診断時:50歳
インタビュー時:53歳(2011年10月)
妻とともに生活保護を受給。2009年自宅で転倒し後頭部を打つ。高次脳機能障害も疑われたが、最終的に若年性脳血管性認知症と診断された。血圧は元々高く、言葉が出にくい、重い物が持てないなどの症状は、降圧剤と家族や周りのサポートで回復し仕事に行けるようになった。週5日障害者就労支援施設B型でタオルをたたむ作業をしている。生活保護の状態から脱したいと思っている。
語りの内容
作業所行くのは9時、15分、10分、15分やね…で、作業、だから始まりは、え、朝礼があって…朝礼が25分なんだね。25分から始まって、「よろしくお願いします」って上から言ってくでしょ。それで、2階に上がる。2階が、あの、そのー、作業室があるんですけど、作業室、だからタオルをたたむ…感じですね。まあ、その日によってたたみ方は違いますけど、ま、今日は8つ折りと4つ折りと、伸ばしか。まあ、これは別に関係のないことですけどね。…で…ま、ノルマっていうのはないんですけど、できるだけ、あの、正確に、ま、4つ折りだったら4つ折りの置き方が難しいのあれ…あれが大変なんだ……で、だから4つ折りのタオルを10枚重ねて置く。10枚重ねておく…20、20でひとくくりで、普通で1つで終わり。それがだから、いくつもあるんだ。
…それをそうこう、やってるうちに昼12時になってね、12時に終わって、ご飯を食べて。まあ作業室の、だからまあ1階が食堂ですけど、食堂だから一応、あのー、みそ汁もいただけることになってるから、それをいただいて食べます。それで昼を、昼休みです。……昼の休みの間っていうのは、退屈というような時間ですね。ほんまは別に、私は続けてやってもいいんですけど、まあ、お昼休みという形をやっぱり取らな、取らなければ駄目なので食べます。したら、昼休みが終わりまして…午後が1時から始まりますので、1時、えー、2階にまた上がって……作業室までずっと、その日によってタオルの量が違いますけど、今日は少ないほう、5,000枚とか何とか言ったから、まあ中途半端に、帰っ、まあ、最後まで居ててもいんやけど、ここでインタビューっていうことで…早退してきました。以上。
―― お昼休み、退屈っておっしゃったんですけれども、そこではほかの人とお話されたりしないんですか?
…私はだから、その、話が……かかわりたくないんかな。……だから、ま、しゃべってこられたらしゃべりますけど、まあ、できるだけ余分な話をしないっていう感じで……まあ、だから頭の中では…整理するのに必死っていうか、頭の中の回ってるあれはね…声を出すのに大変なんです。
インタビュー本人08
- 脳血管性認知症と高次脳機能障害と2つの診断名がついたが、自分としては回復の見込みのある高次脳機能障害の方がぴったりくる(テキストのみ)
- 作業所の仕事にノルマはないが、折ったタオルを正確に重ねていくのが難しい。昼休み、話しかけられると頭の中で整理するのが大変なので、余計な話はしない(テキストのみ)
- 生活保護でだいぶ(国のお金を)使っていると思うので、早く返さなきゃいけないというのが頭にこびりついている。生活保護を脱しないと自分には未来がない(テキストのみ)
- 普通の会話がこんなに難しいとは思わなかった。落ち込めばだんだん深みにはまっていく感じで、困っている。出口がみえない感じがする(テキストのみ)