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インタビュー時:36歳(2020年11月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男4歳
関西在住。夫と長男の3人家族。
妊娠中に染色体異常が発見された。
生後3か月で、気管切開と胃ろうの手術をしたが、誤嚥性肺炎を繰り返し人工呼吸器を装着した。
その後も下痢や嘔吐などの消化器症状が出ている。
医療的ケア児を受け入れる保育園は近隣にないため待機の状態で、仕事は育休明けに退職した。
現在は訪問看護や療育を利用しながらも日中はほぼ一人でケアを担っている。
就学年齢が近づいているが、特別支援学校の通学バスに気管切開があると乗れないなどの困りごとがある。
語りの内容
この春から通学支援に助成が下りるようになったんですね。その方法は、親が介護タクシー業者と契約をする。
で、親が看護師と訪問看護ステーションなり、放課後デイサービスなりと契約をする。親が探してくるんです、その事業者を。
もちろんこういう子どもなので、体調不良とかありますよね。
そういうときのキャンセル料も、親と事業者で話し合ってくれと。
で、親はあくまで家にいて、その看護師と業者が子どもを連れて支援学校まで行って支援学校で降ろす。
帰りも同じように連れて帰るっていうシステムなんですけど、それで予算もかなり下りてるみたいなんですけど実際、親がタクシーの業者とかを探そうとすると、やっぱりそんなんやってくれる業者なんか、まあいないわけですね。
看護ステーションも、普通の訪問(の仕事)があるじゃないですか。
朝も、通学なので早い中で、そんな人余ってる事業者さんなんかない。看護師も見つからない。業者も見つからない。
なおかつ、移動中に何か事故が起こったりとか、あるかもしれないじゃないですか。
そういうときの保険とか、そういう話も全くない。
なので、そういうのに理解があって、参入しようって思ってる事業者さんがいたとしても、もう怖くて参入できない。
確かにお金は下りるけど、訪問看護の医療的な点数とかに比べると、全く足りてない。
なので、赤字を出してこのリスクを背負ってまで、この事業をやろうっていうふうにはならない。
結局そういうシステムはできたけど、利用できてるお子さんがほぼほぼいらっしゃらないんですね。
私も声を上げたんですけど、そういう通学支援の方法がないから、作ってほしいっていうこと言って、伝えてやっと出来上がってきたのがそれだったんですね。
で、できたことはほんとにすばらしいことなんですけど、その内容と、実際、利用できるような内容に伴ってないわけですね。
せっかく予算も下りてあるのにも関わらず。
だから私たちのこう、実際の医療的ケアをしてる親の負担を何も(減らせず)。
余計、負担掛けてるやんみたいな内容になってしまってるので、とっても残念なので、もっと改良していけば、いいものになっていくと思うんですね。
インタビュー07
- 通学バスに乗りたいのに気管切開があると乗れない。親の負担が多すぎて学校に通えないのではと危機感を抱いている(音声のみ)
- 通学支援の介護タクシーの助成があっても、タクシー業者や看護師を親が探す必要があり実際に利用できない(音声のみ)
- 通学手段が無いことで子どもの学びが保障されていない。希望するすべての子に対し学びの環境や方法を検討してほしい(音声のみ)
- 起きている間は子どもの体調や機械を確認する作業に追われる。訪問看護の時間がもう少し長ければランチに出かけたい (音声のみ)
- 相談支援専門員をつけてほしいと希望したが、障害児はサービスを使う年齢ではなく親でもできる範囲だからと断られた(音声のみ)
- 呼吸器を載せられるバギーやベッドサイドの棚を探したが、耐荷重や動作確認の保証がされた製品がなく困った(音声のみ)
- 吸引できるヘルパーが非常に少ない。レスパイトもただ寝かされているだけなので子どもが楽しめるプログラムがほしい(音声のみ)
- 四六時中、ケアのことが頭から離れない生活に最初は戸惑った。今でも緊張感はあり、気持ちが休まる暇がない(音声のみ)
- 息子の成長を感じて嬉しい気持ちがあると同時に、自分が長生きして少しでも長くそばにいてケアをしてあげたい(音声のみ)
- 18週で羊水検査を受け迅速検査の結果は陰性だったが、正式な結果で陽性が出たときには中絶できる時期を過ぎていた (音声のみ)
- 喉頭軟化症があり、言われるがまま気管切開の手術をした。気管切開や吸引とは何のことかよくわかっていなかった (音声のみ)