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インタビュー時:65歳(2011年10月)
関係:長女(実母を介護)
診断時:実母76歳、長女51歳
2008年に実母がアルツハイマー型認知症と診断される。当初、母親は実家で次女と2人暮らしで、日中デイサービスを利用していたが、病状が進行して日中一人にしておけない状況になる。2011年より長女宅へ呼び寄せて、母・夫・息子の4人暮らしが始まる。長女は自営業。週3回デイサービス利用。
語りの内容
うーん、本当はすごく、心では優しく接してあげたいところなんですけれども。本当にヘルパーさんって、すごいえらいなと思うんですけど、やっぱり実の親子同士なので、なかなか、その、親切、優しくできないところがあって。つい、つい、何か赤ちゃんのしつけみたいに、「はい、次これ、しられ」みたいな、「これ、ちゃんとして」、「こういうの、ちゃんとズボン中にシャツ入れて」、シャツ、あの、「ちゃんとズボン上げた?」とか「パンツ上げた?」とか、何かもうすごく子どもを扱うような感じで、もう何かうるさがられ、本人にはすごくうるさがられてますけれども、本当にこれでいいのか、私がものすごく冷たい人間なんじゃないかなって思うときがあるんですよね。
やっぱり何か、「ああ、また、さっきこれ洗ったばっかりなのに、またこれ、洗わなきゃいけないの」みたいな、何かもう腹立ってくるときもありますので、本当、「自分、こんなに冷たい人間なのかな。みんな、でもどうしてる…?」「みんな、ほかの方たちってこんな思いしてないのかな? 私だけ1人腹立ててるのかな?」とか、思うことあるんですよね。うん、そういうの、何かまたちょっと聞かせてもらったら、すごく私にも、「ああ、私だけじゃないのかな」っていうのはある、あるのかなと思ったりしますけれど、うん。
インタビュー家族17
- 最初の病院では、若い先生で年寄りの気持ちがわからないことがあり、母は苦手だった。診断後、ホームドクターに変わり、丁寧に説明してくれる今の先生は母も好きだと言っている
- チラシを折り紙にしてゴミ箱を作ってもらったり、洗濯物をたたんでもらったりと、ちょっとしたことでも本人にとって役に立っているという思いにつながる
- 去年くらいから母の足腰が弱くなり、生活面の介助が必要となってきた。妹は仕事を辞めるわけにはいかないので、それまで妹と暮らしていた母を引き取って介護している
- 長女としての責任感もあり、母と同居したが、母は夫に気を遣い、夫は同居してストレスを感じていると思う。どうしてあげることが母にとって一番幸せなのか悩んでいる
- 自分も心では優しく接したいと思うが、つい赤ちゃんのしつけみたいにあれしてこれしてと言ったり、腹を立てたりしてしまう自分は冷たい人間なんじゃないかと思う