病院から退院して家に戻ってくるにあたっては、家の中の環境についてどのような工夫をしたのでしょうか。
子どもが生まれるにあたり一軒家を購入したが、バギーや抱っこで移動することが多く、階段があって不便で2階部分は日常、ほとんど使っていないというお話もありました。
また、病院や療育、学校などの近くや、環境が整っている地域に引っ越すことになり、新しい家を決める際に、家の中のバリアフリーや通路の幅などの立地条件を優先して考えたといった方もいました。
在宅に戻る準備
一般的には、退院前に在宅療養での日常を想定した訓練を行ってから退院します。どのような訓練があったのかについてお話頂きました。
通常、退院時はNICUやGCUで母子入院を数日行って退院という流れが多いようですが、この方のお子さんの病院では最低1か月の母子入院を行って退院という決まりがあったようです。
1ヶ月の母子入院の辛さを思い、最初は嫌だったそうですが、自信をもって退院できてやってよかったとの思いをお話くださいました。
次のご家族は、小学生だった双子のお兄ちゃんも含め、家族みんなでケアの訓練を受けたことで、家族の気持ちがぐっと近づいたそうです。
病院と自宅の距離が離れていることからできるだけ自宅で対応できるように訓練してから退院したという親御さんもいました。
次の方のお子さんは生後数か月で亡くなってしまいましたが、クリスマスとお正月に自宅に帰り、家族だけの時間を過ごしました。
自宅での環境を整えるべく様々な専門家が関わり、緊張の数日を過ごしたことは忘れられないそうです。
在宅での気づき
家ではナースコールもできなければ、季節により室温や湿度も大きく変わります。冬場の脱衣所は寒いですし、夏場はエアコンがないと温度も湿度も上がります。
病院とは違い風呂に酸素の出る管もついていないなど、在宅では自分で必要なものを準備し、まずは自分で対処しなければならない緊張感があったというお話もありました。
次の方は、在宅に向けてバギーやベッド周りの棚を探したが、人工呼吸器のついた子に対応できる耐荷重のあるものやちょうどよいサイズが見つからずにとても苦戦されたそうです。
在宅環境の工夫
お子さんに医療的ケアが必要になったことで、住んでいた家に不便を感じ、引越しをして人工呼吸器や酸素ボンベといった機器の置き場を確保したり、バギーなどで移動できるように部屋と部屋の間がフラットで、廊下の幅やお風呂の脱衣スペースが広いおうちを探したというご家族が多くいました。
おうち探しのポイントや、家の中でのこだわり、ベッド周りの環境づくりについてお話を聞きました。
次の方はマンションを選ぶ際の条件についてのお話です。
この方がお住まいの地域は関東地方の中では雪も降る地域で、車での移動の多い地域です。また東日本大震災の経験からリフォームを考えたというお話です。
2023年7月公開
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