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インタビュー時:63歳(2017年3月)
関係:次女(実母を介護)
診断時年齢:実母89歳、次女53歳
2001年頃、当時84歳の実母と同居していた兄弟の転居をきっかけに、自宅近くの軽費老人ホームへ母を呼び寄せた。脳梗塞の後遺症で認知症の兆しがあった母は、89歳で症状が悪化(アルツハイマー型と診断)し、介護老人保健施設に入所となる。以後、老健と在宅とを往復しながら、夫と協力して母の介護をしている。在宅のたびに状態が悪くなる母をみて落ち込み、在宅は無理だと悩む一方、勤めに出ていないのに老健を利用する葛藤も抱えていた。
語りの内容
えーと、3年前の7月ごろは、極端な話、7月の20日に在宅に戻りました。4日目の晩に母が、夜中にトイレに起きたときに、母の部屋の横に私は寝てるんですが、ガタンって音がして、隣の部屋へ行ったときには、もう母は倒れてて、結局、うーんと、大腿部の骨折をしたんですね。そのときにたまたま、私しか、家にいなくて、救急車を呼んで、まあ、夜中病院に運ばれたんですけれども、その、在宅に戻って4日目でそんな状況になって、何も、その、3カ月後でも1カ月後でもよかったんですけれども、4日目に、4日、3日、3日寝て4日目の晩にそんなことになったってことで、すーごく何か私自身、落ち込みまして。ほんで、その、何ていうか、手術中、その大腿部骨折の、したときの手術中に母がちょっと、まあ、何ていうかな……どういうのかな、命の危険というか、その、まあ、ちょっと危なかったっていう、後から先生がおっしゃったのは、そういう危険な目にあわせたと。
で、まあ、そのー、何ていうかな、去年、2年ぶりに在宅に戻ってきて、そのときには、そのー、骨折ではなかったですけど、突然母が下血をして、そのー、何ていうかな、ああいうのっていうのはもう前触れも何もなしに、出血する。どこから出血するのかも分からないけど、トイレに行くたんびに便器に出血っていうか、ポタ、ポタ、ポタっていう、何か血が下りるっていうか。
まあ、それこそ「魔の4日間」って私ども言ってるんですけど、「魔の4日間」が過ぎて、まあ、1週間、ああ、やっと過ぎた。ああ、10日過ぎた。ずっともう、10日過ぎたら今度下血が始まってっていうか。
こう、何か、何ていうかな、在宅に戻ると必ず何ていうかな、骨折なり何かすごいアクシデントみたいなことが起きるもんですから、私としたら、正直言って、もうできることなら施設にずっと、あのー、置いていただいて、安心して、まあ、母を看れたらなあとは思ってるんですけども。
インタビュー家族39
- 自分の親を他人に預けることには葛藤があったが、自分がつぶれたら在宅も何もない。老健は在宅復帰を目指す施設なので、時間的に短くても在宅でみる努力を続ける気にさせてくれる
- 小学校高学年の頃父母と川の字になって寝ていた時に、病弱だった父が母に俺が死んだらどうする?と言っているのを聞いた。子ども心に母の面倒は自分が見るという使命感を抱いた
- 在宅復帰するとめまいがして転倒しやすくなる。老健ではアリセプトが出ていないのが、家に帰ると出されるので、薬の副作用かもしれない。特に増量すると吐き気が出るようだ
- 最初のケアマネは困っていることを一緒に背負ってくれる感じではなく、住宅改修業者も勝手に選定されて信用できなかったので、包括支援センターに穏便にケアマネを交替してほしいと頼んだ
- 在宅の時は週6日デイに行っていて2カ所3日ずつだったが、食事の内容や職員のスキルなど事業所ごとの差が大きい。いいと思うほうのデイに6日行かせたいが、空きがない
- 3年前、在宅に戻って4日目で転倒し大腿骨を骨折してから在宅で看るのが怖くなった。昨年の在宅期間も「魔の4日間」が過ぎて、1週間、10日過ぎたと思ったら下血が始まった
- 在宅での看取りは正直言って怖い。100歳を超えて今日は元気でも翌朝亡くなることも不思議ではなく、覚悟はできているが在宅でそれが来るのはつらい。施設に預けるほうが不安はない