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インタビュー時:65歳(2010年3月)
関係:妻(夫を介護)
診断時:夫65歳、妻63歳
2008年に夫がアルツハイマー型認知症と診断され、アリセプトの内服が始まる。夫婦・息子の3人暮らし。文具駄菓子屋経営。2年ほど前、近所の人から夫の行動がおかしいことを知らされ、自覚のない夫を説得し神経内科で検査を受けた。デイサービスなど公的福祉資源の活用はしていないが、家族・近隣のサポートを受けながら自宅で介護を行っている。
語りの内容
やっぱり、そうやって日にちがぼけてきてからはね。ま、とにかく、そうやって、もう、ほんとに、去年のね、11月1日に、町のほうで長年やってきたもんで表彰式があったんね。そのときなんか、やっぱり、昔のイメージは、自分の昔のイメージがすごくあるもんで、10月の15日から、毎日スーツ着て出かけるんですよ。夜中から起きてきて着替えして。そんな、きょう、何にもやと言っとると、あの、招待状をね、こうやって誰にでも見せてね。「実は、きょう、こうふうに書いてあるで」って。「違うってAちゃん、これは、11月1日やで」「そんなことねえ」って。でも、みんなほかっていかるけども(ほおっておかれるけれど)。
そういうふうでね、もう、15日間毎日そうでしたし、その月にちょうど町内の旅行がある、老人会の旅行があるって言ったときも、もう、28日、10月の末でしたのに、旅行の案内見せてもらったら、その日から5日間ぐらい、毎日、出かけたり、それをまた役員さんとこへ行って聞きに行くの。毎日。
―― そうですか。
「違う」って、「まんだ先なんで、わたしがちゃんとその日を教えてあげるでいい」って言っても、それがもう毎日。もう、頭ん中に入ってしまやね。
―― そうですねえ。
で、ある人が、「きょうは違う」ってカレンダー持ってみえや、「お前んとこのカレンダー違う、うちのカレンダー合っとる」とか、「ほんなんやったら、新聞、きょうの新聞」って(見せると)「その新聞が違っとる」ってもう喧嘩腰で。「もう、お前みたいなの来るな」いうてどんだけ近所の人に言われたかもしれない。