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インタビュー時の年齢:44歳(2021年6月)
関係:母 (インタビュー25の妻)
医療的ケアのある子:長男15歳
北関東在住。夫、長男、二男(1歳)と暮らしている。
長男は小学2年生のときに交通事故で寝たきりとなり、人工呼吸器の管理、痰の吸引、胃ろうからの経管栄養の医療的ケアが必要となった。
息子は現在、特別支援学校の訪問教育を受けている。
自分は息子のお世話をしながら、バリアフリーに改装した自宅で小さなカフェを始めた。
同じような境遇にある方々にとって安心して外に出かけられるきっかけとなる場所にしたいと思っている。
語りの内容
呼吸器を付けていると小児ということもあって、加温加湿器を付けているんですけれど、加温加湿器って、加湿器は温かい状態で、水と空気が温められている状態のところを通って、管を通って喉元まで来るんです。
その管っていうのは、外側空気(に触れている)というか、体の上だったりお布団の上に載っているものなので、冬場なんかですと特に結露するんですね。
で、角度が悪いと水がガボッと、結露してた管にたまった水が(気管に)ドボドボドボドボッと入ってしまうことがあって、まあ、溺れる状態ですよね。
そうするともう自分でせき込むとかももちろんできないですし、カテーテルで吸引して水は上がってこないですし。
どんどんサチュレーションは下がっていく、顔色は変わっていくっていうのがすごく、一度すごく怖い思いをして。
ただ、変な言い方ですけど、一度経験をしたので、もしなった場合にもどう対処すればいいかっていうのは、そのときの看護師さんと先生の動きを見て学びました。
それで次からは、何度か、それほど大きくではないんですけれど、間違って入ってしまったときにも、こうすれば大丈夫っていうところで対処をするのは覚えていったのはありますね。
ただまあ、入らないのが一番なんですが(笑)
――具体的に、そういったときどういうふうに対処されてるんですか。
そうですね、もう(水が)入ってしまったのは取り出すことはできないので、ある程度はアンビューバックで、ちょっと過呼吸というか、酸素を多めに入れてあげて、呼吸数増やして、たんを上げてあげるっていうところと。
一時的に酸素の流量を増やして、体が楽なようにというか、負担が少ない状態で様子を見てというところなんですけれど、幸い悪化することはなく、今のところ。
先生のお話で、徐々に水は吸収されていくというお話も伺って、そういうのも安心につながっていますね。絶対出さないと危険っていうことではないよって話をしていただいて、時間がたつのを待つしかないですっていうお話もいただいてるので。
――呼吸器のチューブ、回路に結露ができてしまうことへの予防法で、実践されてることあります?
そうですね、いろんなママと話しても、ほかのお母さんたちもやっぱりそれは悩みどころで。やはり入らないように、気温差があると結露をしてしまうので、カバーを付けているお母さんもいらっしゃったり、手作りで、布製の蛇腹のようなものを作ってかぶせてる方もいらっしゃったり。
あとは小まめに払う、水を。小まめに付いた水を、呼吸器を外して吸引の都度払うとか、気が付いたら払うっていうのを、なるべくするというところで、予防だけですね。
インタビュー24
- 息子のケアに慣れてきた頃、下の子が生まれた。まだ手のかかる時期だが、下の子がいることで家族全体で楽しい時間が増えた
- 自家用車での通学時、予定時間に到着できない事があり、ヘルパーさんをお待たせしてしまったり、自分たちが待ったりする
- 交通事故で医療的ケアが必要になり元の学校に戻るか相談した際、息子の状態や学校の負担、親の付き添いの負担も考え訪問籍にした
- 訪問教育でじっくり子どもの反応を引き出してもらえた。訪問籍でも通学籍の子との交流の機会もあり子ども同士のつながりもあった
- リフォームで玄関のバリアフリーや濡れずに出入りできる駐車場、雪の積もらないスペース確保、地震時に安全なものの配置などを考えた
- 息子をディズニーランドに連れていきたいと主治医に伝えると、車いすや行ける環境を整えてくれた。息子の昔からの友達とママ達との交流も楽しい時間だ
- 最初はスロープ付きの軽自動車を購入したが、呼吸器のチューブが外れたときに横に介助者がいないと危険なため、買い直した
- 田舎でバスの本数も少ない。将来息子が大人になったときに公共交通機関を使って自力で移動できるよう、定期的に経験させている
- 事故で身体が動かなくなった息子が退院したとき、近所のママたちがクリスマス会を企画し、子どもたちもこれまで通りに接してくれた
- 地域の避難訓練に参加し、吸引やアラーム音、荷物の量など知ってもらった。家が一番なのでできるだけ家で過ごせるよう準備している
- 呼吸器のチューブ内に結露した水が気管に流れ込み、子どもの顔色がみるみる変わり、怖い思いをした。予防や対処法を知り、対応している
- 宣告された余命をはるかに超えて子どもが落ち着いて過ごしている。少しずつ長期的なことに目を向けていけるようになった