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インタビュー時:39歳(2021年2月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男3歳
首都圏在住。夫と長男の3人家族。
妊娠5か月頃、エコーで胎児の脳室が通常より大きく、先天性水頭症と診断された。
出生後、自力での呼吸維持が困難なため挿管による人工呼吸を開始し、その後在宅酸素療法に移行した。
自力歩行が困難で発話がまだない等、発達はゆっくりではあるが、数字や電車に興味をもち親とコミュニケーションを図ることを楽しんでいる。
シンガポール人である夫の両親に会うため、子どもが2歳のときに海外渡航を家族で経験した。
語りの内容
(息子は)おもちゃで1人で集中して遊ぶっていうことができなくて結局、常にずっと誰かがいないと、もう付いてきて呼びに来て泣いてるみたいな感じの子どもなんです。
そこがずーっと続いたっていうのは、(コロナ禍での)私たちのストレスもそうだし、もう息子自体もストレスが多かったなーと思います。
そ の頃から主人が、(息子に対し)どうしようもなくなっちゃって、YouTubeを初めて見せたら、息子がはまってしまって、ほんとに一番の変化はそこかもしれないです。
いろいろあるんですけど、コロナで何が変わったっていったときに、一番思い付くのは息子がYouTubeにはまってしまったことです。
もうずっといまだにそれを引きずっていて、なかなかそこがコントロールが。
延々と見せるのはやっぱり間違ってるっていうのは私は思っていて、それぞれお子さんのね、ご家庭の事情があると思うんですけど、うちはもうほんとにずっと見せてしまうと、ずっとまばたきもせずに、どっぷりその世界にはまってしまうので。
これはちょっと危険だなって何となく親の勘で分かるので、今はもうなるべく、どこまで分かってるのか分かんないんですけど、もうこの時間とこの時間しか見ないよっていうのを言い聞かせながら、一応、制約はしてるんです。
でもいまだにどうしても見たいらしくて、そこが大きい変化かもしれないですね(笑)。
――そのYouTube見るっていうのは、自分で操作はする?
自分で操作はできないので、そこが結構厄介なのか、幸運なのかちょっと分からないんですけど、うちテレビでYouTubeが見れるんで、もうチャンネル(リモコン)持ってきて、ここ、ここって指差したりとか、YouTubeのマークが分かるので、そのマークをもうひたすら指差す。
あとは最近、発語はないんですけど、指差しと、手のこのクラップクラップ、パチパチで多分、頭の中できっと本人は単語を言ってて、それを私たちに訴えてくるんですね。
最近はもうこれが電車っていうことになってしまって、もうひたすらこうやってずーっと打ち続け、訴え続けって感じで、で、「電車?」って言うと、もうにこーってそうそうそうって言うようになってきたので、もうそれを延々に続けてるっていう感じですね。
インタビュー13
- 児童発達支援施設に子どもを預けるようになり、気を張って生活していたことに気付き、自分をいたわることも大事だと思った
- 息子が小さい頃は訪問看護やリハビリの方と話すくらい。地域の子育ての場にも入れずに、日々、緊張と孤独の中で生活していた
- 息子は実家の大きいカレンダーに興味を示したことがきっかけで数字にはまった。お散歩で速度標識の数字探しをするのも楽しい
- コロナ禍で家時間が増えたとき息子にYouTube動画を見せたらはまってしまい、電車の動画が見たいと手を打って合図する
- 夫婦2人で生活していた家に息子を迎え、赤ちゃんのいる生活に驚きもあり、病院とは異なる環境で酸素ボンベの位置なども気を遣った
- 息子が2歳のときシンガポールに1週間滞在した。航空会社、酸素ボンベの会社などにあらかじめ連絡しホテルはキッチン付きを手配した
- 子どもと酸素ボンベを背負ってバスに乗っていてもほとんど声をかけられない。その中で近所のおばあちゃんとのなにげない会話がとてもうれしい
- 性別がわかるのを楽しみに夫と一緒に行った検診でお腹の子の異常を指摘された。二人とも何の話か理解できなかった