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医療的ケア児の家族の語り

子どもに医療的ケアが必要となり、職場と相談し在宅中心となった。現在は保育園にも通い仕事にも集中できている(音声のみ)

今、リモートワークが主体なんで、比較的、自由に仕事のペースも調整できるんですが、大体、7時半ぐらいから、始業して、夕方4時、早ければ4時とか4時半ぐらいに終わるっていう感じですね。

――お子さんが生まれてからそうだっていうよりは、コロナ禍でのリモート推奨ってことですか。

そうですね。
子ども生まれてから、普通の働き方はできないっていうところで、職場に相談したところ、非常に理解のある職場で、事実上、テレワークを認めていただいたんですね。

その時は、今ほど朝型ではないですけども、普通に始業時間9時半から5時半ぐらいまでの間で仕事をするっていう感じ。
仕事が終わんなければもう少し、残業してって感じですけども、このコロナ禍になって、妻も在宅をするようになったし、息子も保育園とか発達センターに行く機会が出てくるんで、そういうスケジュールにも合わせた形で今の時間帯での仕事になってますね。

――お子さんが、家にいる状態で仕事をするって、それって(仕事が)手につかないとかそういうことはないんですか。

今はかなり体調も落ち着いてますし、何が起こったかっていう評価も、親としてできますし、どういう対応が必要かも分かるんでそこまで心配ではないんですが、退院して家での生活が始まった時はやっぱり大変でしたね。

その当時は、僕は出勤をしたり、仕事を家でしながら、かなりの部分のケアは妻が担っていたんで、それは相当負担があったと思います。

特に妻が学位論文を書いている時に、後ろで常にモニター音が鳴ったりとか、吸引は、本当、頻回で10分に1回ぐらいの吸引が必要で、頭がおかしくなりそうだとか、(自分が家に)帰ってきたら、もう、すごい本人も大変そうな感じで、ストレスも負荷も多かったと思います。

子どもを家で見ながら仕事をするってなかなか難しいなっていうふうに思いました。
今は、保育園に預けている間とか、センターに行ってる間、デイサービスも使ってるんで、その間はすごく安心して、仕事に集中できます。

以前だとやっぱり、「体調崩しました。迎えに来てください」っていうのもあったんですけども、ここ1年ぐらいはそういう回数も減ったんで、仕事に集中できるようになりました。

――ご自身の研究者としてのキャリアを考えたときに、リモートを選択することは不利になるとか、日常、同僚や上司とコミュニケーションは取りづらくなるとか、そういうことは考えましたか。

いや、それは全然、なかったですね。
良くも悪くも個人主義というか、僕のいる職場自体もやっぱりうちの機関の中では特殊な立ち位置であり、成果を出せば、自分の仕事をしっかりすれば、いいっていうところもありましたし。
個々の専門性が高いんで、若干、ペースが落ちるにせよ、その分野はあなたしかできないよっていうところは認めてもらってたんで、在宅になるから、コミュニケーションが減ってっていうことはなかったですね。

医療的ケア児の家族の語り

夫婦で在宅勤務が中心で、朝7時半に始業し、夕方17時には終業して子どもとの時間を過ごす(テキストのみ)

在宅勤務のときは7時半に始業してカタカタ仕事をしながら子どもを見ながら過ごします。
9時前に保育園に送っていって、夕方5時にお迎えに行きます。
リハビリは水曜日と木曜日に入っていて、水曜日が5時20分から理学療法を家でやって、終わり次第、20~30分休憩して、お風呂に入って、7時からご飯。
本人は、もう疲れて、がって寝ちゃう。

――お子さんが、順調に、毎日通ってくれればいいけれど、冬場で体調が優れなかったり、寝られないってなると、両立みたいな点で苦労した時期もあるのではないですか。

今も苦労してます(笑)。
熟睡はできないんですよね。
常に睡眠不足で、仕事の集中力を保つのが、とても難しいなって思うときはあります。

あとは、夫婦でスケジューリングが合わない時あるんですよね。
「2人とも会議入っちゃったよ」とか、「2人ともオンサイトで会議って言ってるけど、どうする?」みたいな。
もう、それはどっちかが諦めます。
諦めるっていう言い方はあれですけど、そうするしかないので。

――夫婦とも職場の理解が得られてるっていうことですよね。

そうです、そうです。
ただ、すごい仕事量なんですよ。
人数が足りないんでしょうけど、「その仕事量、あと3人ぐらい要るんじゃない?」っていうぐらいのものが来たり。
だから、理解はあるんだけど、仕事としてはとてもハードだと思っています。

医療的ケア児の家族の語り

仕事のやりがいが自分を支えてくれている。夫とは育児も家事も夫婦で対等な関係だと思う(テキストのみ)

――仕事は、自分を精神的に支えるやりがいと経済的な側面と両方あると思うんですけど、ご自身の中ではどちらが強いですか。

難しい質問ですね。
どっちもなんですけれど、おそらくやりがいのほうが大きいんだと思います。
経済面でいえば、私がフルタイムで働かなくても、何とかやっていけるぐらいではあると思うんです。
だけど、歯を食いしばってでも絶対フルタイムでやっているのは、私がそこにやりがいを感じて、自分の価値はそこにあると思っているからじゃないでしょうか。

――夫婦それぞれ学会出張もあるようでが、そのための調整はどうしていますか。

分かった時点で話し合いですね。
険悪になります、いつも大体(笑)。
Googleカレンダーを開いて、「言ったよね」「言わないよね」みたいな。

優先順位をお互いにつけて、これは絶対行きたいっていうものは、行けるように調整します。
「絶対、行きたい」が重なったことが幸いないのか、夫が我慢してくれてるのか分からないですけど、その辺は調整してます。

――育児と仕事以外に、家事もあるじゃないですか。家事分担も対等だと感じますか。

イーブンです。
偏ることはままあるんですけど、本当に対等だと思います。
うちは夫が食事を作り、私が掃除と洗濯と主にやる。
お互いどっちもできるので、体調悪かったり忙しかったりするときはどっちかがやる。

――朝ご飯も晩ご飯も、基本的に家で食べる?

朝は家で簡単な、ほぼ用意しなくていいようなものにして。
夜も、大変なときは買って帰ってきちゃう。

――夫婦でそろって基本的に食べられる?

情報共有じゃないですけど、「今日、保育園で何があったらしいよ」「またこういう手続きが必要なんだけど」とか。
手続きがやたら多いので、ご飯食べた後に書類を一緒に書いたり、あしたの予定とか、日中、保育園から何かあったときの電話をどっちが受けるかみたいな最終確認とか。

――ブリーフィングですね。

そう(笑)

医療的ケア児の家族の語り

娘は成長に伴い、食事もできるようになり、スピーチカニューレで話すこともできるようになった。気管切開部も取りたいと訴える (テキストのみ)

――お子さんが退院されてから、今に至るまでの発達や、医療的ケアの内容で変わってきたことについて教えていただけますか。

言い方は変ですけど普通になっていく感じ。経管栄養がなくなり、呼吸器も外せる時間が徐々に増えてきて。
スピーチカニューレに2歳で変えたので、そこから声が圧倒的に出るようになったっていうのが、一番変わった。

――お食事は?

普通に食べるまで、結構、練習は必要で、市販の離乳食からスタートして、徐々に固形物になっていって。
月に1回、通ってる病院で、嚥下の練習を、口腔外科の先生と一緒にやってたんですけども、途中から、もういいんじゃないの?って、あとは実践していけば大丈夫だよっていうことで。

誤嚥がないっていうのが、気管切開してる子は一番大事なので、いろいろ食べるようになって、成長して、今は全然問題ないです。

――好きなメニューとかあるんですか。

何でも食べてくれるので、マグロとか刺し身も食べますし、納豆も。
それは助かってますね。
あんまり嫌いなものがないので。

――お子さんは、お話ができるようになって、自分に気管切開の器具があることや夜になったら人工呼吸器を付けることについて、自分の体について、今、どのように理解してますか。

保育園に3歳のときに通うようになって。
自分だけは呼吸器持っていって何かやるっていうので、いい意味で違いというか、相対の世界にぽーんと投げ出されたので、ちょっとずつ自分では理解していってる部分があったのかなと思うんです。

最近よく言うのは、早く(気管切開の部分を)取りたいって言うんですよね。
パパだけ何でないの?って。ずるいって(笑)。
大きくなったら取れるよという話はしてて。

だから、NICUにいたときの動画とか見せるんですよ。
こんなんして頑張ってたんだよって。
本人もよく見たがるんですよね。
そのときの自分の姿を見て何かしらやっぱり感じているのかなと思いますね。

医療的ケア児の家族の語り

妻が新型コロナウィルスに感染し、1人で娘の2週間の医療的ケアを行うことになった。周囲の友人やきょうだい児のサポートで乗り切った

――感染がご家族の中で出たっていうときに、おうちの中は隔離もなかなかできないし、感染させてはいけないし、それでも家族は一緒にいる中で、どうやって過ごされていたのか教えていただけますか。

まず妻がなったんですね。
当初は、なった場合は2週間、2週間の隔離で。
おうちで過ごすことは、あまりにも怖かった、危険が伴うっていうことで、職場も、私が濃厚接触者になったので、同じように2週間休まないといけないという状況で。

妻はすぐ実家に避難させて。
うちで急きょ私がみることになったんですね。
濃厚接触になっているので、娘の訪問看護も全て一切止まったんです。
もう全て利用できなくなった状態。

普段は、毎日入っていた訪問看護が、夕方のケアの時間もサポートしてもらいながらやっていたものが全て1人でやらないといけなくなったっていうのがすごい大きくて。
眠る時間も、もちろん削られるし、1時間ごとにケアが入ってくるんですね。

例えば、朝7時に導尿、栄養が入って、9時には血糖をチェックして、10時には栄養を入れてとか、1時間単位で何かしらの処置が入ってきて、全部、携帯のアラームで1時間ごとに設定してやるっていう繰り返しを2週間やって。

最初の2日ぐらいは、あ、これ駄目だな、つぶれるなっていう心配があって。
そうしたら、妻がいろんな人に言ってくれたり、周りの友達がたくさん差し入れ持ってくれて。
(家から)出られない。大変というのも分かってくれているので、いっぱい食べきれないぐらい持ってきてくれて、周りにすごい助けられたなっていうのは感じます。

―家族の中で濃厚接触になると他の上のお子さんたちも家にいて、自分と、下のお子さんの2人きりなら何とかなることでも、さらに上に3人っていう状況で、4人の子育てを1人でやるってすごく大変だと思うんですけど。どんな感じだったんですか、おうちの中は。

逆に、助けられましたね。
学校の送迎も濃厚接触なんでストップしていて。
で、助けてもらったのが、実は大きくて。
ケアに関しては、私しかできないですけど、例えば娘をお風呂入れて髪の毛を乾かすのはお姉ちゃんたちの仕事で、お姉ちゃんたちが髪の毛を乾かしている間に、私がさっとお風呂入るっていう連携があったり。

ご飯に関しても、周りの人がすごい助けてくれたんで、食べるものも困らなかった。
2週間は上の子たちがすごいしっかり、おうちの手伝いもしてくれたから、乗り越えたなって感じますね。

医療的ケア児の家族の語り

娘の気管切開を決断できずにいたところ、気管切開をして元気に過ごす子どもの親とつながり背中を押された(テキストのみ)

主治医の先生が気管切開したお子さんがいるから、会ってみないかって、つなげてくださって、そこのお父さん、お母さんに了承もらって、外来で来るときにじゃあ、会いましょうっていうことで。

その子が娘の1つ上から2つ上ぐらいだったんですけど、ものすごく元気に走り回ってて、気管切開するっていうことへの変なイメージが、全部、払拭されたんですよね。
はっきりとおっきな声でしゃべってたので、あっ、すごいと思って。
実際、そのご家族、お子さんに会えたのが、一番、気管切開することに前向きに考えていくきっかけになったのは事実ですね。

今だったらSNSがあるので、インスタとか、ハッシュタグでつながれる。
たまたま同じ県内に住んでる方で気管切開してるお子さんがいて、ちょっと早めに生まれて、軟化症だったのかな。
その子も、そのときで5歳か6歳ぐらいだったと思うんですけども、いっぱいしゃべってる動画をインスタでかなりアップされてて、こんなしゃべってんだって。

今思えば別に当たり前なんですけど、気管切開したら、勝手な思い込みで声が聞こえないと思ってたから、こんなにしゃべってるって妻にも見せて、すごいって。
それで、かなり前向きになって。

そのお母さんに直接メッセージを送って、実は今こういう状況で迷ってるんですって話したら、迷う気持ちすごく分かると。
ただ、自分たちはやってよかったと思ってますよって。
そういう経験者の言葉が、一番、背中を押してくれた。

なので、そのまま入院して待つよりは、早く病院から出て退院していろんな刺激に触れさせて、身体的ないろんな発達・発育をさせたいって、そっちに考えがシフトしていったんですよね。

医療的ケア児の家族の語り

都内で地震後の停電を経験し、バッテリーの必要性は感じている。バギーと息子を手動で運ぶために近所の力も必要だ(テキストのみ)

大きな地震があったとき、本人は寝ていたけど、ここの辺、半日、停電したんです。
電源は蓄電池を2つを買っているんで、それはよかったんです。
その時に保育園でお世話になってる訪問看護の所長さんが真夜中に「大丈夫?」って電話をしてきてくれたんですよ。別の訪問リハビリでお世話になってる人からも「大丈夫?」って。気にかけてもらうってありがたいですね。

あの時はそんなに大したことなかったので、助けを求める感じでもなかったですけど、そういう電話があることで、必要なことをお願いできるので、すごいありがたいことだなと思いました。

――電源は自費で確保したんですか。

一台 は、自費で。退院して帰ってくる時に必要だねって言って確保しときました。
それは病院からも言われました。いろんな蓄電池もあるし、ガソリン入れるタイプもあるし。

もう一台は今年度かな、市で災害用に助成しますよっていうのが始まったんですよ。
すでにもってる1台は呼吸器を1日動かせるぐらいしか持たないので「もう一台買っとこう」って言って。だから、2台あります。

――電源以外の災害備蓄は?

物品ももちろん、かなりの量を備蓄してますし、息子の避難セットだけで引越しみたいになります(笑)。これ持って避難するより、多分、家にいたほうがいいんじゃないかなって感じではあるんですけど。

――そのときの停電ってどれぐらい続いたんですか。

あの時は8時間ぐらいなのかな。
でも、停電しちゃうとエレベーターも動かないじゃないですか。そうすると、もう動けないなと思って。
本人は何とか抱えて下に下ろせるんですけど、車いすないと移動できなくて。車いすも、40キロぐらいあるんです。
だから、本当、近所の人とかお願いしないと避難できないなと思って、うち、自治会役員もやったんです。

引っ越して来て早々に、役員が回ってきちゃって、「実は、こういう事情があるので、人がいなきゃやりますけど、できれば避けたい」って最初は言ったんです。
ですけど、まあ、やろうかって、息子も連れて会合に出たりして。

近所に障害のある子がいると知ってもらっているので、お願いはしやすいですよね。
しかも、たまたま、2軒隣の人が会長さんだったので。
きっとお願いすれば助けてくれると思うので。
そういうふうに、自分たちでも、セーフティーネットみたいなものをつくっていくっていうのが大事かなと思って。時々、面倒くさいなと思うんですけど(笑)出ていってます。

医療的ケア児の家族の語り

退院時に経鼻経管栄養の管が抜けるたびに受診するのは自宅も遠くて大変だと思い、自宅でできるように訓練した(テキストのみ)

子どもの入院中はNG(経鼻経管栄養の管)を入れるのも、看護師さん呼んで、入れてもらったんですけど、先に卒業したお子さんが、家で抜けて、わざわざ入れるためだけに外来に来て受診してるのを、妻が知って。

そのためにわざわざ外来に来るのは大変だから、自分たちで自宅でできるように、習いたいって伝えたら先生がオーケー出してくれたんですよね。

――特に医療職なわけでもなく、管の入れ直しのためにわざわざ病院に行くのが面倒くさいわって決断したってことですか。

うちは、病院と自宅が離れてるんで、そのためだけに受診ってなったらと思って。
吸引はご両親でっていうのオーケーですけど、それまで経鼻経管栄養は先生たちも気管に入るとまずいからってことで、なかなか、よしとはしてなかったんですけど、やり方習って、音の確認とか教わってオーケーもらったんで、その点、うちは助かりましたね。

医療的ケア児の家族の語り

病院では最近、人手不足なのか親の付き添いを求められる。父親が付き添うなら個室をとってほしいと言われ憤慨した(音声のみ)

――家で自分が見なきゃいけない大変さと、入院先に通わなきゃいけない大変さってまた別のものだと思うんですけど、ご自身の仕事とかいろんなことを含めての生活を考えたときにどっちのほうが安心してられるとかありますか。

それは入院してもらって、しっかり見てもらったほうが、落ち着きますよね。
その間に僕たちも体調整えたり生活を整えたりっていうことができるので、もし病院で看てもらえるんであれば、そういうふうにお願いしたいんですが、最近、かかりつけの病院も、小児がすごく大変で、保護者に付き添いを求めるようになったんですね。
保護者が病院で付き添うぐらいなら、家で見てようかみたいな判断にはなってます。

去年、救急で夜間行って、「もう病棟は満室で成人の個室しかありません」「どっちか付き添ってください」って言われた時に、次の日、妻が学会発表だったんで、私が付き添って3泊ぐらいしました。

今年の夏は気管支鏡の検査があって、その病棟の看護師さん足りないみたいな感じで「付き添ってください」って言われて、妻が1泊2日に付き添ったんですけども、「お父さんが付き添う場合は別途個室料のかかる個室ね」みたいなことを言われて、すごく憤慨した記憶が。

――それは、周りが女性が多いから?

そうですね。ケアをする主体がお母さんっていう前提が病院の側にもあるし、お父さんが来るっていうことをそもそも想定していないっていうことですね。
男女もちろんいろんなことがあるんで分けるっていうことは合理的だと思うんですが、その場合に、お父さん側にだけ金銭的な負担が発生するっていうことは非常に信じられないですよね。

例えば、シングルファザーのご家庭だったり、いろんな事情があるところがあると思うんですが、その辺りもうちょっと考えてくれないかなと思いますけど。

――差額ベッド料って幾らぐらい? 2万円ぐらいするんですか。

1泊2万とか3万とかしますよね。
しかも一日って12時からの一日なんで、ホテルみたいな計算じゃないから、すっごい高くなるんですね、2日間。1泊2日、丸々2日分かかりますから。

医療的ケア児の家族の語り

他の家庭での状況や、新しい制度や機器の情報は相談員や訪問看護師から得た。ハード面での自己負担額も大きく、その情報は貴重だ

お風呂に関しても、私たちだけの情報だったら、どうしても限度があって、訪問看護さんが、他の利用者はこういうふうにやっているよとか、そういった情報が多いんです。
逆にこっちからも、うちではこういうことをしているよっていうのを伝えたり。

訪問看護さんとか相談員さんを通じての情報交換が貴重で、新しい道具を持ってきて、お風呂でこれ試してみたら、とか。
どうしてもしゃがんで体を洗わなきゃいけないと、腰痛めるので、どうやったらきつくないようにできるかなって工夫を一緒に考えたりとか。

――お金が意外にかかったもの、経済的な負担面で気付かれたことってありますか?

ハード面は、専用の椅子であったり、装具であったり、バギーも作って、車椅子も作って、福祉サービスの補助は出るんですけど、何割か負担しないといけないんです。

この物が全て、専門の物になるので、例えば椅子一つ取っても10万以上するとか、バギーだったら何十万する。
そこの何割か負担なので、そういった面ではかなり大きいですよね。自己負担は。

一番最初困ったのが、酸素を測る機械があるんです、パルスオキシメーターといって、今、コロナ禍で皆さん、よく分かると思うんですけど。
在宅用はこのぐらい大きいんですね。ティッシュペーパー(の箱)ぐらい。
ずっとこれを持って病院の外来へ行っていたんです。

酸素は必要だけど呼吸器をしていなかったんです、最初は。
小さくて持ち運びができるやつ、買ったら10万ぐらいするので福祉サービスで購入したい。
で、相談したら買えなかったんです。市の条例では条件が呼吸器を付けている子じゃないと駄目だよって。

実際、1歳のときに呼吸器を付けたから、その条件にはまって購入できたんですけど。
そういったところで市町村によっては、自己購入。
その福祉サービスが、行き通っていなくて、自己負担でしか買えない方たちがいっぱいいるみたいで、実際それを知らない人も多いんですよ。

こういった福祉サービスで買えるよっていうと、知らなかったって、買った後だったって。
私たちは、どういうふうに購入したら一番自己負担が減らせるのかって相談員にいろいろ話聴いて。
ハードの機械面ではすごいお金かかっている。

今、私たち吸引器は、在宅用と、保育園、幼稚園に行くときに持ち運ぶ吸引器あって、全部で今、3つあるんですね。
この残り2つが、よく壊れるんですよ。
この修理代で実際、買った金額の倍かかっているというのがあって。

ただ、本物の吸引器、在宅用の本物の吸引器は、10万以上する。
これも行政で6年(正しくは5年)に1回しか買い替えられないって決まっているので、なかなか買い替えることができないので、そういったところの自己負担は大きいかもしれない。