学校や病院といった日常的な外出、家族のお出かけや旅行についての準備や工夫について伺いました。
バギーとも呼ばれる子ども用車いすは幅も重量もあり、外出や移動の際の段差やスペース確保に苦労されているお話や、日常の医療的ケアに必要な持ち物に加え、着替えや予備など外出時に必要な持ち物が多すぎて、どこに行くのかと周囲に驚かれるというお話もありました。
外出の楽しみ
お子さんとの外出の楽しみについてお話いただきました。
この方のお子さんは交通事故で突然障害を負い、あと数か月の命かもしれないといわれる中で退院し、家に帰ってきました。
訪問看護師から「おうちに帰ったら何がしたいか」と問われたことで、子どもを看取るのかという気持ちから、子どもとの生活を楽しむため何をしようかという気持ちに変化したと言います。
次の方は、500円玉貯金をしては年に1度くらい国内旅行に出かけたと言います。
お子さんとの楽しい思い出をお話くださいました。
外出時の困りごと・工夫
外出先ではバッテリーや酸素の残量を気にしている、ケアが必要になったときに、音や見た目が気になり、ケアする場所を選ぶなどがあるようです。
次の方は器用な父親の自作の吸引器で外出しやすくなり、お兄ちゃんの行事やお散歩などに出かけたことを話してくださいました。
次の方には、バギーとも呼ばれる車いす移動での困りごとについてお話頂きました。
寝たきりで、自力で座った状態を維持することが難しい子が乗る車いすは、一般に想起される車いすよりも長さと高さがあります。
また、クッション性を高めたり、人工呼吸器などを載せたりするために、しっかりとした作りで重量もかなりあります。
そこで、段差がなくバリアフリーといわれる場所でも、転回するための幅が十分ではなく、バギーだと入れないところも少なくないそうです。
次の方は、車で数時間という距離の実家に子連れ帰省している際にお子さんの胃ろうのボタン部分が外れてしまうトラブルが起きたときについてお話くださいました。
レジャー・旅行
家族での旅行やレジャーには、行った先の病院や休憩場所などの下調べ、新幹線や飛行機の利用の際はあらかじめ問い合わせをして医療的ケアのあることを伝えておくことも大切です。
行った先で必要となる経管栄養の器具や栄養剤をあらかじめ宿泊先に送っておいて荷物を減らすといた工夫もあるそうです。
次の方は、夫がシンガポール出身で、シンガポールの親戚に会うために子どもを連れて初めて海外旅行を経験したときのことを話してくれました。
公共交通機関
都心部では地下鉄、電車、バスなどの公共交通機関は本数も多く、バリアフリーも整っているので、快適に利用できているというお話もありました。
よく電車を利用している方からは、障害者と障害者付き添い用の切符を毎回、購入するのが面倒なため、専用のICカードを作ってほしいという声もありました。
比較的便利な都心部でも、大型のバギーを利用する医療的ケア児にとって電車やバスなどの公共交通機関を利用するには事前に利用時間を伝えて場所を確保したり、乗り降りの際にサポートが必要となります。
次の方は公共のバス利用の経験をお話くださいました。
自家用車の購入
医療的ケアのある子と一緒に外出するために、バギーごと乗れる車両やキャンピングカーを購入したというお話です。
次の方は、介護タクシーの利用は自治体からの補助があるものの、金額的になかなか気軽に出かけられないと感じ、福祉車両を購入しました。現在、2台目となる車で、失敗もありながら、今の車にたどり着いたそうです。
2023年7月公開
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