インタビュー時:70歳(2010年9月)
関係:妻(夫を介護)
診断時:夫63歳(65歳で逝去)、妻62歳
2002年に夫が若年性アルツハイマー型認知症と判明。夫は定年後夢だった事業を始め、遠方で単身生活していたが、診断後、自宅へ戻り、夫婦2人暮らしとなった。近くに長男家族、他県に長女家族が住んでいる。デイサービスを利用していたが、夜間の介護が困難となり、老人福祉施設へ入所。長男の嫁と週2回、夫の通い介護をしたが、3年後に逝去した。
語りの内容
―― あの、先ほど、一緒に散歩とかしてて、少しイライラしてくることがあったっていうお話もあったんですけど、具体的には。
そうねえ。あの、変な話ね、ちょっと、ここでバス待ってる時があったのね。で、時間があれですから、ま、こんなん、ほんとはわがままなことですけど、座って待ってるわけ。今までそういうことなかったから、何か恥ずかしいっていう気はあったよね。
―― 恥ずかしい。
うん。ま、こんなこと言っても、あれかもしれないですけどね。「どうして」っていう気はあるわね。自分でも病気になると、「どうして自分が病気」、ね。そういうこともあるし、その、やっぱり普通じゃないですよ、座って待ってるっちゅうことは…。で、よくここ通りますでしょ、人が。うん、まあ、それもね、まあ開き直って、別にっていう考えも出てきましたけどね、うーん。
―― そういった世間に対する、こう、目みたいなものを…気にする?
ちょっとね。隠すっていうわけじゃないんですけど。
インタビュー家族07
- 善光寺参りに親族と出かけた後で、久しぶりに夫に会った自分のきょうだいから、夫の歩き方がおかしいことを指摘された(テキストのみ)
- 認知症と診断されたときは単身生活ながらアリセプトを飲んでいたが、近くの病院ではアリセプトを飲んでも効かないと言われて、投薬を打ち切られてしまった(テキストのみ)
- 200人待ちと言われ、老健をあちこち申し込んだ。最終的にショートステイしているところの老健が空いていて審査に行くと、入れてもらえることになった(テキストのみ)
- 介護中は体調を崩したことはなかったが、何かあれば息子に言って、たまに来てもらったり、話を聞いてもらった(テキストのみ)
- 夫が病院の前でバスを待つのに、人目もあるのに座りこんでいて、恥ずかしいと思うことがあった(テキストのみ)
- 胃ろうをつけるか聞かれた時は娘がきっぱり断ってくれたので、おかげであたふたせずに済んだ。延命行為は自分にもしてほしくないと思っている(テキストのみ)