インタビュー39

インタビュー時:38歳(2022年4月)
関係:父
医療的ケアのある子:三女5歳
九州・沖縄地方在住。妻と長女17歳、長男15歳、次女13歳、三女5歳の6人家族。

妊娠28週で三女に水頭症と二分脊椎が分かった。
生まれてすぐ手術を受けたが、2ヶ月目に呼吸状態が悪化し、1歳で気管切開をし、4歳で胃ろうの手術をした。
2歳までは入退院を繰り返す日々だったが、現在は状態も落ち着き、声やジェスチャーで周囲に意思を伝えてくる。
2歳のとき行政や議員、地域のサポートを受け、在住市で初めて医療的ケア児の保育園入園が実現した。
娘は地域の子と一緒に過ごすことで大きく成長している。

インタビュー38

インタビュー時:50歳(2022年3月)
関係:父
医療的ケアのある子:次男21歳
首都圏在住。妻と長男24歳、次男21歳、三男19歳の5人家族。

次男は1歳頃から定期的に40度ほどの高熱を出し、3歳頃には発熱と同時に口内炎や陰部の潰瘍が見られるようになった。10歳頃にベーチェット病と診断され、2週に1回の自己注射が必要になった。その後、薬が効かなくなり20歳のとき7週に1回の病院での薬剤の点滴投与に変更した。突然の体調不良から長期入院や休養が必要になることもあるが、見た目は普通の子と変わらず、周囲からさぼっていると誤解されることもある。病気と付き合いながらも息子が自立していくことを親として見守るしかない。

インタビュー37

インタビュー時:47歳(2022年1月)
関係:母
医療的ケアのある子:長女15歳
関西在住。夫と長女(15歳)、長男(11歳)の4人家族。

長女は生後何日経ってもミルクを飲まず経管栄養が開始され、生後7か月で胃ろうとなった。
3歳頃に染色体の一部欠損が分かり、今後できないことが多いのかと思ったが、その予測に反し娘は歩けるようになり、歌やダンスが大好きな子になった。
普通小学校入学を希望し、地域の大きな支援を受けて看護師配置が実現した。
娘の小学校入学を機に仕事をしたいと思い、現在自宅で英語塾の講師をしている。

インタビュー30

インタビュー時の年齢:40歳(2021年8月)
関係:母
医療的ケアのある子:次女2歳
首都圏在住。夫と長女(7歳)、次女の4人家族。

次女は新生児仮死の状態で生まれ、NICU(新生児集中治療室)に入院。
腎機能にダメージを受けて尿が出ず、透析が必要な状態となった。
現在は自宅で腹膜透析と経鼻経管栄養の管理をしながら生活をしている。
小学校入学までには腎移植が必要であり、先の不安はあるが、現在保育園で充実した毎日を過ごしている。
子どもの入園を機に自分も復職した。

インタビュー29

インタビュー時:36歳(2021年7月)
関係:母(インタビュー28の妻)
医療的ケアのある子:次女10歳
四国在住。夫、長女、次女の4人家族。

次女は緊急帝王切開で生まれて直ぐ、先天性心疾患と稀少な染色体異常があるとわかり、手術のため1年ほど入院した。
退院後も体調を崩しては入院し、経管栄養、導尿、人工呼吸器などが必要になった。
元看護師だが、次女を在宅で診ることに不安も大きかった。
夫がケアを覚え看護師並みに活躍してくれることが、とても心強い。
次女は特別支援学校に入学したが、地元の小学校に看護師配置が実現し、現在長女と同じ小学校に通っている。

インタビュー28

インタビュー時:44歳(2021年7月)
関係:父(インタビュー29の夫)
医療的ケアのある子:次女10歳
四国在住。妻、長女、次女の4人家族。

次女は緊急帝王切開で生まれてすぐ、先天性心疾患があり、心臓手術が必要でNICUと小児科病棟に1年ほど入院した。
退院後も体調を崩しては入院し、経管栄養や人工呼吸器など医療的ケアが増えていった。のちに希少な染色体異常が分かった。
普段のケアは主に妻で、自分もできるだけケアに参加しているが、妻との差は感じる。
自宅から病院まで車で小一時間かかり、救急車を呼ぶのもためらわれることがある。もう少し近くに小児を診られる病院があればと思う。

インタビュー27

インタビュー時:54歳(2021年7月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男15歳(逝去時)
九州在住。長男を2006年に亡くし現在一人暮らし。元夫とは離婚。

妊娠中に胎児に水頭症の可能性を指摘され自然分娩で出産した。
原因は不明なまま、入退院を繰り返し、口腔鼻腔内吸引、経鼻経管栄養、導尿など医療的ケアが増えていった。
10歳で気管切開と胃ろう、その後人工呼吸器も必要となった。
夫と離婚後は養育費と生活保護を受け生活していた。
長男が亡くなってから看護師を目指し、現在訪問看護師として働く。

インタビュー19

インタビュー時:43歳(2021年4月)
関係:母
医療的ケアのある子:次男17歳
首都圏在住。子どもは長男と次男の2人。

次男は妊娠34週に仮死状態で生まれた。
看護師として小児病棟での勤務経験もあったため、顔つきからなにか他の子とは違うと感じた。
次男は生後半年で気管切開と人工呼吸器を装着し、現在も胃ろうなどの医療的ケアがある。
重度の知的障害もあるが、将来は家族と離れ、他の人の助けを得て過ごすことが自立と考えている。
自身は次男が7歳のとき、正規雇用の看護職として復職している。

インタビュー18

インタビュー時:57歳(2021年4月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男17歳
首都圏在住。夫、長男の3人家族。

長男は1歳2ヶ月頃まで元気だったが、感染症を繰り返すごとに状態が悪くなり、1歳6ヶ月でミトコンドリア脳筋症(Leigh脳症、ピルビン酸脱水素酵素欠損症)と診断された。
言葉での意思疎通は難しく、人工呼吸器、気管切開、吸引、胃ろうからの経管栄養がある。
自身は障害のある子どもを支援するNPO法人で活動している。
長男の特別支援学校に付き添いながら、卒業後に社会に出る準備を大切に過ごしている。

インタビュー16

インタビュー時:46歳(2021年3月)
関係:母
医療的ケアのある子:長女15歳
首都圏在住。夫と長男、長女、次女の5人家族。

妊娠中に水頭症、出生後に二分脊椎が分かり手術した。
生後2か月頃から呼吸及び嚥下障害がみられ酸素療法・経管栄養を行った。
今春、特別支援学校中学部を卒業し、高等部に入学予定。導尿・摘便などの医療的ケアがある。
移動には車いすを使用しており、移乗や身体介助で自身と長男は椎間板ヘルニアを発症した。
今後、長女が家族と離れ自立した生活を送ることも見据え、自力でできることを増やしていきたい。

インタビュー08

インタビュー時:33歳(2020年11月)
関係:母
医療的ケアのある子:長女1歳6か月
首都圏在住。夫と長女の3人家族。

娘は出生後まもなく体が青ざめていき、転院先の病院で、食道閉鎖と鎖肛と診断された。
現在はバーター症候群と診断されており、1日4回胃ろうからの栄養注入と、食道を切断しているため唾液を排出する唾液ろうがある。
来年には食道をつなぐ手術を行う予定だが、これまで口から食べる経験のほとんどなかった娘にとって、食べられるようになるには食べ物に興味を持ち、口を動かす訓練などが必要となる。
現在育休中で子どもと1日中一緒にいる。
居宅訪問型の児童発達支援などを利用したいが、子どもをみるのは親の仕事という行政の意識に壁を感じる。

インタビュー05

インタビュー時:35歳(2020年2月)
関係:母
医療的ケアのある子:第2子2歳
首都圏在住。夫、第1子、第2子の4人家族。

第2子が2017年新生児仮死で出生した。
NICUとGCUに数日入院した後、自宅で生活していたが、新生児期に発熱して入院。
珍しい症状であり地元の病院から専門病院に転院して治療した。
生後半年でストーマを造設し、2歳のときにストーマを閉鎖する手術を受けた。
今は必要な医療的ケアはないが、心不全のケアが今後も必要である。
第2子のストーマ閉鎖後に保育園入園が決まり、仕事復帰予定である。