※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
インタビュー時の年齢:44歳(2021年6月)
関係:母 (インタビュー25の妻)
医療的ケアのある子:長男15歳
北関東在住。夫、長男、二男(1歳)と暮らしている。
長男は小学2年生のときに交通事故で寝たきりとなり、人工呼吸器の管理、痰の吸引、胃ろうからの経管栄養の医療的ケアが必要となった。
息子は現在、特別支援学校の訪問教育を受けている。
自分は息子のお世話をしながら、バリアフリーに改装した自宅で小さなカフェを始めた。
同じような境遇にある方々にとって安心して外に出かけられるきっかけとなる場所にしたいと思っている。
語りの内容
訪問学級のイメージで結構されがちなのが、ほかの方と全く交流がない、先生が来てマンツーマンで授業して終わりっていう閉鎖的なイメージを持たれがちなんです。
実際経験して思うところは、息子の場合にはみんなと一緒に何かをするっていうのが果たして合っているかどうか。
今の息子の身体状況もしくはその知的な部分において合っているかどうかっていうのは、おもんばかるしかないところではあるんですけれど、逆にマンツーマンでしてもらえるというのは、自分のペースで学べるっていうメリットがあるんじゃないかというところと。
実際例えば反応も待ってくださるんですね、先生は。
聞かれてすぐにぱっと答えられたり、反応がぱっと出るわけではないので、その辺の反応が出るまで、様子を見て待ってくださるっていうことも授業の中ではあるので。
そういうのはマンツーマンの良さというか、大勢の集団の授業の中ではできないことなのかなと思って、メリットにうちとしては感じています。
スクーリングが年に何度かあって、同じ訪問籍の子たちが集まって授業をするので、お友達との交流っていうのが思った以上にあるんですね。
個別スクーリングといって、例えば月に1回とか週に1回とか年に1回とか選べるんですけれど、通学生のクラスに入って一緒に授業を受けるということもできるので。
訪問だから先生だけとかっていうことはなく、子ども同士のつながりもあって学校にも全く行かないわけではなくて、希望すれば必要に応じて学校での授業にも参加ができるという形を取れているので、うちの生活には合っていたかなと思っています。
インタビュー24
- 息子のケアに慣れてきた頃、下の子が生まれた。まだ手のかかる時期だが、下の子がいることで家族全体で楽しい時間が増えた
- 自家用車での通学時、予定時間に到着できない事があり、ヘルパーさんをお待たせしてしまったり、自分たちが待ったりする
- 交通事故で医療的ケアが必要になり元の学校に戻るか相談した際、息子の状態や学校の負担、親の付き添いの負担も考え訪問籍にした
- 訪問教育でじっくり子どもの反応を引き出してもらえた。訪問籍でも通学籍の子との交流の機会もあり子ども同士のつながりもあった
- リフォームで玄関のバリアフリーや濡れずに出入りできる駐車場、雪の積もらないスペース確保、地震時に安全なものの配置などを考えた
- 息子をディズニーランドに連れていきたいと主治医に伝えると、車いすや行ける環境を整えてくれた。息子の昔からの友達とママ達との交流も楽しい時間だ
- 最初はスロープ付きの軽自動車を購入したが、呼吸器のチューブが外れたときに横に介助者がいないと危険なため、買い直した
- 田舎でバスの本数も少ない。将来息子が大人になったときに公共交通機関を使って自力で移動できるよう、定期的に経験させている
- 事故で身体が動かなくなった息子が退院したとき、近所のママたちがクリスマス会を企画し、子どもたちもこれまで通りに接してくれた
- 地域の避難訓練に参加し、吸引やアラーム音、荷物の量など知ってもらった。家が一番なのでできるだけ家で過ごせるよう準備している
- 呼吸器のチューブ内に結露した水が気管に流れ込み、子どもの顔色がみるみる変わり、怖い思いをした。予防や対処法を知り、対応している
- 宣告された余命をはるかに超えて子どもが落ち着いて過ごしている。少しずつ長期的なことに目を向けていけるようになった