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インタビュー時の年齢:44歳(2021年6月)
関係:母 (インタビュー25の妻)
医療的ケアのある子:長男15歳
北関東在住。夫、長男、二男(1歳)と暮らしている。
長男は小学2年生のときに交通事故で寝たきりとなり、人工呼吸器の管理、痰の吸引、胃ろうからの経管栄養の医療的ケアが必要となった。
息子は現在、特別支援学校の訪問教育を受けている。
自分は息子のお世話をしながら、バリアフリーに改装した自宅で小さなカフェを始めた。
同じような境遇にある方々にとって安心して外に出かけられるきっかけとなる場所にしたいと思っている。
語りの内容
リフォームについては、家の玄関が、上がりかまちがあり、玄関を出たら玄関ポーチは2段ほど階段がありという状況で、まず買ったのがスロープだった。
ただ毎回スロープを使って出入りをするのが、大変だったので、リフォームをするのであれば、そこもスムーズに出入りがしたいということで、いわゆるバリアフリーにしたかったというのが1つ。
あとは出掛けて車から家に入る間に、例えば夏、夕立の時間に当たってしまうと、玄関から駐車場って屋根がないので濡れてしまう。
夕立のときは少し小降りになるまで車で待ったりなんていうこともあったんです。
どうせ変えるのであれば濡れずに出入りがしたい、というのが最初にありまして。
冬、雪のときに雪遊びをさせたいと思って。
外に出たときに呼吸器を載せる台が、車いすの下の部分に、床から5センチ程度の高さのところに板があるので、あまり雪が積もってしまうと呼吸器が雪をかぶってしまったり、車いすが進めない。
例えば日中一時支援で外に出て、行きは降ってなかったけれど、帰り積もってしまったなんてことも考えられるので、完全に玄関と車の間は濡れずに、雪も積もらない環境をつくりたかったというのもあって、その辺も考慮して、リフォームはしました。
息子は、部屋の中でベッドから車いすに移乗するのにリフトを使っているんです。
それ以外のものは、急に退院してきたのもあって、あり合わせのメタルシェルフとか、家にあった台などを組み合わせてベッドの周りに置いて、吸引機を置いたり呼吸器、パルスオキシメーター置いたり、必要な物品を並べたりをしてたんです。
でも掃除が大変なんですね。高さも、造りもばらばらで。
どうせリフォームをするのであれば、その辺も含めて掃除にかける時間も惜しいので、掃除もスムーズに楽にできて、自分たち家族だけじゃなくて、支援に入る方たちもどこに何があるかが分かりやすく使いやすいように、作り付けの家具で作りたかったというのが1つあります。
大きい地震経験して、そのときは医療的ケアも何もなくわが家ではまだそういうのはなかったんですけれど、もしこの後そういう災害に遭ったときに、例えば高いところに、ベッドより高いところに物があると、落ちてきたら危ないというのもあったので、ちょっと腰の高さの70~80センチ程度ですかね、ベッドよりもなるべく物が高くならない位置に全てのものを置けるようにということで、家具の高さをそろえ直しました。
インタビュー24
- 息子のケアに慣れてきた頃、下の子が生まれた。まだ手のかかる時期だが、下の子がいることで家族全体で楽しい時間が増えた
- 自家用車での通学時、予定時間に到着できない事があり、ヘルパーさんをお待たせしてしまったり、自分たちが待ったりする
- 交通事故で医療的ケアが必要になり元の学校に戻るか相談した際、息子の状態や学校の負担、親の付き添いの負担も考え訪問籍にした
- 訪問教育でじっくり子どもの反応を引き出してもらえた。訪問籍でも通学籍の子との交流の機会もあり子ども同士のつながりもあった
- リフォームで玄関のバリアフリーや濡れずに出入りできる駐車場、雪の積もらないスペース確保、地震時に安全なものの配置などを考えた
- 息子をディズニーランドに連れていきたいと主治医に伝えると、車いすや行ける環境を整えてくれた。息子の昔からの友達とママ達との交流も楽しい時間だ
- 最初はスロープ付きの軽自動車を購入したが、呼吸器のチューブが外れたときに横に介助者がいないと危険なため、買い直した
- 田舎でバスの本数も少ない。将来息子が大人になったときに公共交通機関を使って自力で移動できるよう、定期的に経験させている
- 事故で身体が動かなくなった息子が退院したとき、近所のママたちがクリスマス会を企画し、子どもたちもこれまで通りに接してくれた
- 地域の避難訓練に参加し、吸引やアラーム音、荷物の量など知ってもらった。家が一番なのでできるだけ家で過ごせるよう準備している
- 呼吸器のチューブ内に結露した水が気管に流れ込み、子どもの顔色がみるみる変わり、怖い思いをした。予防や対処法を知り、対応している
- 宣告された余命をはるかに超えて子どもが落ち着いて過ごしている。少しずつ長期的なことに目を向けていけるようになった