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インタビュー時:38歳(2022年4月)
関係:父
医療的ケアのある子:三女5歳
九州・沖縄地方在住。妻と長女17歳、長男15歳、次女13歳、三女5歳の6人家族。
妊娠28週で三女に水頭症と二分脊椎が分かった。
生まれてすぐ手術を受けたが、2ヶ月目に呼吸状態が悪化し、1歳で気管切開をし、4歳で胃ろうの手術をした。
2歳までは入退院を繰り返す日々だったが、現在は状態も落ち着き、声やジェスチャーで周囲に意思を伝えてくる。
2歳のとき行政や議員、地域のサポートを受け、在住市で初めて医療的ケア児の保育園入園が実現した。
娘は地域の子と一緒に過ごすことで大きく成長している。
語りの内容
お風呂に関しても、私たちだけの情報だったら、どうしても限度があって、訪問看護さんが、他の利用者はこういうふうにやっているよとか、そういった情報が多いんです。
逆にこっちからも、うちではこういうことをしているよっていうのを伝えたり。
訪問看護さんとか相談員さんを通じての情報交換が貴重で、新しい道具を持ってきて、お風呂でこれ試してみたら、とか。
どうしてもしゃがんで体を洗わなきゃいけないと、腰痛めるので、どうやったらきつくないようにできるかなって工夫を一緒に考えたりとか。
――お金が意外にかかったもの、経済的な負担面で気付かれたことってありますか?
ハード面は、専用の椅子であったり、装具であったり、バギーも作って、車椅子も作って、福祉サービスの補助は出るんですけど、何割か負担しないといけないんです。
この物が全て、専門の物になるので、例えば椅子一つ取っても10万以上するとか、バギーだったら何十万する。
そこの何割か負担なので、そういった面ではかなり大きいですよね。自己負担は。
一番最初困ったのが、酸素を測る機械があるんです、パルスオキシメーターといって、今、コロナ禍で皆さん、よく分かると思うんですけど。
在宅用はこのぐらい大きいんですね。ティッシュペーパー(の箱)ぐらい。
ずっとこれを持って病院の外来へ行っていたんです。
酸素は必要だけど呼吸器をしていなかったんです、最初は。
小さくて持ち運びができるやつ、買ったら10万ぐらいするので福祉サービスで購入したい。
で、相談したら買えなかったんです。市の条例では条件が呼吸器を付けている子じゃないと駄目だよって。
実際、1歳のときに呼吸器を付けたから、その条件にはまって購入できたんですけど。
そういったところで市町村によっては、自己購入。
その福祉サービスが、行き通っていなくて、自己負担でしか買えない方たちがいっぱいいるみたいで、実際それを知らない人も多いんですよ。
こういった福祉サービスで買えるよっていうと、知らなかったって、買った後だったって。
私たちは、どういうふうに購入したら一番自己負担が減らせるのかって相談員にいろいろ話聴いて。
ハードの機械面ではすごいお金かかっている。
今、私たち吸引器は、在宅用と、保育園、幼稚園に行くときに持ち運ぶ吸引器あって、全部で今、3つあるんですね。
この残り2つが、よく壊れるんですよ。
この修理代で実際、買った金額の倍かかっているというのがあって。
ただ、本物の吸引器、在宅用の本物の吸引器は、10万以上する。
これも行政で6年(正しくは5年)に1回しか買い替えられないって決まっているので、なかなか買い替えることができないので、そういったところの自己負担は大きいかもしれない。
インタビュー39
- 第4子に病気があって生まれてとても大変な毎日だったが、夫婦の話し合いの時間が増え、きょうだいの絆も強くなったと感じる
- 生後1か月で退院してきた頃、吸引が頻回で眠れなかったが、自分は夜勤で仮眠をとることができ、仕事とケアをなんとか両立できた
- 他の家庭での状況や、新しい制度や機器の情報は相談員や訪問看護師から得た。ハード面での自己負担額も大きく、その情報は貴重だ
- 妻が新型コロナウィルスに感染し、1人で娘の2週間の医療的ケアを行うことになった。周囲の友人やきょうだい児のサポートで乗り切った
- 妊娠中に水頭症と脊髄髄膜瘤の診断がつき、ネットでも調べていたが、妻ともども産まないという選択肢は全く考えたことがなかった