですよ、半紙へいろいろ書いたりしますけどもね。そうすると、あのー、よく書けたと言って褒めてくれるとね、えー、喜んでおります、そういうときは。
インタビュー家族27
- 何とかよくなるようにと飲み薬(錠剤)が処方され、さらに細粒の薬が追加されたが、なかなか飲まなくて苦労する。ショートステイのときは薬をホチキスで留めてセットして渡している
- アルツハイマー型認知症の診断を受けている妻は、飲み物や食べ物にちょっと口をつけては残してしまう。食べたいかどうかではなく見た目で選んでいるようだ
- 80代の妻は時間の感覚がおかしくなっていて、寝る時間になっても寝なかったり、暗いうちから起き出したりする。何度も自分(夫)のふとんを引っ張るので眠れない
- 病院では先生が丁寧に説明してくれるからありがたいが、専門的なことはわからないので、離れに同居している息子夫婦が一緒に行ってくれる
- デイサービスに行けば、とてもいいと言うが、出かけるときは嫌がるので、山に行くと言って無理やり車に乗せることもある。妻は書道が好きで褒められると喜んでいる