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インタビュー時:47歳(2020年11月)
関係:母
医療的ケアのある子:次女9歳
首都圏在住。夫、長女(中学生)、次女(小4)の4人家族。
次女は出産時のトラブルによる脳性麻痺で、医療的ケアは気管切開、胃ろう、口鼻と気管吸引が必要である。
かかりつけ医、訪問看護、リハビリテーションを利用し、父親もケアを担っている。特別支援学校に所属し、地域とのつながりを大切にしている。
自分は、手作りの気管切開固定テープなどを販売している。
語りの内容
NICUってすごく複雑な場所。
小さく生まれた、早く生まれただけで、障害がないお子さんのお母さんもいて、かたや、もう明日はどうなるかっていう、うちみたいなお母さんたちもいて、そこで仲良くっていうのは難しくて。
生まれた喜びで、テンション高く話してるお母さんたちに「お子さん何週?」って言われると、声掛けないで、話したくないですって感じがあって。
初めて肺炎で入院したときも、お隣のベッドにいたお母さんが、すごく積極的に声を掛けてくださった。医療的ケアのあるお子さんのお母さんだったんです。
私、かたくなになって、お友達はいりませんっていう感じだったので、そのお母さんに声を掛けられても、「はあ」って言って背を向けて。
諦めずにそのママがずっと声を掛け続けてくれて、そのママが今は一番の親友なんです。
上の子の年も近かったのと、一緒の時期に入院も続いてたので、向こうのお姉ちゃんとうちのお姉ちゃんを連れて公園に行ったときに、そのママが、「どうしてうちの子たちはね、ああいうふうになっちゃったんだろう」って。
「私たちはつらいよね」って。
「どうしたらいいんだろうね」って言ってたんだけど。
「でも楽な子育てしてる人って、きっと1人もいないよ」と。
「やることが違うだけでみんな大変じゃない」って私、言ったんですね。
そのママが(最初はお子さんが)ミルクを飲めてたのに、だんだん飲めなくなって経管栄養になってしまったんです。
それがお母さんはつらかったんです。
「でもね、ちょうど同じ年頃のおうちは今、離乳食で、お母さんたち泣いてるよ」って。
「食べないし、作るの大変だし。食べ始めたらそこに1時間座ってなきゃいけないし、私たちの子は、セットしたら1時間それでね、手が離れちゃうんだから、その分、私たち楽じゃない?」って言ったら、そのママはすーっとその言葉が腑に落ちて、あ、そんなに嫌なことじゃないんだって思えたそうなんです。
そこが私たちの始まりで、もう10年近く前の話ですけど、鮮明に私たちの記憶にあって、あの公園のベンチで2人でしゃべったことは、私たちがきょうまで頑張ってこれたスタートだよねって。
娘が生まれて娘と関わることでつながった人たちは、そういう人たちがいなかったら、きょうまで来れなかったなと思いますし、そういうつながりが、自分を強くしてくれてるなっていうふうに思います。