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インタビュー時:34歳(2012年7月)
関係:長女(実父を介護)
診断時:実父64歳、長女27歳

1997年父が56歳で脳梗塞となり、退職。 一人娘である長女と両親の3人暮らしで、19歳から生活と介護を支えてきた。しかし、2005年に父がアルツハイマー型認知症と診断され、状態が悪化。母も体調を崩し、長女は介護離職した。経済的にも追い詰められてうつ状態となり、一時は死を考えた。今は週1回のデイサービス、1~2カ月に1回のショートステイを利用しながら在宅介護中。

語りの内容

あとは、ついこの前、4月の下旬だったんですけど、夜中に寝てて、あのー、おそらく自分の唾液が気管に入って詰まっちゃったんだと思うんですけど、もう、すごい勢いでむせてしまって。ソファで寝てて、もうすぐに起きて、で、「どうしたの?」って、こう、父のほう見に行ったら、そのときすでにががく(下顎)呼吸(※)が始まっていて、で、口から泡はふいてるわ、血圧、脈もどこ触っても触れないですし、で、真っ白になっていくし。で、目はえー、左目はまっすぐこっちを見て、涙流しながらこっちを見てるんですけど、右目だけもう、どっか向いちゃってるんですね。
ああ、これはもう、絶対駄目だって、やっぱりそのとき思ったんですけど、まあ、あのー、母がもう「お父さん、お父さん」て、一生懸命、体、叩いて、さすってっていうふうにしていて。で、そのときに1回こう、「はあ」ってすごい深い息をしたので、ああ、もうこれ、駄目だなって思っていたら、意外と父の、あの、命のろうそくは、また継ぎ足しをチョコチョコしてもらえるみたいで、その後、一瞬だけこう、ふーっと、ちょっと顔に血の気が戻ったような感じになったので、「ああ、じゃあ、もう救急車呼ぼう」って、救急車、その場で呼んだら、あのー、えーと、右、父は右側が動かない脳梗塞になっているので、たぶん左側の脳に疾患があるんだと思うんですけど、今度その、やっぱり、また今まであった所で、その、てんかんの発作が起きてますっていう話で。で、その脳梗塞だったり、アルツハイマーだったり、いろいろやってるから、その、てんかん発作が出ちゃってたんですね、っていう話で。ま、言われてみれば、もう手足も、こう硬直してしまって、ガタガタ震えていた状態だったので、ああ、あれはてんかんの発作だったんだっていう、気づきながら。

※下顎呼吸(かがくこきゅう)とは頭を後ろに反らし顎をあげてあえぐような呼吸をすることをさし、臨終前によくみられますが、ここで話されているのは、てんかん発作後に見られる荒く深い呼吸のことで、通常てんかん発作中に呼吸が止まるため、発作後に酸素を取り込もうとしてそのような荒く深い呼吸が起こると言われています。

私は: です。

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