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インタビュー時:46歳(2021年3月)
関係:母
医療的ケアのある子:長女15歳
首都圏在住。夫と長男、長女、次女の5人家族。
妊娠中に水頭症、出生後に二分脊椎が分かり手術した。
生後2か月頃から呼吸及び嚥下障害がみられ酸素療法・経管栄養を行った。
今春、特別支援学校中学部を卒業し、高等部に入学予定。導尿・摘便などの医療的ケアがある。
移動には車いすを使用しており、移乗や身体介助で自身と長男は椎間板ヘルニアを発症した。
今後、長女が家族と離れ自立した生活を送ることも見据え、自力でできることを増やしていきたい。
語りの内容
お兄ちゃんを保育園に送るのに、さあ、この子どうするっていう問題も実はあって。
ちょうど、学校の送り迎えしてくれたりとか、母親が帰ってくるまで子どもと一緒に、お留守番してくれるみたいな、制度が行政の中にもでき始めていて、何サポートだったっけ。(「ファミリーサポート」の事)
――その、子どもを見てくれる?
はい。(サポーター)が、幼稚園、保育園、小学校のお迎えも行くし、そのまま家で預かることもできて、先輩ママたちがそういうお手伝いをしてくれるっていう。
料金もちろん発生するんですけど、そのとき1時間700円だったと思うんですよね。
それを使って、お兄ちゃんの送迎をしてもらおうかなと思ったんですよ。
でも毎日あるので、毎日その金額かあと思って、1カ月で換算するともう何万円ってなっちゃうので。
プラス、チャイルドシートを毎回取り付け直すんですよ。
来てくれた方の車に付けるっていうんで。
ちょっと現実的じゃないかなーと思って、もう何とかするしかないみたいな感じで、最初はお兄ちゃんとこの子を一緒に車に乗せていました。
でも、吸引しないと溺れちゃうし、シートを倒してうつ伏せにして、ダラダラこうよだれを垂らしてもいいようにバスタオルを敷いて、その子を押さえながら運転をするみたいな。
お兄ちゃんは後ろに乗っててもらって、「様子見ててね」みたいな感じで、園まで送っていたんですけど、ゴホゴホって言うと、路肩に車を止めて、すぐ吸引してっていう。
もうなんか、短距離だけど気が気じゃない時間がすごくあって、これよくないと思いながら。
その後は携帯電話で自宅に電話をかけて、自宅の子機を子どもの横に置いて、携帯電話で、息してるかどうかとか、吸引の音が聞こえるかどうかを聞きながら運転して、お兄ちゃんを園に送迎していました。
天気がいいときはバギーに子ども乗せて、お兄ちゃんと歩いて1時間ぐらいかかったかなあ、片道で。
そんなことをしたりしながら、何とかかんとか卒園まで行くっていう感じでした。
インタビュー16
- お兄ちゃんと娘で時間を分けていたが、お兄ちゃんを保育園にいれたら生活しやすくなると思い、入園を役所に申請した
- お兄ちゃんの保育園に送迎する際、誰も頼れず、携帯で呼吸や吸引の様子をモニターしながらケアの必要な子を留守番させた
- デリケートなケアは、異性のきょうだいにはお願いしない。同性のきょうだいはいやだと言わない限り見てもらうことはある
- スクールバスで通学できても、本人や車椅子の乗せ降ろしがあり、ヘルパーにバス停までの送迎を頼むのも制度が複雑で難しい
- 普通学校にはバリアがあり過ぎ、特別支援一択だと思った。いずれ付き添いが外れれば自分も就労できるかもという期待もあった
- 入学当初は胃ろうで看護師のケアを受けられたが、経口で食べられるようになると誤嚥が心配と、給食時の親の付き添いを求められた
- 小学校の修学旅行で看護師は夜間のケアまではできないと言われ、子どもの宿泊先の近くに家族皆で宿泊して、母親がケアをした
- 雨が降ると歩いてバス停まで行くのが難しく、移動支援とは別に生活サポートという事業の契約をする
- 療育園は準備が大変なのに、保育士とも他の子とも交流もなく、行く意味があるのかと思ったが、次の人につなげたいと意地で通った
- 療育園に親の完全付き添いで週2回午前だけ通うことになった。給食の時間もいたかったが、食べられないのにかわいそうと言われた
- 娘は鉛筆よりも太い筆が向いているのではと書道教室に連れていった。初日から目をキラキラさせ、文字も頭に入るようになった
- 在宅療養が始まり、自分の自由がなくなった。失敗もあり、息抜きは訪問看護がある間のスーパーでの買い物だった
- 外出時に自動吸引器は音が気になり、手動は容量も少なかったので、夫が100均の水筒と血圧ポンプを使って吸引器を自作してお出かけした
- 娘は中1頃から反抗的な行動もある一方、洗濯物を畳んだり、家族のために自分ができることを探してくれたり成長を感じる
- 娘は導尿が必要だが、腰を固定してもらえば自分で導尿ができるよう練習している。周りに声をかけ支えてもらえるようになってほしい
- 生後2カ月でミルクにむせるようになり経鼻チューブが必要になった。子どもは一生チューブでご飯を食べるのだと知り衝撃を受けた
- 娘は導尿が必要だが、腰を固定してもらえば自分で導尿ができるよう練習している。周りに声をかけ支えてもらえるようになってほしい