※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
インタビュー時:44歳(2021年7月)
関係:父(インタビュー29の夫)
医療的ケアのある子:次女10歳
四国在住。妻、長女、次女の4人家族。
次女は緊急帝王切開で生まれてすぐ、先天性心疾患があり、心臓手術が必要でNICUと小児科病棟に1年ほど入院した。
退院後も体調を崩しては入院し、経管栄養や人工呼吸器など医療的ケアが増えていった。のちに希少な染色体異常が分かった。
普段のケアは主に妻で、自分もできるだけケアに参加しているが、妻との差は感じる。
自宅から病院まで車で小一時間かかり、救急車を呼ぶのもためらわれることがある。もう少し近くに小児を診られる病院があればと思う。
語りの内容
嫌な話、(自分が職場にいるときなら)娘が急変して、病院に行きましたとなったら、楽です。けど、家でどっちつかずっていうのがちょっと困るかなっていう。
困るっていう言い方おかしいんですけど、(職場から)家に帰るのと病院に行くのとだったら、圧倒的に病院のほうが近いので。
家に向かって行ってるのに病院に行きましたっていうんでは困るんで。
――すれ違いになっちゃう。
そうです。どうしても、救急車で行くようになるんですけどね、乗れる人間っていうのが限られてるじゃないですか。
だから、用意もできないままうちの奥さんが病院に走ってしまうので、そこですれ違いを起こすとどうしようもなくなるっていうんですよ。
そのまま病院に向かったらいいっていうんであれば楽に行けるんですけど、中途半端に帰ってきとる中で今から病院に来てっていうんだと、手間というか、段取りに時間が掛かってしまうんで。
――今出たその病院っていうのが、つまりおうちからも40〜50分。1時間弱ぐらいの距離。
はい。
――これまで急変して行くことになったこととか。
救急車に乗った回数だったら、4回ですかね。はい。自分で走ったので2〜3回ってところですかね。はい。
――自分で乗せて運んだこともあるわけですね。
そうです。住んどる地域が田舎なもんで、救急車がすぐに来てくれる状況じゃないときとか、どうしてもあるんですよね。
変な感覚なんですけど、今まで(娘が)しんどくなったんをずっと見てきた上で、このぐらいで救急車を呼んだら逆に迷惑なんじゃないかっていう感覚も出てきてしまったんですよね。
だから、自分で走るっていう選択肢を取ったことが何度もあります。
どこで呼んだらいいのかっていうあいまいさもありますし、このぐらいだったら持ちこたえれるだろうっていう変な慣れも出てきまして。はい。