※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
インタビュー時:36歳(2020年11月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男4歳
関西在住。夫と長男の3人家族。
妊娠中に染色体異常が発見された。
生後3か月で、気管切開と胃ろうの手術をしたが、誤嚥性肺炎を繰り返し人工呼吸器を装着した。
その後も下痢や嘔吐などの消化器症状が出ている。
医療的ケア児を受け入れる保育園は近隣にないため待機の状態で、仕事は育休明けに退職した。
現在は訪問看護や療育を利用しながらも日中はほぼ一人でケアを担っている。
就学年齢が近づいているが、特別支援学校の通学バスに気管切開があると乗れないなどの困りごとがある。
語りの内容
一番最初に困ったことが、GCUから退院するとき、そのときは吸引器だけだったんですけど、市販のバギーになかなか載らなかったことです。荷物が多くって。
その後、すぐに呼吸器を付けることになって、また呼吸器を付けるってなると、呼吸器が入るバギーがなかなかなくて、すごい苦戦したんですね。
ひとしきり呼吸器をつけて退院していった人はどうしてるのかとか、病院で話を聞いたり、実習で一緒だったママに聞いてみたりとかもしたんですけど、ネットで情報を見たりとかもしましたが、なかなかこれと思う物もなく、すごい困ったんですよね。
おんなじように退院していく(とき)、呼吸器があれば、大体、載る物とかも一緒やし、耐荷重とかも同じなのに、もういちいち自分で探さないといけない。もう情報も1つにまとまってない。
一体どこを見れば、この情報が手に入るねんっていうことも、全くどこにも載ってないので、もう自分でこうじゃないか、ああじゃないかって探しながら、こうできるかなとか工夫しながら今やったんですけど、そのときは。まあ、ほんとに情報がない。
市販のバギーでも、そういう医療的ケアのある子向けのバギーをもう少し開発してもらうとか、こういうふうな子どもたち向けに助成をこんだけ下ろすよとか、やっぱりそういう情報がないと困るなって思いました。
――ちなみにどういう解決をご自身でされたんですか。
私は海外製のバギーを買って、結構容量が載る、耐荷重も載れそうな物を探して、病院で呼吸器借りて、お店に持ってって載るかなとかいちいちやってみて。
下の台のところにプラスチックで補強をDIY専門店とか行って、自分でDIYじゃないですけど、やってみたりとかしたんですけど、それで何とか解決して、思うぐらいのバギーにはなったんですけどね。
でも、それまでの過程がほんまに大変やったんで、もうおんなじやと思うんですよ。載せるもんって。なので、このバギーならこれ載せられるよみたいなのが、もう市販で決まっていればいいのになって思ったんですよね。
ピジョンさん(子ども用品メーカー)かなんかは、呼吸器を載せられるように下かごを改造したバギーを出してはるみたいな話あったんですけど。
ただ、それも医療機器を載せるっていうのと、その耐荷重問題から安全は保証できませんとかって一文が添えてたりとか、もちろんオプションなので普通のバギーよりも高くなったりとか。
医療機器載せるから、動作の保証はできませんとか一文載せないといけないとかも分かるんですけど。
だけど、絶対的に載せないといけないもんなので、動作確認とかちゃんとしたもん作ってくれよって思いました。それがすごい困ったし。
ベビーベッドとかも呼吸器を置くってなったときに高さの問題とかで、どうやって置くかとか、結露の問題とかもあるので、息子のスペースをおうちで作るっていうところが、非常にそこも苦労したところで。
もしも呼吸器のこういう子向けのベビーベッドが、こんな便利なのがあるよみたいな、オプションこうやって付けれるよみたいなのがあるんだったら、みんなそれをきっと買うだろうと思います。
でも、そういうのも売ってないので、また一からこう自分でDIYしてみたりとか、ほんとにそういう作業が大変で、もうそこに手取られて退院できひんのちゃうかっていうぐらい、時間がかかったところでもあって。
業者さんとかが入って、こういうオプションで、こうやって付けられたらこれを売り出しますってやれば、それだけで済む話なのに、全然そういうのが整ってないし、確かにニーズは少ないんですけど、整ってなさ過ぎて大変困りました。
インタビュー07
- 通学バスに乗りたいのに気管切開があると乗れない。親の負担が多すぎて学校に通えないのではと危機感を抱いている(音声のみ)
- 通学支援の介護タクシーの助成があっても、タクシー業者や看護師を親が探す必要があり実際に利用できない(音声のみ)
- 通学手段が無いことで子どもの学びが保障されていない。希望するすべての子に対し学びの環境や方法を検討してほしい(音声のみ)
- 起きている間は子どもの体調や機械を確認する作業に追われる。訪問看護の時間がもう少し長ければランチに出かけたい (音声のみ)
- 相談支援専門員をつけてほしいと希望したが、障害児はサービスを使う年齢ではなく親でもできる範囲だからと断られた(音声のみ)
- 呼吸器を載せられるバギーやベッドサイドの棚を探したが、耐荷重や動作確認の保証がされた製品がなく困った(音声のみ)
- 吸引できるヘルパーが非常に少ない。レスパイトもただ寝かされているだけなので子どもが楽しめるプログラムがほしい(音声のみ)
- 四六時中、ケアのことが頭から離れない生活に最初は戸惑った。今でも緊張感はあり、気持ちが休まる暇がない(音声のみ)
- 息子の成長を感じて嬉しい気持ちがあると同時に、自分が長生きして少しでも長くそばにいてケアをしてあげたい(音声のみ)
- 18週で羊水検査を受け迅速検査の結果は陰性だったが、正式な結果で陽性が出たときには中絶できる時期を過ぎていた (音声のみ)
- 喉頭軟化症があり、言われるがまま気管切開の手術をした。気管切開や吸引とは何のことかよくわかっていなかった (音声のみ)