インタビュー時:35歳(2020年2月)
関係:母
医療的ケアのある子:第2子2歳
首都圏在住。夫、第1子、第2子の4人家族。

第2子が2017年新生児仮死で出生した。
NICUとGCUに数日入院した後、自宅で生活していたが、新生児期に発熱して入院。
珍しい症状であり地元の病院から専門病院に転院して治療した。
生後半年でストーマを造設し、2歳のときにストーマを閉鎖する手術を受けた。
今は必要な医療的ケアはないが、心不全のケアが今後も必要である。
第2子のストーマ閉鎖後に保育園入園が決まり、仕事復帰予定である。

語りの内容

期間限定で医療的ケアが必要になる子っていうのは、今この医療が整ってきている中でたぶん多くいる。その子たちっていうのは大体福祉の制度の隙間にいる。
だけどその子たちは、一時的な医療的ケアが終わるともう次のステップに行き、次の生活も大変だから、そこを振り返って発信していく余裕もないと思うんです。

仮にあったとしても、多分そのケアでいっぱいいっぱいで、外に発信も難しい状況なので、声を上げていくしかないんです。
でも、それをどこが受け止めてくれるの?っていうのもあって、結局私はいろんなところに発信しました。
議員さん、町長、福祉課、役場、厚労省、患者会何個か。

そこでようやく、「あ、こんなことがあるんだ」って、「あ、そんなことがあるんだ」って、みんなうなずいてはくれるんです。
でも、じゃどうするのっていう話で、医療的ケア児を取り巻くところって、病児もおんなじなんですけど、窓口がばらばらじゃないですか。

病院もそうだし、国の管轄で言えば、厚労省、文科省でも違うし、学校関係のことは文科省、厚労省でまた変わってくるし、福祉のことに関しても、障害のある子は福祉課なんだけど、小児の通常の医療費に関しては子育て支援課、全部バラバラなので困る。

結局定型にはまらないっていうのがそういうこと。
お母さんたちには発信はしてほしいんだけど、今日こうやってインタビューを聞いてくださった方がいるように、どこかの医療機関の方が医療の立場で受け止めてくれて、発信してほしいなって思います 。

なぜそう思うかというと、結局病院のケースワーカーさんがそういうことに機能していないからです。
病院のケースワーカーさんに、「ストーマです。何か受けられる手当はありますか」「ありません」、おしまい、みたいな。
あの、「特別児童手当も却下されたんですけど」「そうですか」、おしまい(笑)。
「何とかこのストーマの袋代って何とかならないんですか」「いやー、結局動くのは行政なんで」、おしまいみたいな。
せっかく病院って声が集まるところなのに、ソーシャルワーカーさんからしてそういう姿勢なので。

結局うちみたいに、ストーマの後に心不全になりましたと(なると)、それはもうすごい説明が早いんですよ。
「小児慢性特定疾患を申請できると思いますから聞いてみてください。障害者手帳は先生と相談してみてください。特別児童手当は、これですね」って。
その型にはまってるものは、それなりに普通に話してくれるんです。
でも、型にはまらないものに関してはもうそれ以上のこと関わってもくれないから、病院としても(わからない部分も)あるとは思うんですけど。

いろんな病児のお母さんたちとつながる中で、同じ状態であっても、特別児童扶養手当が受けられる・受けられない、障害者手帳を申請できる・できない、申請しても却下される・されない、もう住んでるところ、先生の診断書で全部バラバラ(とわかった)。
結局うちは抜け落ちてしまったほうなので、そんなことに不満・不平、お金のことを悩むくらいなのは、これから医療が発達して助けられる命が増えていく中で、すごい残念な状況だと思うから、もっとその状況を知ってほしいし、動いてほしい。
母親が動く元気は、もう発信するので精いっぱいです。

私は: です。

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