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インタビュー時:54歳(2021年7月)
関係:母
医療的ケアのある子:長男15歳(逝去時)
九州在住。長男を2006年に亡くし現在一人暮らし。元夫とは離婚。

妊娠中に胎児に水頭症の可能性を指摘され自然分娩で出産した。
原因は不明なまま、入退院を繰り返し、口腔鼻腔内吸引、経鼻経管栄養、導尿など医療的ケアが増えていった。
10歳で気管切開と胃ろう、その後人工呼吸器も必要となった。
夫と離婚後は養育費と生活保護を受け生活していた。
長男が亡くなってから看護師を目指し、現在訪問看護師として働く。

語りの内容

私の中で、(息子は)長く生きられないっていうのは分かっていたので、今できることを、今いろんな世の中を見せてあげたかった…。
健康であれば、修学旅行で行ったりとかね、自分の旅行で行ってとかできるんだろうけれども、この子は、それは一生することができないので、だったら私がする。
私も行きたいディズニーランドに、一緒に連れて行く(笑)。

ディズニーランドに行ったときに、導尿もしました、ベンチで。
経管栄養も車椅子でぶら下げたまましましたしね、パレードを見ながら。

どちらかというと、(住んでいるところより)他府県のほうが障害持ってる人には優しいかもしれない。
土地柄なんですよね。
階段とか坂が多いので、障害を持つ人たちが表に出る機会がないんですよね。

東京とか大阪はバリアフリーになってますでしょう。
障害を持ってる人たちが目に入るっていうか、そういう土地柄的なものもあるのかなとは思いました。
自分が実際行ってみて、2人で行っても何も困らなかった。

――ホテルは、どんなとこに泊まるんですか。

もう普通のところです。ディズニーランドは一番いいホテルを取ったんですよ。もう30万、全部使っちゃいました。
一番いいホテルに泊まって。
いいホテルって慣れないんですよね。

シャワーをまず使えない。
息子を入れ、一緒にこうして。シャワーと浴室が別になってるもんだから、どうやって入れるのかなって思いながら、抱っこしながら、2人で浴室をうろうろしてたのは覚えてますね。

――シャワーブースがあって、高級感があるホテルですね。

高級感があり過ぎて、どっちが蛇口なのか。
蛇口開いたら、いきなり上からボーンって、シャワーからお湯が出てきて、2人でワーッってなって、ごめんごめんって言いながら。
「いやー、やっぱり駄目よね、高級過ぎて」って言いながら。

旅行は何度かしてたので、S字フックとかというのは持って行ってたし、先にHOT(在宅酸素療法)も入れてもらってたし、ボンベも準備してもらってたし、荷物も先に送ってましたので、手元には、酸素と吸引器と着替えとおむつぐらいなもんで。
元気だったんでしょうね、私もその頃はね。

私は: です。

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