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インタビュー時:39歳(2021年2月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男3歳
首都圏在住。夫と長男の3人家族。
妊娠5か月頃、エコーで胎児の脳室が通常より大きく、先天性水頭症と診断された。
出生後、自力での呼吸維持が困難なため挿管による人工呼吸を開始し、その後在宅酸素療法に移行した。
自力歩行が困難で発話がまだない等、発達はゆっくりではあるが、数字や電車に興味をもち親とコミュニケーションを図ることを楽しんでいる。
シンガポール人である夫の両親に会うため、子どもが2歳のときに海外渡航を家族で経験した。
語りの内容
息子の病気、病気というかやっぱりちょっと何か異常がありますというふうに、お医者さんから初めて言われたのは、私が妊娠5カ月のときで。
ちょうどその5カ月の検診のときが、それこそクリスマスイブで12月の24日の日だったので、主人と一緒に午前中、しかも土曜日だったのかな。土曜日だったので、お休みだったので、お仕事も。
で、しかも5か月だったので、きょう性別が分かりますよっていうふうに言われていたので、そこの楽しみもあり、一緒に行ったんですけれども。
そしたら、なんかいつもの、そのおなかのエコーを診ているときとは、やっぱりちょっとなんか違って、すんごく長いんですよね、診てる時間が。
でも、それまで特に異常があるとも言われたこともなかったですし、それが何の意味をするのかも私たちも全然分からなくて、長いなーぐらいに思っていて。
で、終わりまして、ちょっとお話がありますということで、横の椅子に座って、先生から「実は、まだちょっとはっきりはしていないんですけれども、お子さんの脳室が大きいです」というふうに言われて。
その脳室って言われても、何のことか一切分からなくて、一応そのエコーの写真を見ながら、先生が説明してくださって。
「ここの黒い影が、通常だったらもう半分ぐらいの大きさなんですけれども、お子さんの場合は少し大きいように見受けられるので、もしかしたら何か病気がある可能性があります。
今日は、自分が非常勤なので、院長先生に診ていただいて、しっかりした診断があったほうがいいと思うので、次回は4週間後、1カ月後の予定だったんですけど、早めに2週間後に、年始早々に来てください」というふうに言われて、終わったんですけれども。
もう私たちは、何が起こったのか全く分からなくって、いきなりそういうふうに言われて、何の話なんだろうと思って。
それよりも早く性別が知りたかったので、「先生、性別分かりますか」って言って、「きょう、分かるって聞いたんですけど」ったら、「あ、もう間違いなく男の子です」っていうふうにその日に言われて、ああ、男の子なんだーと思って。
私自身、男の子がほしかったので、すごいうれしくて、一瞬、もしかしたらっていう話も引っ掛かりつつも、でもそれよりも男の子なんだっていうことがうれしくて、自分自身、なんか、微妙なテンションになりまして。
で、その日の診察は終わって、何の話だったんだろうねっていうことで、でも、先生もやっぱりはっきりはおっしゃらなくって、もしかしたらっていうお話だったので、まあ、何かの間違いだよねっていうことで、2人で話して。
とりあえず男の子だね、うれしいねっていうことで、その日は終わったんですね、はい。
インタビュー13
- 児童発達支援施設に子どもを預けるようになり、気を張って生活していたことに気付き、自分をいたわることも大事だと思った
- 息子が小さい頃は訪問看護やリハビリの方と話すくらい。地域の子育ての場にも入れずに、日々、緊張と孤独の中で生活していた
- 息子は実家の大きいカレンダーに興味を示したことがきっかけで数字にはまった。お散歩で速度標識の数字探しをするのも楽しい
- コロナ禍で家時間が増えたとき息子にYouTube動画を見せたらはまってしまい、電車の動画が見たいと手を打って合図する
- 夫婦2人で生活していた家に息子を迎え、赤ちゃんのいる生活に驚きもあり、病院とは異なる環境で酸素ボンベの位置なども気を遣った
- 息子が2歳のときシンガポールに1週間滞在した。航空会社、酸素ボンベの会社などにあらかじめ連絡しホテルはキッチン付きを手配した
- 子どもと酸素ボンベを背負ってバスに乗っていてもほとんど声をかけられない。その中で近所のおばあちゃんとのなにげない会話がとてもうれしい
- 性別がわかるのを楽しみに夫と一緒に行った検診でお腹の子の異常を指摘された。二人とも何の話か理解できなかった