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インタビュー時の年齢:44歳(2021年6月)
関係:母 (インタビュー25の妻)
医療的ケアのある子:長男15歳
北関東在住。夫、長男、二男(1歳)と暮らしている。
長男は小学2年生のときに交通事故で寝たきりとなり、人工呼吸器の管理、痰の吸引、胃ろうからの経管栄養の医療的ケアが必要となった。
息子は現在、特別支援学校の訪問教育を受けている。
自分は息子のお世話をしながら、バリアフリーに改装した自宅で小さなカフェを始めた。
同じような境遇にある方々にとって安心して外に出かけられるきっかけとなる場所にしたいと思っている。
語りの内容
地域の防災訓練に1度だけなんですが、お声掛けいただいて、参加をさせていただいて。
地域の方も医療的ケアが必要であったり、呼吸器が付いていたり、寝たきりの方が来るっていうことが、どういうものが必要かなど、そういうことが、経験としても分からないし、実際にそういう方に会ったことがない人のほうが多いということで。
私たちも練習をさせていただけるし、受け入れ側としてもそういう経験を積みたいということでお声掛けいただいて、1度避難訓練に参加させていただいて。
例えば車いすにずっと寝て、座っていることは負担なので、寝るために、横にするために、布団までいかなくてもちょっと横になれるスペースが必要であったり、呼吸器のアラーム音っていうのはこのくらいの音量が出るものであるとか。
コンセントが、このくらい電源が必要ですとか、その辺は吸引をしたらこのくらいの吸引の、機械音以外にも吸引のたんが上がる音とかっていうのは、一般の方は聞き慣れないと思うので、そういったものがもしかしたら、周りの方たちは不快に感じるかもしれないとか。
それが24時間、夜中でも必要になってくるっていうお話を、まあ状況を見ていただきながら、実感として感じていただいた。
必要な物品として「このくらい必要なんです」っていうのを、実際に荷物を持って行って、皆さんにその重さのリュックをしょってもらったり、荷物を持っていただいたりした。
1人動くだけでも、それが2~3日の量でもこれだけ大変なんですっていうことを、ちょっと体感していただけたっていうのも1つ大きかったと思うんです。
まず知っていただくっていうことが大切かなと思っています。
一番最悪のことを想定しての避難なので、一番いいのは、自宅で過ごせること。
どんな災害時であっても自宅が一番物品もあるでしょう。
なにより家族がほかの方への、アラーム音であるとか、そういった迷惑を掛けるんじゃないかっていう精神的負担を感じながら過ごさなくていいっていう意味でも、自宅で過ごせるっていうのが一番大きいと思う。
なるべく自宅で過ごせるように非常用の蓄電池を準備しておいたりとか。
物品も吸引用のお水であったり加湿用のお水であったり、まあ、お薬ももちろんですし、いろいろなものが1週間分は多めに、常にストックを置いておくっていうこと。
今、ベッドはエアマットを使っているんですけれど、エアマットも今のものは性能が良くて、2週間くらいは電源を抜いても縮まないっていわれてるんです。そういったものを使う。
もし寝せる場所が、そういったものが使えなかったときのために、キャンプ用品で代用できるようなものを準備しておいたり、なるべく家で何とか救助が来るまで過ごせるだけのストックということも考えて準備していますね。
インタビュー24
- 息子のケアに慣れてきた頃、下の子が生まれた。まだ手のかかる時期だが、下の子がいることで家族全体で楽しい時間が増えた
- 自家用車での通学時、予定時間に到着できない事があり、ヘルパーさんをお待たせしてしまったり、自分たちが待ったりする
- 交通事故で医療的ケアが必要になり元の学校に戻るか相談した際、息子の状態や学校の負担、親の付き添いの負担も考え訪問籍にした
- 訪問教育でじっくり子どもの反応を引き出してもらえた。訪問籍でも通学籍の子との交流の機会もあり子ども同士のつながりもあった
- リフォームで玄関のバリアフリーや濡れずに出入りできる駐車場、雪の積もらないスペース確保、地震時に安全なものの配置などを考えた
- 息子をディズニーランドに連れていきたいと主治医に伝えると、車いすや行ける環境を整えてくれた。息子の昔からの友達とママ達との交流も楽しい時間だ
- 最初はスロープ付きの軽自動車を購入したが、呼吸器のチューブが外れたときに横に介助者がいないと危険なため、買い直した
- 田舎でバスの本数も少ない。将来息子が大人になったときに公共交通機関を使って自力で移動できるよう、定期的に経験させている
- 事故で身体が動かなくなった息子が退院したとき、近所のママたちがクリスマス会を企画し、子どもたちもこれまで通りに接してくれた
- 地域の避難訓練に参加し、吸引やアラーム音、荷物の量など知ってもらった。家が一番なのでできるだけ家で過ごせるよう準備している
- 呼吸器のチューブ内に結露した水が気管に流れ込み、子どもの顔色がみるみる変わり、怖い思いをした。予防や対処法を知り、対応している
- 宣告された余命をはるかに超えて子どもが落ち着いて過ごしている。少しずつ長期的なことに目を向けていけるようになった