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聖路加国際大学小児看護学教室教授
家族看護、小児看護を専門として、臨床では小児がんや医療的ケアなどの疾患のあるお子さんと家族に出会ってきた。研究では、慢性疾患を持つお子さんと家族が子どもから大人へと移行することへの支援をテーマにしている。現在は大学での講義や研究のほか、小児科クリニックでの臨床にも携わっている。
語りの内容
ーー「医療的ケア児」というのは、どういうものですか。
医療的ケア児というのは、近年になってできた言葉で、日常生活の中で何らかの医療的なケアを必要とするお子さんのことを総称した言葉です。
この医療的ケアっていうのがまた難しいですけれども、人工呼吸器、胃ろう、経鼻経管栄養、痰の吸引のような、病院で行う医療っていうくくりのケアのことを言います。
ーー「医療的ケア児」以外に、「障害児」という言葉もあります。医療的ケア児と障害児はどう違うんですか。
障害児といわれるなかに、医療的ケアが必要な障害の方もいらっしゃいます。
例えば言葉を発することが難しいとか、体の機能の発達に遅れがあるっていうような時に障害児とみなされることがあります。
(そこに)プラス気管切開がある、あるいはその発達の遅れによって呼吸が難しくて人工呼吸器を必要とするという場合は、障害児であり、かつ医療的ケア児であるということになるかと思います。
逆に言えば、障害のお子さんで医療的ケアがないお子さんも、もちろんいらっしゃるということになります。
小児看護学・小林京子さん
- 尿道から膀胱に直接管を通す導尿には、清潔な操作が必要である。訓練して中学生くらいから自力で導尿をできる子どももいる
- 腸に穴をあけ袋(パウチ)をつけて便を排出するストーマは、子どもでは素早いパウチ交換、ずれない工夫を行う必要がある
- 経口で栄養を摂取することが難しい場合に、鼻から胃や腸にチューブを通したり、胃に直接穴をあけて胃ろうを作ったりする
- 肺に酸素の供給が十分にいかない場合に人工呼吸器が必要となる。酸素が届いているか、血中酸素濃度を気にしながらの生活となる
- なんらかの事情で気管内を空気がうまく通らず呼吸困難となる場合に、気管を切開する。切開後は気管内のたんの吸引をし、空気の通り道を確保する必要がある
- 在宅で医療的ケアを行う家族は、生活の中で様々なケアがスムーズにできるよう気を配る。親たちの負担を軽減するサポートが必要だ
- 人工呼吸器、胃ろう、経鼻経管栄養、痰の吸引のような通常病院で行われるようなケアを日常生活でも必要とするお子さんのことです