息子がMDS(骨髄異形成症候群)と分かって、データがどんどん悪くなってきてて、これ以上、治療というか、輸液を入れてもね、もう効果がない。
それで、4人の先生が私の前に座って…点滴をやめようって言われたんですよね。
それが亡くなる2日前で。
輸液をやめることがどういうことになるのか、私はもう分かってましたので……先生が言ったことは分かるんだけれども……それを承諾できなかった。なかなかその場で……。
そしたら、ある若い先生が、息子は15歳で、「お母さん」って、「15歳で、立派な青年だよね」って。このまま輸液を続けると、もう当時、浮腫んでましたのでね、おしっこが出ないから。「おしっこがこのままずっと出なくて、輸液だけ続けてると、下手すれば顔が変形してきたりする。けど、立派な15歳なんだから、かっこよく死なせてあげようよ」って言ったんですよ……。それでも私は何にも言えなくて、ひたすら泣いてて……。
もう1人の先生が、ここで輸液を(やめる)決断をお母さんだけに背負わせるつもりはないと……「ここにいる主治医全員が、お母さんの背負ってるものを一緒に背負っていくよ」って言われたんですよね……。
それで、その言葉でもう十分だったので、「分かりました」って言って……26日の夜に…輸液をやめました…。「お母さんよく決断したね」って言って(くれて)…。
私は(離婚して)相棒がいなかったので、自分で背負っていく。この子の命の決断っていうものをね…一生懸命、そのときそのとき、主治医の先生と相談しながら。そういう先生に巡り合えたということは…もうほんとにありがたいなと思って。
亡くなった後に、先生から…(私は)とにかく死なないでほしいって言われて……。
息子を、今の医学で救えなかったというのはあるんだけれども…「お母さんに死なれたら、僕たちは小児科の医者としてやっていけないって。だから生き抜いてほしい」って…。
「何かあればいつでも力になるからね」っていうふうに言ってくださって……。
いまだに還暦のお祝いにも呼んでいただいたりとか…心配してくださってとかですね……。
いいドクターといいスタッフに恵まれて、私も子どもも最後まで生活ができたんだろうなとは思いますね。