病いと障害×災害にどう備えるか

近年、気候変動により風水害の発生頻度が高まる中、2024年は能登半島地震で幕を開け、8月には南海トラフ地震臨時情報が
発表されるなど、災害に対する危機意識が高まっています。中でも病いや障害をもつ人々にとって発災直後の避難やその後の
避難生活は大きな困難を伴います。

DIPEx-Japanでは様々な病いや障害の当事者の方々のお話を伺う中で、それぞれが過去の災害でどんなことに困ったか、
「次にやってくる災害」に対してどのように備えているか、お互いに情報を共有することの重要性を感じ、「病いと障害×災害に
どう備えるか」というページを作ることにいたしました。

これまでにDIPEx-Japanが主催・共催したシンポジウムや作成したショートビデオ、さらには災害に関連した語りが掲載されて
いるページへのリンクをここにまとめています。病いや障害の種類が違えば当然ニーズも異なりますので、具体的な対策自体は
違うかもしれませんが、医薬品や必要な機材の備蓄といった自己防衛策から近隣住民とのつながりの中での共助の模索や、
公助を実現するための行政への働きかけのノウハウなど共通する部分もたくさんあるはずです。ぜひこれらの情報を活用して、
ご自身や大切な人を守るために今何をすべきか考える機会を持っていただければと思います。

<教育的活用について> このページの情報は学校における防災教育、住民参加の地域防災講座などにも、積極的にご活用
いただきたいと考えておりますが、当事者の語りにはご本人に帰属する著作権・肖像権があります。個人視聴ではなく、公の場
でこのページの情報をお使いいただく場合は、教育・講演・研究目的でご利用される方へ – 健康と病いの語りをご一読の上、
同ページ上のお申し込みフォームより事前申請をお願いいたします。

オンライン・シンポジウム「病いや障害×災害にどう備えるか」記録ビデオ

2024年7月6日に開催された公開シンポジウムの記録です。炎症性腸疾患の患者さん、医療的ケア児の家族の方、脳性まひで
肢体不自由の方、さらにインクルーシブな福祉防災マネジメントを研究されている専門家の方をお招きして、災害にどう備えるか
について話し合いました。

ビデオ「災害から認知症の人を守れるまちづくりを考えよう」

2019年秋に相次いで千葉県・長南町を襲った風水害の体験を振り返り、認知症の人を含む災害弱者を守るために住民主体で
できることを考えるきっかけ作りにしようと作られたトリガーフィルム(ディスカッションの糸口を提供するビデオ)です。

2020年8月には「災害から認知症の人を守れるまちづくりを考える『みんなの語り場』」というオンラインイベントを開催し、このビデオを
視聴しながらディスカッションを行い、当時の自分たちの行動を振り返ったり、今後に向けての意見を交わしたりしました。(この「みんな
の語り場」プロジェクトの報告書はこちらです。)

「医療的ケア児:緊急時・災害時の対応」

災害時には医療的ケアが必要な人は様々なリスクにさらされます。車いすやバギーを使った避難が難しいことはもちろんのこと、人工呼吸器
は常時電源が必要なため、災害により電気が供給されないことは命に関わります。また、胃ろうに注入する栄養剤やチューブなどの供給停止
を想定して、備蓄しておく必要があります。

「医療的ケア児の家族の語り」データベースの中の「緊急時・災害時の対応」というページには、そうした災害時の対応や備えについて伺った
お話をまとめています。