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インタビュー時:40歳(2022年10月)
関係:父(インタビュー42の夫)
医療的ケアのある子:長男4歳
首都圏在住。妻と長男の3人家族。
息子は生まれた直後に緊急搬送され、生後2か月で気管切開、4か月で胃ろうが必要となった。その後、両親の遺伝子の同じ部分にそれぞれ異なる変異が偶然あったこと(常染色体潜性遺伝)による世界でも稀な疾患であるとわかった。夫婦とも研究職で結婚後もそれぞれ自分中心の生活だったが、息子が生まれ一変した。息子が1歳半頃、地域の保育園の受け入れが決まり、妻も仕事復帰した。夫婦とも学会や調査で出張もあり、対等な関係として協力し、子育てしている。
語りの内容
帝王切開になるっていう話になったんで、じゃあ、この日に入院ねっていうところで、6月のちょうど梅雨時期のじめーっとした感じの日で、曇ってて、ああ、これから一緒に病院行くのかみたいな感じでなってました。
ただ、僕は、普通に生まれてくるっていうことしか考えてなかったですし、生まれたらFacebookで投稿しちゃおう、どういう文にしようかなみたいな、そんなのんきなことしか考えてなかったですね。
それで一緒に呼ばれて付き添いっていうか、立ち会いで出産だったんです。
僕は血が嫌いで、まあ妻は医療職なんで別に血のこととか普通ですし、血の話とかも普通にするんですけど、僕、聞くだけでなんか頭が痛くなるぐらいの感じでちょっと立ち会いはと思ってたんです。
まあ結局、それでも立ち会うっていう決断をして一緒に行ったんですけども、やっぱり「生まれました」って後から、子どもが泣かなかったので、何が起こってるんだろうとか思ったんです。
妻は相当冷静に、アプガースコアとか、いろいろ子どもの数値の話をそのお医者さんとか助産師さんとしてるのを聞いて、なんかまずい、やばいみたいな感じで。
僕はカメラでその動画を撮ってたんですけども、そういうのも後から見返したら残ってますし、相当、慌ててて。
妻は妻でなんか気持ち悪くなって、麻酔か何かだと思うんですけども。で、妻も介抱しつつ、子どもの、なんかやっぱり状態がおかしいっていうところの、お医者さんの声を聴いて、ああ、なんか、やばいのかなっていうふうに思いました。
その後、「お父さん、一緒に、これから救急搬送するんで」みたいな感じで言われて、お父さんって僕だっけ?みたいな、本当になんか何も想定していなかったことが起こって、そのまま一緒に救急車に乗せられて。
なんかあれですよね。ドラマみたいなシーンでしたね。救急車に乗って、救急の入り口から入って病棟に行くみたいな光景って、なんか、ああ、本当、ドラマとかなんか医療現場、医療映画みたいな。
ああ、そういうことが起こっているんだと、なんか変な客観視をしたり、すごく、もちろん自分事ですごく心配なんですけども、なんかそういう光景で。
「ちょっと待ってて」って言われたまま、なんかしばらく1~2時間…。2時間ぐらいかな、待合室でいて、どうなるんだろうってやっぱりすごく不安でしたし。
事前に前情報で、何だろう、例えば、子がもしかしたら病気を持ってるかもしれませんとかっていうのがあれば、心の準備が多分できたと思うんですけども、それもなかった状況だったので、相当、多分、慌ててたんだと思います。
インタビュー41
- 保育園から療育センターに移る決定を撤回してほしいと説明資料を作って、議員や様々なネットワークに相談し、動いてもらった(音声のみ)
- 共働きのため一緒に夜の付き添いをすると夫婦共倒れになると、一晩ごとに担当を決めている (音声のみ)
- 息子の風呂あがりに気管切開部分のガーゼ交換やバンド交換をする。夫婦で息を合わせて行うのが日課だ (音声のみ)
- 病院では最近、人手不足なのか親の付き添いを求められる。父親が付き添うなら個室をとってほしいと言われ憤慨した(音声のみ)
- 子どもに医療的ケアが必要となり、職場と相談し在宅中心となった。現在は保育園にも通い仕事にも集中できている(音声のみ)
- 普通に生まれると思って動画撮影していたが、子どもが泣かず状態が悪かったため、自分が付き添って救急搬送になった(音声のみ)