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インタビュー時:65歳(2010年3月)
関係:妻(夫を介護)
診断時:夫65歳、妻63歳
2008年に夫がアルツハイマー型認知症と診断され、アリセプトの内服が始まる。夫婦・息子の3人暮らし。文具駄菓子屋経営。2年ほど前、近所の人から夫の行動がおかしいことを知らされ、自覚のない夫を説得し神経内科で検査を受けた。デイサービスなど公的福祉資源の活用はしていないが、家族・近隣のサポートを受けながら自宅で介護を行っている。
語りの内容
やっぱ、ただ、ほんとにうれしいのは、周囲の助けで歩けるようになったことだけ。歩いてくれるようになったこと。最近のあの。
―― お散歩で。
お散歩に、周囲が助けてくれて。
―― はい、はい、はい、はい、はい。
だから、ほんとに、あの、町内にわたしの同級生、男の子ですよ。
わたしら、6人ばかりでね、で、あと嫁いでまって、地元にはいつきとん(居ついている)のがわたし1人だけなんね。で、きのう、夕べも、「わたしが女番長やでね」って言うぐらいの、やっぱり、みんながね、何か助けてくださるの。…で、わたしら、男女関係なし、すぐ隣も友達だし、で、同じ、わたしのその7組いう組に、同級生2人いるのね。もう一つ6組のに1人いるの。
で、あとは、またいとこになる子が1人いるの。もう、みんな何かね、仲良しでね。
―― じゃ、ほんとに、気ごころもしれて。
全部、そう、そう。
―― あの、遠慮しなくてもできる人たち。
そう、できる。
―― が周囲にいるっていうことですね。
そう、うん。だから、ほんとに、「Aちゃん(夫の名前)、きょう行けへんか」言って。「ちょっと、待っとってよ、お父さん聞いてくるから」「おう、行く」「ほな頼むね」って。だからね、喜んで、何かね、同じように話して。同じように受け入れてくれなさって、で、ぼけとるところも受け入れてくださって、なにけでもしゃべっとっても受け入れとってくださるのね。
―― あーん、それありがたいですね。
ねえ、ほんで、やっぱり、そのね、奥さんともやっぱり仲良くできるのね、そういうふうで。
うん、で、「うちの主人だってこういうふうだよ、いいって…。Aちゃん来たら言ってたるわい(言っておく)から」「頼むよ」ってこういうふうで。
ほんとにね、あの、何ていうのかな、お店やってるおかげもあってねえ、立ち話でもう自由に、ほんと、皆さん、言ってくださるの。