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インタビュー時の年齢:44歳(2021年6月)
関係:母 (インタビュー25の妻)
医療的ケアのある子:長男15歳
北関東在住。夫、長男、二男(1歳)と暮らしている。
長男は小学2年生のときに交通事故で寝たきりとなり、人工呼吸器の管理、痰の吸引、胃ろうからの経管栄養の医療的ケアが必要となった。
息子は現在、特別支援学校の訪問教育を受けている。
自分は息子のお世話をしながら、バリアフリーに改装した自宅で小さなカフェを始めた。
同じような境遇にある方々にとって安心して外に出かけられるきっかけとなる場所にしたいと思っている。
語りの内容
今、上の子が15歳で下が1歳と、だいぶ年の離れたきょうだいなんですが、なかなか24時間介護をしている生活の中で、きょうだいのことまでできるだろうかっていうのも最初はあったのと。
ただ、(息子が)受傷する前には「きょうだいが欲しい」と言っていた部分もあって。
私たちも、この生活が日常というか、私たちにとってはこの生活が普通になって、この中でもゆとりができたというか、何とかなるんじゃないかというところと。
あとは、医療的ケアがある先輩ママさんたちが、ごきょうだいを育ててらっしゃるのも見てきたり、お話を聞いたりで、何とかなるんじゃないかっていうところもあって、踏み切れたというのも1つですね。
実際にお兄ちゃんよりも(下の子に)手が掛かるというか(笑)。
まだ生まれてから、1歳くらいなので、一番手が掛かる時期なので。
医療的ケア児がいることでの手が掛かるというよりは、普通にきょうだいがいることでの手が掛かるというイメージはありますけれど、にぎやかになったのと。
そしたらやっぱり、呼吸器の回路とかを下の子は分からないので、引っ張ってしまったりとか、いろいろする危険はたくさんあるんですけれど、ちょっと引っ張られてもお兄ちゃんニコニコしてるんですよね。
ベッドのほうに(下の子の)近づいてくる足音がすると、来た来た来たーみたいな感じで「ヒーッ」ていう顔をするときもあって。
怖いではなくて「やられるんじゃないか」っていうドキドキ感は、時々表情として読み取れることはあるんですけれど(笑)。
全般としてきょうだいがいることは、上の子にとっても楽しみというか、楽しい生活がプラスになった部分もあるのかなと思っています。
インタビュー24
- 息子のケアに慣れてきた頃、下の子が生まれた。まだ手のかかる時期だが、下の子がいることで家族全体で楽しい時間が増えた
- 自家用車での通学時、予定時間に到着できない事があり、ヘルパーさんをお待たせしてしまったり、自分たちが待ったりする
- 交通事故で医療的ケアが必要になり元の学校に戻るか相談した際、息子の状態や学校の負担、親の付き添いの負担も考え訪問籍にした
- 訪問教育でじっくり子どもの反応を引き出してもらえた。訪問籍でも通学籍の子との交流の機会もあり子ども同士のつながりもあった
- リフォームで玄関のバリアフリーや濡れずに出入りできる駐車場、雪の積もらないスペース確保、地震時に安全なものの配置などを考えた
- 息子をディズニーランドに連れていきたいと主治医に伝えると、車いすや行ける環境を整えてくれた。息子の昔からの友達とママ達との交流も楽しい時間だ
- 最初はスロープ付きの軽自動車を購入したが、呼吸器のチューブが外れたときに横に介助者がいないと危険なため、買い直した
- 田舎でバスの本数も少ない。将来息子が大人になったときに公共交通機関を使って自力で移動できるよう、定期的に経験させている
- 事故で身体が動かなくなった息子が退院したとき、近所のママたちがクリスマス会を企画し、子どもたちもこれまで通りに接してくれた
- 地域の避難訓練に参加し、吸引やアラーム音、荷物の量など知ってもらった。家が一番なのでできるだけ家で過ごせるよう準備している
- 呼吸器のチューブ内に結露した水が気管に流れ込み、子どもの顔色がみるみる変わり、怖い思いをした。予防や対処法を知り、対応している
- 宣告された余命をはるかに超えて子どもが落ち着いて過ごしている。少しずつ長期的なことに目を向けていけるようになった